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著者の思想をどんどん取り入れるための読書

緊急事態宣言が発令されてからより一層、引きこもりに熱を入れています。

図書館も休館となっているので、積読していた本たちを読む絶好の機会になっています。あとは配達も極力避けたいので、Kindle本も活用しています。

皆さんもおすすめの本があれば教えてくださいね。
では、最近読んだ10冊です。

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160、『それでも人生にイエスと言う』 V.E. フランクル(著)

ナチスの強制収容所から解放された直後、終戦後で精神状態が錯乱している一般市民に向けてフランクルが行った講演にもとづいている。フランクル自身も精神的ケアが必要であろう時期にも関わらず、市民のために心理学者としての使命を果たしていると思うと感慨深い。

内容は『夜と霧』と重なる部分もあるが、人間が人間として生きていくための理論について語られている。解説もあるが哲学的で1回で理解するのは難しい。

人生は苦悩があるから喜びや快楽を感じることができるが、強制収容所のような場所で長期間、苦悩を耐え続けていると、感情が「無」になってしまう。わずかな夢を思い描きながら生き、いざその夢が現実になろうとすると喜びとは一体なんなのかが分からないと。人間の精神状態が環境によってそこまで変化するのか、と恐ろしく思った。

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161、『夜と霧 新版』 ヴィクトール・E・フランクル(著)

心理学者としてではなく、被収容者の1人として体験したことが語られている。悲惨な状況において、人間はそれでも生きようとする人と人生を放棄してしまう人がいる。生きようとする人は導かれた運命に従い、儚い夢を抱きながらただ、生を全うしている。

先の見えない不安やお金の不安など、自分の考えていることが小さく思えた。こんなことで悩んでいるなんてちっぽけだなと。

生きていることから何かを期待するのではなく、生きることが私たちから何を期待しているのか。生きるとは、生きることの問いに正しく答える義務である。

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162、『ソロモンの指環―動物行動学入門』 コンラート・ローレンツ(著)

ローレンツ博士は、昆虫や鳥類を主とした動物行動学の研究者で、刷り込み理論を提唱した。大好きなたくさんの動物を自宅で飼っていて、普通なら檻は内にあるのに対して、コンラート家では外界と一体になっているので、庭で幼い娘を遊ばせる時には、娘を檻に入れていたと。
こんなにたくさんの動物を愛し、自然と共存していた時代が羨ましいなと思った。田舎に行きたい。

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163、『死を考える100冊の本』 久我勝利(著)

宗教、文学、科学、哲学など様々な角度から死に関して考えることができる。そして多くの人が死について考察していることが分かる。
たくさんの本が出てくるので自分の興味が湧く分野にも気付き、読みたい本がまた増えていく。

邦訳本は現代語で訳されているからか理解しやすいのだが、母国語であるはずの古典が理解できず、言葉の奥にありそうな意味が理解できない。だから日本文学よりも、わかりやすく訳されている海外文学のほうが読みやすいと思ってしまうのか。

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164、『総理の夫 First Gentleman』 原田マハ(著)

400ページ以上あるが、笑いあり涙ありでどんどん読み進められる本。何回も鳥肌がたった。かっこいい誰もが憧れるような女性(凛子)が総理大臣になり、その妻を支える夫(日和)が日記として語っていく。

女性が日本国を変えたいと心から思い、国民のために奮闘していく。内閣も女性が増えていくことを想像したら、鳥肌がたった。現在も裏取引とかよく分からない状況が多く、国民の多くが自分の国に失望している。そんな中で凛子のようなヒロインが登場したら、どんなにいいだろうかと思う。

そして、女性としての働き方や夫婦のあり方についても考えさせられる。日和は凛子の4つ歳下で、野鳥研究者のおぼっちゃま。おっとりしていて呑気であるが、自分のやるべきことを全うしようというする。無垢で愛らしい感じが母性本能をくすぐるのか。夫婦には誰にも邪魔することのできない硬い絆があるから、どんなことも乗り越えていけるんだな。

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165、『ジヴェルニーの食卓』 原田 マハ(著)

やはり原田さんの小説は、世界に入り込めて面白い。登場人物の感情や表情も感じさせられて、読み終わったときには毎回心が暖かくなる。

今回は、マティス、ピカソ、モネなどが登場し作品の学びにもなる。フィクションなので、事実を誤解しそうになる。ちゃんとした事実は調べないといけないなと思った。それだけリアリティを感じる。

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166、『美しき拷問の本』 桐生 操(著)

全然美しくない拷問について書かれている。古代の貴人たちは自分勝手もいいとこだなと思う。差別や倫理という概念がなかったからこそ、ひどい身分格差や非人道的な拷問が行われていたのかな。想像するだけで恐ろしいが、こんな時代や人物がいたのかと学びになる。

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167、『世界性生活大全 「愛」と「欲望」と「快楽」の宴 桐生操の世界大全』 桐生 操(著)

『美しき拷問の本』に関連付けて面白そうなので読んでみた。全7シリーズもある。
17世紀頃の話から、現代ではありえないような性癖を持っている王や公妃がいたことが分かる。神話に関する内容も多く勉強にはなるが、なんと言ってもこんなに性に関する歴史を語れる著者がすごい。

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168、『吾輩も猫である』 赤川 次郎(著), 新井 素子(著), 石田 衣良(著), 荻原 浩(著), 恩田 陸(著), 原田 マハ(著), 村山 由佳(著), 山内 マリコ(著)

夏目漱石没100年、生誕150年を記念してつくられた猫アンソロジー。全て猫目線で語られている。短編なのでさらっと読める。
ジブリ『猫の恩返し』を思い出すような内容もあった。猫世界の話や、猫からみる人間の世界がそれぞれ個性的で面白い。

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169、『なぜねこは幸せに見えるの?─子どものための哲学のおはなし』 左近司祥子(著)

哲学者の名言が少しずつ出ていて、解説もわかりやすくされている。

動物の中で群れをつくり、群れて行動したがる人間。人間は常に親子という師弟関係のような群れをつくり、縄張りおよび国家をつくっている。猫は群れることなく、集団の中でも自分の好きなように、他者に干渉することなく生きている。
猫って羨ましいなと思うどころか、すでに私自身もほとんど猫のように生きているな、と思った。(笑)

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今回は気になった著者の書かれている本を何冊か読んでみました。同じような内容が書かれていることもありますが、それだけ著者が伝えたいことだと分かるし、より自分の中にも落とし込めました。

10冊ごとの更新となると文量が増えるため、最後まで読んでいただけるか分かりませんが、今日もありがとうございました。


Have a nice weekend!!

MAKO

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