部屋 第9話
おれはタッチパネル式のボタンをみつめていた。
「いったい何の数字を入力すればいいんだ」
そのボタンは扉と同じ銀色で、数字が薄い白色の線で囲まれている。
モニターは無い。
おれはひとまず、スマホのロック番号である4桁を入力した。
特に反応はなかった。
次に誕生日を入力した。
これも4桁。
すると、スマホのバイブレーション機能のように扉が振動した。
鍵は開かなかった。
もしかすると、番号は8桁なのかもしれない。
スマートフォンに番号を入力して振動するのは番号を間違ったときで、登録している桁数分の入力をしないと反応しない。
おそらく同じ仕組みだ。
8桁の番号ってなんだ?
いったん、入力するのをやめて、扉のふちに座った。
8桁、なにかあるだろうか……。
生年月日は8桁だ!
おれは自分の生年月日をすぐに入力した。
扉は振動するだけだった。
この扉にはドアノブのようなものが無い。
数字が合えば、自動で開くのだろうか。
この部屋もそうだが、この扉も妙だ。
ただ直感的に、扉を開くことができればこの部屋から出られるような気がしていた。
おそらく、解除するための番号は8桁だ。
考えられるものを入力していくしかない。
一定回数間違うと、ロックされたりしないだろうか。
連続の入力は避け、思いつく8桁の番号を紙に書き出すことにした。
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