世界観って、超越的なことが書いてある「聖なる本」だけでなく、日常的に使ってるツールからも影響されるのかもしれない、っていう話です。
朝、目が覚める。カーテンを開け、光が差し込む。
iPhoneを手に取り、YouVersionの「今日の聖書の言葉」を読む。
ティファールのスイッチを入れ、コーヒーの準備をして、ゴミ出しに行く。
戻ってきて、テレビのニュースのトップをチェックする。
「世界」のなかの自分が、こうして始まる。
今日の聖書の言葉。
何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば、これらのものはみな加えて与えられる。
マタイによる福音書 6:33 新共同訳
「世界」が自分の目にどう映って見えるのか。
まあ、見え方は、ほんと、いろいろ。
だって、その日の気分に左右されるわけで。。。
ルイ・アームストロングみたいに、「なんてすばらしい世界だ!」って思える日もあれば。。。
ジョン・レノンのイマジンみたく、「こんな世界だったらいいのに」と思う日もあるし。。。
セカイノオワリの「銀河街の悪夢」のように感じる日もある。たまーにだけど、さ。。。
自分は「世界」を世界観という色眼鏡を通して見ているわけだけど。。。
世界観のカラーの通りに「世界」がいつも見えるわけでもなく。。。
どっちかと言えば、世界観の枠組みの中で、自分の気分が、ちぢこまったり、はみだしたり、こぼれおちたり、している。
話は変わるけど。。。
仕事で時々アドビ製品のフォトショップやイラストレーターを使う。
コンピューターで画像を加工したりイラストを描いたりするグラフィック・ソフトなんだけど。。。
その構造がね、おもしろいなあ、と思うんだ。
レイヤーって言う構造なんだけど。。。
【レイヤー】グラフィック・ソフトで画像を描画する面のこと。レイヤーに対応しているグラフィック・ソフトでは、複数のレイヤーを重ね合わせてひとつの作品ができ上がる。作品のパーツをレイヤーに分けて描画することで、レイヤーごとに編集したり、レイヤーの重ね順を変更する、表示するレイヤーを選択するといった操作が可能になり、複雑な作品を効率よく仕上げられる(by ASCII.jpデジタル用語辞典)
たとえば、ここに、池を泳ぐアヒルの絵があるとして。。。
コンピューターのモニターでは、ぱっと見、一枚の絵。
でも、それが、どういう作りになっているかというと、何枚もの透明なレイヤーの重なりによって、出来ているんだ。。。
公園の池が描かれたレイヤー。
アヒルの輪郭のレイヤー。
羽根が描かれたレイヤー。
黄色いクチバシのレイヤー。
レイヤーの数が多ければ多いほど、深みのある絵になる。
話を戻すと。。。
自分の世界観って、もっぱら聖書から影響を受けている、と思っているんだけど。。。
でも、最近、レイヤーっていう考え方で世界を見ることが多いかもしれないなあ、とも思う。
ルイ・アームストロングみたいな世界。バラ色のレイヤーが全面に出ている。だけど、鉛色のレイヤーが裏側に隠れている。
ジョン・レノンみたいな世界。夢色のレイヤーが全面に出ている。けれど、それは、灰色のレイヤーに乗っかっている。
「銀河街の悪夢」みたいな世界。全面を覆う真っ黒なレイヤー。その裏では、バラ色のレイヤーと夢色のレイヤーが、ちゃんと下支えしている。
そして、どの日のどの瞬間の世界にも変わることなく、欠けることなく、ずーぅっと存在し続けているのが「神の国」のレイヤーなんじゃないかと思う。
ユダヤのベツレヘムの馬小屋の飼い葉おけのワラの上に「幼子」となって降り立った神がリードするレイヤー *。それが神の国。
コンピューター・グラフィックでは、すべてのレイヤーを統合する、っていう操作をすると、多数のレイヤーが結合されて、一枚のレイヤーになってしまう。
この世界が多数のレイヤーの複合で構成されているとして、いつの日か、それらがぜんぶひとつに結合される日が、来るのかな。。。
次みたいな聖書の言葉を読むと、きっと、そういう日が来るんだと思う。
こうして、時が満ちるに及んで、救いの業が完成され、あらゆるものが、頭であるキリストのもとに一つにまとめられます。天にあるものも地にあるものもキリストのもとに一つにまとめられるのです。
エフェソの信徒への手紙 1:10 新共同訳
今日も「世界」を見ようとする。
世界の無数に重なったレイヤーのいちばん奥で、幼子となった「神」がリードする隠れたレイヤーを、見ようとしてみる。
註)
* Cf. イザヤ 11:6-10
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