見出し画像

〇〇任せ

 頼るのがダメとは思いませんが、時と場合によりますし、「これがあれば大丈夫!」「強い味方ができた!」と思い、そのことにだけ目を向けていると、視野が狭くなり、依存してしまうことがあります。

人任せ

 ヘルパー、相談員、主治医、支援員…といった色んな人が支援に関わっている。ただ、関わってくれる人が多くいることは、色んな意見が出てくる。多く意見が出てくることで困ってくるのが、どうやってまとめるのかというと、率先してくれる人が必要である。
 「あの人がいれば大丈夫」と思うのが、利用者だけならまだしも関係者も思ってしまうこともある。

 「キーパーソン」

 ではあるけれど、その人だけに任せてしまうのはあまりにもリスクが高い。色々取りまとめてくれるけれど、いつまでもキーパーソンであるとは限らない。

 そうならないためにも「ネットワークを活用した情報共有」が重要だと思います。別にパソコンを使う必要はない。それぞれの課題についての「役割分担」をしていくことで、一人にかかる負担が減るし、利用者としても「だれに聞けばいいのか」がはっきりしてくる。

計画任せ

 「計画があれば、うまくいく」わけではない。計画のとおり行えば、相談員が思い描いたような利用者になる。だけど、利用者の状況は絶えず変わっていくし、計画とは違う支援が必要なこともある。担当者の異動や退職、利用者の家族や身体状況の変化で計画を変えていくはずである。

 でも、支援に限って言うと計画があることで、スタッフも利用者もゴールが見えてくる。「これをしましょう」と課題をこなし、できることが増えていく。ただし、計画に真面目についていくほど、計画に書かれていないことが増えていく。計画は柔軟に対応して、変更していくことはできるのだけど、変更に対して拒否してしまうこともありうる。

 計画には、書かれていることに対して支援していくことと、書かれていないけれど「本人ができていること」として支援すること、があると思うし、計画がなければ「自主的に何もできない」ような利用者を増やすことのないように、計画を作る時には色々気に書けないといけないですね。要するに「具体的な」内容と「抽象的な」内容を組み合わせることができたら、「今」だけでなく、「将来」に向けての計画を組み立てることができたら、安心して任せることができるのかもしれません。

マニュアル任せ


 どこの事業所でも施設でも「マニュアル」はあるはず。ただ、そのマニュアルの存在は職員に周知されているだろうか。介護技術や接遇、運営理念、個人情報保護などなど、色んなマニュアルがある。その一つ一つについてきちんと読み、理解しているのだろうか。

 また、その内容は見直しを行なっているのだろうか。設立当初から変わらないものもあるとは思いますが、制度は変わっていき、職員の働き方も変わってくる、という中でマニュアルは変えられないというのは何故だろうか?

 変えることが面倒くさい、見ているか分からないものを変えなくてもいい、ということもあるのかもしれない。ただ、マニュアルには「基本」「応用」、そして「現状把握」があると思う。自分がしていること、出来ていることを確認するために必要なものと思ってもいい。

 「マニュアル人間」というと、型にはまった人というイメージがあるが、きちんと自分のやるべきことと、自分の立ち位置が分かっているともいえる。
 その反面、マニュアルを見ながらでないと物事が進められない、というのは、マニュアルの文字ばかりを追っているような気がしています。そうしているから「マニュアルがないと心配」→「マニュアル任せ」になってしまうのかな。

福祉任せ

 福祉をあまり知らない人から見ると「なんでこのことをしてくれないんだ」と思ってしまう。高齢者や障がい者、児童などが絡んでくる問題が起こってくると「福祉」を思いつく。僕としては「そんなこと言われても、福祉だけでなく、他のことも関係してるよね」と思ってしまう。要するに、福祉にも「守秘義務」と「専門性」と「最善の利益」がある。
 また、「福祉に任せておけば安心」は、「誰」にとって安心なんだろうか? 本人のことを省いて、周りのことばかりを気にしていないだろうか。そうして、福祉に任せてばかりだと、本人を福祉で囲いすぎてしまう危険性もある。福祉は福祉以外のことも巻き込んでいくことも必要かな。

 福祉としても、制度としても、人だとしても「完全」ではない。だから、完全にしようと、パズルのピースを当てはめるように、隙間を埋めるように、色んな方法を考えていく。

最後に

 また「任せる側」と「任せられる側」にも「お互いを認めて、信用する」という責任がある。やるからには、相手を批判することなく、もしかして、逆の立場になるかもしれない、ということも考えてみる。そして、「任せられた」ということに満足せずに、日々精進することで「任せた」方も安心できる。
 そうなれば、いいかなと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?