バリアフリーVS障害者VS社会

 障がい者が暮らしやすい社会とは何だろうか?
 そして、どうすれば暮らしやすくなるのだろうか?

 ということを、考える時に問うてみたい。

 それは、「社会」「障害者」「バリアフリー」それぞれの支援の方向性と期待度のズレである。
 さらに気になるのは、「誰が」バリアをつくったのかということです。社会が作ったのかもしれない、障がい者が作ったのかもしれない。

障がい者とバリアフリーの関係

 バリアフリーは障がい者の方を向いているか
障がい者はバリアフリーに何を期待しているか

 最初に「バリア」を作ったのは誰なんだろう。
 健常者がバリアをつくって、障がい者がバリアに振り回されているような気がします。また、「バリア」に気を遣いすぎて、なんだか本質がずれているようなときもある。
 障がい者自身が「バリア」だと思っていることであっても、そのことをアピールされなければ、周りに気付かれることがない。また、人によってのバリアの捉え方が色々だから、どうしても偏りができてしまう。
 そして、「バリアフリー」がされていれば、障がい者は生活できると思われてしまっても困ります。

社会と障がい者の関係

社会は障がい者の方を向いているのか
障がい者は社会に何を期待しているか

 そもそも障がい者にとって「社会」とは何を考えているんだろうか。施設で長期間、入所していた障がい者にとって「施設の外」が社会なんだろうか?地域で、自宅で生活している障がい者にとっては「家の外」が社会なんだろうか?自宅と作業所を行き来している場合は「行ったことのない場所」が社会なんだろうか?
 障がい者本人がこれまで接してきた「社会」がもし閉鎖的なものだったとしたら、その「社会」から出た場合には、社会はこれまでと同じように接してくれるだろうか。もし、これまでは自分の言うことをできる限りかなえてくれる場所が「社会」だと思っているとしたら、「社会」はどう映るどうだろうか?

 また、社会は障がい者を「特別な存在」と捉えていることはないだろうか?「障がいに抗って生活している存在」「障がいを乗り越えようとしている存在」となっていないだろうか?
 だが、「障がいを乗り越えないと認めてくれない社会」が存在していることもある。

 バリアフリーと社会の関係

バリアフリーは社会の方を向いているのか
社会はバリアフリーに何を期待しているか

 改正バリアフリー法であったり、障害者差別解消法であったり、「しなければならない」ことが強調されてはいるが、必要な人に分かりやすく、「バリア」なく、伝えられなくては意味がないと思います。

 ただ「バリアフリー」のことだけを考えたのなら、そこらじゅうをバリアフリー化すればいいのだけど、そうしても「バリア」が絶対なくなることはない。要するに、変な言い方だけど「バリアがないことがバリアになりうる」。

 そもそも「バリアフリー」を推進することで、「社会」にどんな効果があるか、理解されているのだろうか。メリットやデメリットだけに目を向けてしまうと、その先の「究極のバリアフリー」には届かない気がしています。

究極のバリアフリーとは

 生活にどれだけバリアがあるかを「バリアフリー」という言葉が教えてくれているような気がしています。また、人それぞれに個性があると同じく「バリア」があるし、生活をしている以上「バリア」は生まれてきてしまうものだと思っています。
 「バリアを無くそう」「障がい者に優しい社会にしよう」としていたにも関わらず、「バリア」という言葉が、どこかで腫れ物みたいな扱いになっていないだろうか。
 そして、誰でも「バリア(障壁)」はあるということを理解する必要がある。例えば、「大きな文字でないと読めないほど、眼が悪い」「自分の言いたいことが言えない」「借金があり、進学できない」などである。  

 「バリアがある」ことで、障がい者の理解につながる、社会が分かる。

 では、「バリアがない」ことは、なんだろうか。

 障がい者の理解に「つながらない」ではなく、「障がい者」という言葉自体がないし、「バリアフリー」という言葉自体がないんだと思います。
 
 そして、「バリアをなくすこと」、どれだけ「人の生活」を考えられるかが重要だと思います。

 最後に、この記事を書いたとしても、読むことができない障がい者や、読みたくない健常者がいることで、「バリアフリー弱者」ということになってしまうことがないようにしたいですね。


 別の記事ではありますが、障害者の就労支援と、福祉サービスや社会との関わりについて、書いています。

 この記事は #究極のバリアフリーとは  に関して書いてしまいました。なかなか思いつめると難しいね。

#日経COMEMO #究極のバリアフリーとは

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