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個室はいいの?(3)

 これまで介護保険サービス、障がい者福祉サービスでの施設における個室について書いてきたけど、じゃあ、広さってどれくらい?

「1人当たり7.43㎡以上」(4畳半以上)

これが基準

 都市部での基準や2人以上での居室ということもありますが、多くが7.43となっています。「地域の事情により、これにより難い場合は、居室の床面積が1人当たり4.95㎡(3畳)以上確保すること」となっています。

 僕は、偉そうなことをこれから書きますが、建築分野においては疎いところもあり、専門的なことをつっこまれると困りますが、いろいろ調べてみました。

 まず、「畳」は「1畳=1.65㎡」(91㎝×182㎝)となっていますが、これも地域によって違いがあり、1.65は中京間。以下からの資料はネットで拾ってきました。
 91㎝(910㎜)というと、3尺ということになりますね。いわゆる尺貫法ですね。(福祉住環境コーディネーターでの知識です)

 では、社会福祉における施設の居室の一人あたりの面積はどうなのか?
 これはさすがに全部が載っているものはなかったので、書籍やネットを調べてまとめてみました(表は自作)。参考までに、公営住宅、アパート・マンションの値も載せてみました。順序はバラバラに書いてしまいましたが、そこは許してください。薄い青色のところは「入所(入居)」を基本としている施設、黄色のところは「一人部屋」です。違っていたらすみません。

 この表での広さを1.65で割ると「〇畳」が分かります。とすると3.3㎡は「2畳」となります。この広さで何が置けるの?
 
 収納に関しても「収納設備あり」と書いてしまいましたが、収納スペースはどれぐらいなのかは、ちょっと調べられなかったです。押入れ収納を想定しても、ロッカーかもしれないし、そんなに広くないのではないかとも思いました。

 そう考えていく中で、個室にある可能性の高いもので「タンス」と「ベッド」の大きさも調べてみました。

 タンスは上の表で言うと、僕の施設介護の経験で言うと、「E」「J」かなと思います。奥行きが40㎝となってはいるけど、引き出すことを考えると奥行き約80㎝です。当たり前のことですね。
 衣類が中心に入っていると思いますが、日用品も入れていることもありますね。

 ベッドは、幅90㎝×長さ191㎝(レギュラー)と考えてみます。ほぼ1畳の大きさとなります。
 では、敷き布団の大きさではどうか。シングル(100×210)、セミダブル(120×210)が多いのかな。布団は収納ができるから、生活空間では余裕ができるのかな。

 単純に、この2つを考えただけでも、2畳分はあります。テレビはどうなの?と思う人もいるかもしれません。だけど、薄型が多くなっているし、一人で見るのであれば、そんなに大きくなくても良いと思うので、タンスの上に置くことでいいのではないか。
 そして、自分の趣味や日用品を入れようと思うと、収納ケースやカラーボックス、段ボールをうまく活用する必要が出てくる。でも、うまくできない場合は、施設に入居するときに、持参する物を選別して、「絶対」必要なもの以外は泣く泣く自宅に置いたままにするか、処分するしかない。生活する中でも、限られた空間の中で「買って部屋におけるもの」を考える。だからといって、少なすぎても本人の生活の「所有感」「専有感」だったり、「自分らしさ」が無くなってしまう。 

 あと、社会福祉住居施設の個室というと、気を付けるのは建築基準法に規定されている「プライバシーへの配慮」と「防火設備」です。上に挙げた施設はだいたい満たしています。申請するときには満たさないといけないものとされていますね。
 「プライバシーへの配慮」では、間仕切りで仕切られていれば「居室」とみなされるそうです。パーテーションみたいなものでもいいとされてはいるけど、なんだかそれでいいのかと気になります。
 「防火設備」では、「耐火建築物又は準耐火建築物であること」もしくは「建築基準法及び消防法に基づき設置」となっています。スプリンクラーの設置だったり、壁紙を燃えにくい素材を使うこととなっている。ただ、指定申請するときには、建築基準法の基準と市町村での基準も満たす必要があるので、確認してみてくださいね。

 もちろん、施設ならではの役割があり、「入所」か「通所」か、で変わってきますし、何歳から入居するか、どのくらい(期間)暮らすのかによって、「個室」の役割も変わってくると思います。
 「個室」は単なる部屋ではなく、生活をするとともに、本人の生きがいが現れる場所であり、自分を見つめる場所でもあると思います。そして、部屋を見ることで「利用者の性格」が見える。まるで「部屋を見て」本人のアセスメントをしているみたいだと思いました。

 なかなかまとめきれないところがあり、読みにくかったと思います。もっとちゃんと調べたほうが良かったですね。もっと掘り下げたいと思ったら、別の記事に書きたいと思います。

 読んでいただき、ありがとうございました。

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