見出し画像

福祉のお金(6) 加算・減算

 以前も書いたかもしれないが、介護施設・福祉施設での「加算」「減算」についてのポイントをまとめてみたいと思います。もしかしたら、過去の情報のままで自分がアップデートできていなかったら、すみません。

大まかなものをいくつか簡単に挙げてみます。
 ①人員
 専門職や支援員が基準以上に配置されていること。また、利用者の人数に対してどれくらいの職員がいるか。職員の勤続年数は?
 サービスによっては「利用者が多すぎる」のは「減算」になる。例えば、介護支援専門員1人でケアプランを作成できるのが「35人」を超えると、1件当たりの単価が減ったり、特定事業所集中減算や定員超過利用減算で事業所の中での調整が必要な時もあります。また、障害者の相談支援でも1か月の新規の計画作成の上限を超えた時には減算がありますね。
 訪問系だと「2人介助」でも加算があります。

 ②提供時間
 正規の提供時間を基本として、余分にサービスを提供した時間に応じての加算、逆に短時間の提供での減算。

 ③研修修了
 
特定の研修を修了している場合に、加算がある。事業所としては国家資格(介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士)があった方が、色々役に立つから、そっちを目指してほしいけれど、経験ということを考えると「研修」になることもある。研修を修了していない人が「責任者」になっていると減算になる。
 「特定事業所加算」もあり、主任介護支援専門員や相談支援専門員現任研修を修了した職員が24時間体制を取っていたり、困難事例に対する助言をしている場合に加算あり。 

 ④経験年数
 
福祉職としての経験として「3年以上」「5年以上」で加算がもらえることが多い。また、資格取得での経験年数としても「3年以上」「5年以上」。

 ⑤目標達成
 
国で定めた基準に対して、どれだけ達成できたかによって「加算」「減算」がある。例えば、デイサービスだと介護度の改善をした割合によって、障害者の就労支援だと職場定着をした割合によって「加算」「減算」。
 また、「アセスメント→実施→評価」が「書面にて管理」していることが加算の条件であることが多いので、大まかなザックリとしたものでは後で困ることがあります。

 ⑥会議開催
 
サービス担当者会議、退院調整会議、モニタリングの実施をしたのか。行われて当然という感じなので、行なわれなかった時の「減算」があるかな。また、最近の加算だと『連携』がキーワードになっていて「家庭」「看護師」「医療機関」「学校」「関係事業所」とどのような会議をしているのかがポイントになってきているような気がしています。

 まだまだ、他にはあるけれど、書ききれません。

思うこと。

 事業所は「加算」をとるために、4月の段階で届け出を出しているはず。届け出をしないと、請求できないから、事業所の状況を踏まえて、「書類」を出す。要するに「書類」さえちゃんと出していればもらえる(この言い方は好ましくはありませんが。)ということ。
 でも、変更があったときには早めに(10日以内かな?)届け出をする。忘れていまわないようにしてほしいけれど、職員が来月入る「予定」だったり、利用者が増える「予定」だったりすると忘れてしまうこともあるかもしれない。

 ところで、利用者のためを思って良いことをしていれば「加算がある」と思っていませんか?
 よくよく調べてみると、そうでないこともある。
 加算の届け出をすることで、利用者への負担が増しているのではないか、と考えてしまうこともあります。機能訓練を計画したり、就職のための計画を立てたとしても、利用者の思いよりも「事業所の思い」によって動いている。もしかしたら「やってもいないこと」を、加算として処理されているかもしれない。自分でできること、できていることを「加算」として処理されていないかどうか、(もちろん「計画」に基づいてですが、)気にしてみてもいいかもしれません。
 多くの加算の届け出をすることで、事業所としても、書類が増えたり、人員を増やしたり、とやらなけれがならないことがたくさん。だから、難しい加算については「加算の届け出はしない」といのも一つの選択肢だと思います。無理して加算を取り、後で監査のときにバタバタして、粗が出てきて、注意されて、「返還」となっては大変なこと(請求面で)になります。

 「加算」「減算」は、事業所の法令遵守に基づいて、利用者支援のための必要な手続きや準備を行い、利用者が適切にサービス利用ができるようにするべきだと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?