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「???」となってしまった映画『デッドプール&ウルヴァリン』

まず大前提として僕はMCUの熱烈なファンではない。

アイアンマンのトニー・スタークがロバート・ダウニー・Jrを起用してシリーズ化された時はワクワクしたし、アベンジャーズからエンドゲームまで主要キャラクターの主演作含めて子どもたちと映画館に全部観に行った。
エンドゲーム以降の映画作品も観たし、Disney+にも加入してドラマシリーズも一部を除いて一通りは観た。

しかし、マーベル・コミックは読んでいないので、映画シリーズで触れられている以上の背景知識は持ち合わせていない。

X-Menシリーズについても同じようなものだ。
人間がミュータントと共存する世界を望まず、あくまでも異種のものたちとみなすその虚しさ、悲しさ、残酷さ、そうした世界観は共感するところはあった。
デッドプール・シリーズも第四の壁を壊してきたその大胆な脚本とどこまでもふざけ倒すそのキャラクターは、関西人としては愛さずにはいられないけれど、特別思い入れのあるキャラクターでもなかったのが正直なところ。

そんな至極一般的なシリーズファンだった人間が、MCUももはやなんだかな、と最初は観ないでおこうと思っていたものの、三連休最終日、いよいよ暇を持て余し夜の部に行ってきた、そんな感想をざっくりと。

なんだかよく分からんかった。
というのが正直な感想。
いや、もちろん話の大雑把な筋は分かったし、とにかくデッドプールは喋り倒すキャラでセリフが多いので、字幕より吹き替えがよいとの前情報に従って吹替版を観てきたのだが、
それでも、えーとこれは何のことを言ってるんですか?
そして、このキャラは誰?
そんな具合に終始、アタマの中が「???」という状態だった。

パラドックス役でマシュー・マクファディンが出てきた時に、ドラマ『サクセション』で売れたから起用されてよかったなぁ、
とか
カサンドラ役のエマ・コリンのスキンヘッド姿が神々しいほど似合っていて、ドクター・ストレンジに出てきたティルダ・スウィントンを差し置いてスキンヘッド女優No.1になったな、
とかどうでもいいことを考えてはいたけれど。

それにしても、なんとも無茶苦茶な話だった。
20世紀フォックスがディズニーに買収されたこともジョークのネタとしてガンガンぶち込んでくるし、
冒頭墓場から掘り起こして生き返ると思っていたところが、骸骨となっていたウルヴァリンに向かってデッドプールが、ギャラ交渉をしたらどうだヒュー、と話かけたり、おいおいそれは第四の壁どころか完全に楽屋落ちみたいだったり。

あと、お互い傷がすぐに治癒してしまうので、切られようが刺されようが簡単に死なないデッドプールとウルヴァリンが延々と戦うシーンは必要か?というかほとんど痴話喧嘩みたいになってるじゃないか、とか。

歴代のマーベルキャラクタたちが20世紀フォックスマーベルもMCUアベンジャーズもごちゃ混ぜになって、そこまでネタにして笑っていいのか?という。
いやもう、しっちゃかめっちゃか。
これまで積み上げてきたものを一旦全部MCU的には外様大名の2人(デッドプールとウルヴァリン)に一回ぶっ壊してもらいましょう。
そして、エンドゲーム以降マルチバースの悪影響で収拾のつかない混乱に陥っていた全てをリセットしよう、そんな悪意(?)があったのかなかったのか、そうでもするしかなかったのか。
巨大化したアントマンの死骸(?)が虚無世界のカサンドラの基地になっていたところなんて、涙が出てきたよ。

あまり、そこに過去作品の愛は感じなかったかなぁ。
流石にスパイダーマンとアイアンマンの2人の看板役者まではネタにはなっていなかったように思うけれど(気づかないところで出てきたのかなぁ)。

ウルヴァリンは『ローガン』で終わったはずだったのに、別バースの最悪のウルヴァリンだからといって、もう一度出す必要があったのか?
20世紀フォックスのウルヴァリン最期ではいけなかったのか?
うーん、分かりません。

単に僕が色んな背景や前提知識を知らないだけなのかもしれませんが、そうだとしたら、今までMCUアベンジャーズシリーズは、ずっと追いかけていないファンでないと楽しめないと言われてきた悪いところがまた出てきてしまってるんじゃないか?と思ったり。

面白くなかったか?と問われば、それなりに破天荒で面白くはあったのだけど、
「で、だから何?」
という気持ちもある。

きっと色んな人達が背景含めてしっかりと考察してくれるだろうから、そうしたレビュアー達の動画やブログを楽しみにします。

<了>

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