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いま一度この本を読んでおきたい「オリバー・ストーン オン プーチン」

こんにちは、makoto です。

今日も昨日に引き続きポカポカ陽気。午前中、妻と長めの散歩、13Km歩いた。お腹が空いてランチも美味しくいただけた。

今日はこの本の話を少しだけ。4年前、2018年1月に翻訳版が出版された「オリバー・ストーン オン プーチン
オリバー・ストーンは「プラトーン (1986)」「JFK (1991)」「ウォールストリート (2010)」など、アメリカを批判的な目を忘れずに見つめ続けてきた映画監督。彼がドキュメンタリー撮影のため2015年から4度にわたりロシアへ赴きプーチンと面会し行ったインタビューをまとめたものである。

この度のロシアへのウクライナ侵攻については、もっぱら欧米側の視点での報道がほとんどであり、ある意味欧米にとって都合のよいカードだけが提示されている状況だ。
もちろん、プーチンがこの21世紀に武力行使により自身の主張と通そうとする行為は決して認められるはずもなく、その行為自身は言語道断ではあるが、戦争には一方的に誰かが悪いわけではなく、両者にはそれ相応の理由(ときに理解し難い理論で成立している場合もあるのだが)があって武力衝突という結果になっている。

プーチンはなぜこのような暴挙(と言ってしまってもよいと思うが)に出てしまったのか、その背景にはどういう意思が働いていたのか?
決して大手メディアの報道で出てくることはないロシア側からの視点について、既出の様々な情報ソースから解釈を試みているブログなども出てきたが、この本もいまこのタイミングでこそ再読しておきたいテキストではないだろうか。

ソビエト連邦がなくなった現在でも、依然としてロシアは世界最大の面積を持つ強大な国家であるというイメージを維持している。特にプーチン自身もその強靭な肉体性でもって強いロシアそのものを体現しようとしている。
その彼が、実はロシアは盤石ではないと考えていたのであれば?
これまでの歴史から、ロシア(モスクワ)はいつ外敵である欧米から侵略されるかもしれない恐れを持っていたのであれば?

日本もロシアとは領土問題を抱えている隣国という点で、今回のことは対岸の火事として見ていられない状況でもある。
特に日本がアメリカの同胞国(というかアメリカの東方出先拠点)として見られているであろう以上、いつ報復攻撃の矛先が日本へ向かうかもということは意識しておいた方がよいかもしれない。

実際、右寄りの政治家、コメンテーター達はその論調に乗っかかり、世論を誘導しようとしている。
そんな時だからこそ、色んな視点で情報を集め、冷静に見ていきたいと思う。
プーチン自身もオリバー・ストーンのインタビューにこう答えている

実は、世界で何が起きているかを常に注視しているだけで、その背後にあるロジックを理解することは十分可能なんだ。なぜ、ふつうの人は何が起きているかがわからなくなるのか。なぜ外交問題は難しいと思うのか。なぜ自分たちに隠された事実があると思うのか。
(中略)
だから世論を操作し、誤った方向に誘導するのはこれほどたやすいのだ。
だが、ふつうの人々が日々世界の出来事に関心を持つようになれば、たとえ外交の一部が常に密室で行われるとしても、世界で何が起きているかを理解し、さまざまな出来事の背後でどのような論理が働いているかをつかめるようになるだろう。機密文書を入手するつてがなくても、それは十分可能なことだ

文藝春秋「オリバー・ストーン オン プーチン」P43-44


皆さんも是非手にとってみて下さい。
それでは!


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