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雑記事15

昨日は友人の引っ越しの手伝いをしていた。どうも自分たちの名前は
"テクノ引っ越しセンター"らしい。集まったメンバーがベルリンにいるテクノプロデューサーだったからその名前になった。なんとも安直にベルリンな感じである。
自分たちはベルリンにきて4年だが、その間に1度引っ越しをした。
最初の部屋は家具付き物件で以前話したイーロンマスクが入場拒否された世界一のクラブBerghain のすぐ近く。ビザ取得のため3ヶ月以内に住所を決めなければならないというミッションをこなすためにどうしても部屋が必要で、ラッキーなことに住宅難に陥っているベルリンで2週間という奇跡で見つかった部屋だった。
最初に借りたエアビーの部屋のオーナーが実は不動産業務もやっていて、相談したら即座に決まるというミラクルを見せた最初だった。
日本にいる時代から自分たちは衣食住の住の部分での幸運を拾うことがあったのだがここベルリンで見せたラッキーの最初であった。
テクノプロデューサーとしてベルリンで生きていこうと決めていた自分にとって聖地のすぐ裏に住むのは刺激的ではあったが、ジャンキーが多いのと、生活していくうちに少し割高であると知り、引っ越しを意識しだしたのは2019年の年末。
友人に話すとベルリンで部屋を見つけるのに最低8ヶ月くらいはみた方がいいらしく、なんとも気の遠くなる作業だなあと思いつつ、物件探しを始めた。
一応、物件情報が乗っているサイトはいくつかあってそこに登録されている物件の連絡先にメールをするのだが、まずここで日本との違いに気づく人も多いだろう。
10メールを送って、返信は1あるかないかである。また返信があってももう決まったと言われることがほとんどだ。その中でもたまに情報サイトに日時と住所が書いてある場合があって、とりあえずそこにいってみると(こちらの状況など関係ないのが住宅難の地域では当たり前)、200人くらいの内覧者がいて、不動産会社の方がきてみんなで一斉に内覧するのである。その場で申し込み用紙をもらいその日のうちに送信するのだが、当然その後は音沙汰なしというのが通例である。
90%くらいの大宅は当たり前だが、やっぱり言葉が通じるドイツ人が良いのである。フリーランスの日本人など相手にもされない。そんな内覧を20くらいしていると、毎回合うカップルがいたりする。同じ時期に夫婦で住める価格帯も同じくらいの部屋を探していると当たり前といえば当たり前なのだが、徐々に戦友のようにも思えてくる。同時にライバルではあるのだが、昔読んだ某漫画にあった"強敵"と書いて"とも"と呼ぶという感覚だ。
まあ、その話はいいとして、ベルリンで部屋を探すというのはとにかく戦いのようなものなのである。そんな中自分たちはラッキーなことに1つ、2つと大宅さんからオッケーがもらえる物件が出てきたのだ。ただ当初の予定よりも家賃がはるかに高く、条件がそこまでよくない場合に限ってなのだが。。
11月末くらいからスタートしてなんの返信もないまま年を越し、1月に入ってふたつ、家賃が高い。。
そんな時に駅近くで家賃も想定内の物件を見つけて、どうせ返信ないだろうなと重いメッセージを打ってみた。すると不動産会社から日時の指定が入った。
例のアレだなと思いつつも、とりあえず大人数の志願者に揉まれにいくかと向かうといつもと違うのである。
ひと組のカップルが降りてきて、不動産屋さんが次はあなたたちよ、と呼んでくれた。
いつもとあまりに勝手が違うのに驚きつつ、エレベーターにのり部屋へ。
入ってみると大宅さんの娘さんが待っていてくれて彼女と色々話すことになる。
部屋をみるとあまりにも良すぎて、一発で気に入ってしまった。100平米の広さでバルコニー二つ、駅から徒歩1分。東京で言うと中目黒のような人気の場所でさらに交通の便が良い、そんな場所だ。
応募は300あったらしい、そんな中30に絞った中に自分たちが入っていたのだ。さらに一組一組としっかりと話したいという大宅さんで、自分たちもいかにこの部屋が素敵で仕事もこれくらい決まっているなんていう話をした。2020年1月、この時点では色々予定が入っていたのだ。
そして次の方へと変わった。自分は帰りのトラムでワクワクをパートナーに伝えていたのだが、彼女の反応はいまいちであった。後から聞いた話によると、あまりに完璧な物件だったため、決まらなかったショックを考えて期待をできるだけしないように過ごしていたとのことだ。夢見るバカな男性脳とあくまでも現実を注視する聡明な女性脳の違いかもしれない。そんなこんなで次の日を待つ。。。。
。。。。。。。。。。。。
。。。。

。。

まさにこんな気分だ。
連絡がきた。

決まった!!!!
自分たちが300倍の倍率をくぐり抜け理想の物件を手に入れた瞬間であった。

最後まで残った二組は若いドイツ人カップルと自分たちであったらしい。
大宅さんは日本人が綺麗に部屋を使う言うことを知っていたらしく、自分たちが選ばれたとのことだ。
不動産探しから1ヶ月半での奇跡、友人たちはそんなことはありえない、ベルリンに選ばれているんだよなどと祝福をしてくれた。
そんな奇跡の家にもちろん今も住んでいる。
引っ越し直後からコロナ騒動が始まり、今思えばあとひと月遅かったら自分たちは選ばれてなかったかもなあと思う。
まさに引っ越した3週間後にコロナウイルスのニュースがヨーロッパで話題になり出した。滑り込みセーフであった。
コロナ禍のベルリンライフはまた別の機会にお伝えしよう。
ではでは良い週末を!!


9:59  16.Jul.  2022   Berlin

※写真は昨日見かけたスーパーの前で待つ賢い子。


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