見出し画像

【コラム】MAKOTOが提唱する新しいグループ経営の仕組みとは? / BIZVAL社のグループ入り背景を説明します

MAKOTOグループ代表の竹井です。
この度、MAKOTOグループに、M&Aアドバイザリー事業を展開するBIZVAL社を迎え入れることになりました!(昨日9/8付の日経新聞紙面で掲載)

1.どんな経緯で?

BIZVAL中田社長とは、以前より親しくさせて頂いていましたが、ある日の会食の席で、私達が考案したばかりの「新しいグループ経営の仕組み」を説明したら、即答でグループ入りを決めて頂くことができました。いきなり上手く行きすぎて、我ながら驚いてしまいました。もしかして、この仕組みはすごい発明になるかも!と、その夜は興奮して寝付けなかったですね(笑)

IMG20200709214726 - コピー

(速攻で合意し、盛り上がる二人 @仙台の老舗Jazz Barビレバン)

2.MAKOTOの新しいグループ経営の仕組みって?

問題は、そこで何を話したのかということですが。私達の新しいグループ経営の特徴を、キーワードでまとめると、こんな感じです。

(A)支配型ではない、フラット型の同志連合
(B)スイミー戦略
(C)グループ経営 as a Service


(A)支配型ではない、フラット型の同志連合

これまでの一般的なグループ経営は、ピラミッド型の階層組織で、親会社が子会社を所有し支配する構造でした。しかし、そろそろこの考え方も刷新すべき時代かもしれないと思っています。

私達は、親会社・子会社のことを、ホールディングス・メンバー企業と呼んでいますが、両者の関係は「垂直ではなく水平の立場」と位置づけています。ホールディングスとメンバー企業は、対等な立場で互いに協力し合う関係で、メンバー企業には独立した意思決定権があり、経営は完全に自律的に行うことができます。中央集権型ではなく、自律分散型になっているのです。

MAKOTOグループは、社会をより良くしようという理念を軸として集まった、志ある起業家・経営者の共同体です。その共同体に中央集権型組織はミスマッチです。私達は、誇れる仲間として互いに尊重し助け合い、皆の力を掛け算していける組織にしなければいけません。

そもそも、私は人が人を支配するようなことはできないと考えています。仮に構造的に支配しても、心を支配することはできません。今の時代、組織のパフォーマンスは、内発的動機や心理的安全性に駆動されたクリエイティビティに寄るところは明らかです。支配や所有で相手をコントロールするのではなく、前向きな動機付けや共感で互恵関係を築く。その方が、よっぽど合理的で効果的だと思っています。

支配や所有は不要。従って、MAKOTOグループでは、資本関係にこだわっていません。実は、BIZVAL社とは資本関係はゼロで、グループ契約を結ぶことによりグループ入りとなりました。

図2

(B)スイミー戦略

資本関係がない?では、それは業務提携と何が違うのか?そう思われた方もいらっしゃると思います。実際、業務提携先ではなくグループの一員としての位置づけですので、関係性が全然違ってきます。

BIZVAL社のグループ入り準備が始まって、まだ1か月ほどしか経っていませんが、既にグループ内のメンバー企業同士での案件・顧客の相互紹介は日常的に行われていて、その他にもネットワーク・ナレッジ・ノウハウ・設備・オフィスなど、様々なものがお互いにシェアされています。「〇〇社と繋がっている人いないですか?」とか「〇〇契約書の雛形持ってないですかー?」とか「今度、東京行くのでオフィス借りてもいいですか?」なんて話が、普通に飛び交っています。

人的な繋がりも深く、コミュニケーションは高頻度です。グループ内の社長同士では「社長会」を週一で開催していまして、お互いの悩みや事業課題の経営相談、そして経営力UPの勉強会を行っています。全従業員も、月一の「グループ全体MTG」で集まり、今は、お互いの自己紹介をして親睦を深めているところです。双方の垣根はかなり低く、BIZVAL社とは、社内SNSの統合も進める方向で話がまとまっています。

ホールディングスの役割は、メンバー企業を支配・管理することではなく、メンバー企業の成長支援をすることと定義し、各社の業績向上にむけた経営支援を行っています。バックオフィス、採用、広報、人材育成など、共有化できるところは、どんどん共有化し効率も上げていきます。さらに、グループ全体の発展施策を打って、グループ自体の価値向上や活動基盤の整備を行っています。

このような仕組みにすることで、グループやメンバー企業が持つ、信用、実績、ネットワーク、ノウハウ、得意領域、全てが掛け算になり、単独で経営を行うよりも、事業ははるかに立ち上げ易く、時間短縮になり、成長もしやすくなります。大企業に比べ、1社1社はまだまだ小さく非力かもしれません。しかし、お互いの力を掛け合わせて基盤を強固にすれば、嵐が吹き荒れる大海原に繰り出すことも可能です。

これを、レオレオニの絵本になぞらえて、私達はスイミー戦略と呼んでいます。スイミー達は、理念と利害の一致から協力関係を築いて成功しましたが、その際に、個々のアライアンスではなく、一つの大きな個体となったところにポイントがあると思います。このグループでも、一つの大きな有機的な企業群となって、それを実現しようとしています。

画像4


(C)グループ経営 as a Service

グループの維持・発展には運営経費が掛かります。しかし、その機能を司るホールディングスは直接収益を生み出さないので、この経費負担をどうするかが問題です。

これまでの一般的なグループ経営では、親会社が子会社の利益を吸い上げて行く構造になっています。子会社のメンバーはそれを不満に思いながらも、支配・所有されている立場に甘んじてそれを受け入れて来たというのが実際かと思います。親会社の貢献が大きければ良いのですが、「何もしないのに搾取されている」という状況になると、子会社のメンバーはモチベーションを棄損します。

私達は、そのような関係は不健康だと考えて、搾取構造にならないよう、グループの運営経費を、メンバー企業がフェアに按分負担する仕組みにしました。共益費のような考え方です。メンバー企業数が増えれば、割り算で1社あたりの共益費負担は下がります。(2021年3月加筆:現在は、按分負担でなく定額負担に修正されています。メンバー企業の売上規模に関わらず定額とし、搾取構造にしない思想は変わりません)

また、私達の仕組みがさらに面白いのは、もしメンバー企業が、グループのサービスに対して費用対効果が合わないと思えば、最悪のケース、グループを退会することも可能だということです。資本関係にこだわって拘束していないので、出入りの自由度があるのです。

これは、逆説的にグループの発展に非常に良い効果をもたらすと思っています。なぜなら、ホールディングスは、サービスを進化させ、満足度を高め離脱率を下げる必要性に常にさらされることになるからです。停滞している暇も、堕落している暇もないのです(笑)この構造はまるでサブスクやSaaSと同様です。そこで私達はこれを「グループ経営 as a Service」と呼ぶことにしました。

私達のような「グループ経営 as a Service」を提供するグループが、他にもたくさん出てくると、世の中面白いことになると思います。起業家や経営者の方々は、世の中にいくつもあるグループの中から、自分にマッチしたグループを選べば良いのです。自社がグループに所属することは、これまでのように、身売りして軍門に下るというような悲壮感漂うものではなく、好きなクラウドサービスを選ぶような感覚になるかもしれません。

画像5

(BIZVAL社の皆さんをオンラインで歓迎会の様子)

3.最後に

ここまで私達が提唱する新しいグループ経営の仕組みを解説させて頂きました。今回、第一号のBIZVAL社に続き、いくつかの会社ともお話してみましたが、みなさん反応良く、手ごたえを感じています。私自身も「これは、グループ経営の再発明なんじゃないか!これで、世界をより良くすることができるのではないか!?」なんて、ワクワクを抑えきれません(笑)。

いろいろお話しましたが、グループにおいて最も大事なのは、やはり理念であり価値観であると思っています。私達MAKOTOグループは、人が幸せに生きられる社会を作るため、誇れる仲間と誇れる仕事をして行きたい。その仲間であるメンバー企業と大事にしたい価値観は3つ。(1)お互いにフェアを貫くということ、(2)自分の持てるものを相手にシェアしていくということ、(3)そして共に進化していくということです。

志を持ち、対等な立場で共に成長して行ける経営者の方とは、ぜひどんどんグループとしてご一緒したいと思っています。将来的に、グループは100社に増やしていきたいと思っています。このモデルが地方における事業創造プラットフォームとなり、社会をより良く変えていく未来を作りたい。地方に魅力的な仕事が生まれ、事業は大きく育ち、次世代のチャレンジャー達もここからどんどん生まれていく、そんな循環を作れると最高ですね。

私達の仕組みにご興味のある方や、何か連携したいという方、とりあえず話してみたいなという方も、ぜひお気軽にコンタクトして頂ければ幸いです。よろしくお願いいたします!



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?