「1日ごとに差が開く天才たちライフハック」を読んでみた

天才たち

【書籍情報】
著書:1日ごとに差が開く 天才たちライフハック
著者:許成準

■人に大きな変化をもたらすライフハックとは

「圧倒的に成功を収めた<天才>と言われるような人と、普通の人との違いは何だろう?」
人の成功を決める要因は、運を除けば知性やその分野への専門知識が重要だと思われる。
そして、こうした個人の力量は、ある程度先天的な要素により、ある程度は後天的な要素によって決まるものと思われる。
生まれながらの天才も確かに存在するものの、後天的な素質を開花させた成功者も世界には大勢いることがわかる。
今から先天的な要素を鍛えることはできないのだから現在の私たちは後天的な要素を最大限に高めるしかない。

では、成功に必要な後天的な要素とは?
それは、「習慣」である。

習慣は繰り替えし行われることで、成功への近道を生み出したり、驚くほど生産性を上げてくれる魔法の道具だ。
毎日の小さな行動で、人生に大きな変化をもたらすテクニックを「ライフハック」と呼んでいるが、圧倒的な成功を収めた天才たちが、ライフハックに使った道具こそ、習慣だったといえる。

■集中力を強化するライフハック

・自分の残りの寿命を確認する パトリック・コリソン
アイルランド出身のコリソン兄弟は、シリコンバレー史上最年少で億万長者になったことで知られている企業家である。
コリソン兄弟の生活でもっとも目を引くのが、【時間を節約する習慣】である。
自宅のパソコンには、残りの寿命がカウントダウンされている。
80歳まで生きる仮定として、人生の残りの時間が刻々と減っているのだ。
この時間を見ながら、時間を大切にする覚悟を日々新たにしているのである。

・ささいな問題は予め選択肢を決めておく リチャード・ファインマン
ファインマンは、アメリカの物理学者で、量子力学の発展に大きく貢献した功績で1965年にノーベル物理学賞を受賞している。
ファインマンは、どんな事柄についても、いろいろと考えてしまって素早く結論を出すことができない優柔不断な面があった。
あるとき、つまらない選択のために悩むのは、人生の浪費だと思い立ち、ある習慣を自らに課した。「私はこれからデザートは常にチョコレートアイスクリームを食べる」そしてこの小さな習慣を、人生のすべての選択に適用していった。
これは日常における選択を最小にして、生活をシンプルにするための習慣である。

・仕事は核心部分から手をつける アガサ・クリスティー
クリスティーは、「オリエント急行の殺人」「そして誰もいなくなった」などで有名なイギリスの推理小説家だ。
小説を執筆しているときのクリスティーには、特別な習慣があった。
「冒頭から書き始めずに、しばしば殺人シーンから書いたのである」
つまり、彼女の手法は、自分の仕事の核心部分に真っ先に手を付けて、残りをそれに合わせて処理していくというものだった。
このような習慣は、仕事における企画書やプレゼン資料の作成などにも応用ができる。

■仕事の生産性をあげるライフハック

・身近な人に客観的な意見を聞く エンリオ・モリコーネ
映画雑誌で「史上もっとも偉大な映画音楽作曲家」といったランキングが発表されるとき、たいていはジョン・ウィリアムズとエンリオ・モリコーネがツートップを形成する。
そんな彼の習慣は、曲を作ると、まっさきに妻に聞かせるのだ。
どんな仕事をする人でも、自分の成果を客観的に評価することはできない。
だから第三者の冷静な意見を必要とするのだ。

・苦労をせずに結果をだす方法を考える 鳥山明
ドラゴンボールで有名な漫画家、鳥山明は誰もが認める「漫画の神」だが彼は努力だけで現在の評価を得たわけではない。
鳥山はいつも仕事を簡単に終える方法を考える習慣を持っていた。
努力と勤勉がすべてではない。何をするにしろ「これをもっと簡単に済ませる賢いやり方はないか?」と考える習慣を持っていれば、最小の努力で最大の結果を出せるはずだ。

・与えられたものをそのまま使わない 中村修一
彼は、サラリーマンでありながら、物理学の難題であった青色LEDの発明に成功した。
パソコンを使うとき、基本設定をそのまま使う人よりカスタマイズする人の方が所得が高い傾向にあるという研究結果がある。
与えられたものをそのまま使うのではなく、少しでも自分に合わせようとするのは成功する人の共通する特徴といえる。それに、副産物としてカスタマイズする過程で得られる知識も多い。

■ストレスに打ち勝つライフハック

・ルーティーンでストレスを緩和する イチロー
日本にルーティーンという言葉を広めたのは、アメリカ大リーグで活躍したイチローだろう。
イチローは翌日のゲームの開始時間から逆算して、寝る時間、起きる時間、食事の時間など、すべてのスケジュールを決めている。
イチローは結果を残すために、苦痛に耐えながらルーティーンを守っているのではなく、「一番ストレスがない1日の過ごし方」を追求していったら自然とルーティンが固まり、それを毎年繰り替えしているのだ。

・自分のことを三人称視点で語る ユリウス・カエサル
よくアニメで、美少女キャラクターが「私」などの一人称を使わず、自分の名前で自分を呼ぶことがある。これはかわいさをアピールするための習慣だが、用途こそ違えど、同じような習慣を古代の英雄も持っていた。
古代ローマの皇帝、ユリウスはそのもっとも有名な事例だ。
実は三人称視点でおこなうことには、ストレスを緩和し自己肯定感をアップさせる効果がある。
当事者の立場を離れることで、自分の感情を客観的に観察するようになり、それが心理的な安定につながっているわけである。

・毎日30分時間を使って瞑想する ジャック・ドーシー
ツイッターの創設者ジャックドーシーは、朝の5時半くらいに起きると30分間瞑想してから1日をスタートさせる。
それが終わると10キロのジョギングに出かける。
アメリカのオレゴン大学の研究によると、瞑想は脳の構造を変えてしまう効果さえあるという。実際に行った行った研究からは、自己のコントロールに関する脳の部位がおおきくなったという結果がでている。

■まとめ

習慣が人の変化に最も影響を与えるというのは以前読んだ本にも書いてあり理解はしていましたが、本書からは具体的な習慣の事例を知ることができ、今の習慣のままではダメなんじゃないかと感じました。
朝早く起きて業務を進める、散歩してから1日を始めるという習慣は自分の中で今できていますが、この習慣が果たして今の自分に大きな変化を与えているかというと不明です。
本書から偉人たちの実際に行っていた習慣をいくつか知ることができたので、まずはできそうなところから試していき、新しい習慣を増やしていきたいと思います。

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