とある政府の要人が
公衆の面前で
儚くも刺殺された
容疑者はすぐさま捕らえられ
動機
目撃情報
状況証拠
すべては整っている
残るは
被害者の遺体から推察された
渡り10cmほどの
刃物
つまり凶器だけが
現場からも
容疑者の持ち物からも
見つかっていない
政府は真相を究明せんと
秘密裏に
”刃物を呑み込んだ可能性”
があるとして
容疑者を解剖した
執刀医の単純なミスで
容疑者は死に至った
けっきょく胃袋から
刃物が見つかることはなかった
疑わしきは罰せず
本案件は
迷宮入りの未解決事件として
代々語り継がれていくことだろう