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『※これから綴られることは嘘のようで本当の話です。』


※これから綴られることは嘘のようで本当の話です。信じるか信じないかは読者のみなさんに委ねますが


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呼び鈴が鳴る

小包が届く

見覚えのない差出人だけど

間違いなく宛先は俺


小さなレコーダーがひとつ


「今夜7時に〇〇広場で赤いキャップを被った男から封筒を受け取れ」


久々の指令だった


「なおこのレコーダーは5秒後に消滅する」


ジュワッと音を立てて

白い煙となってレコーダーは消えた


武者震いがするのは気のせいか


まだ少し時間があるから

身支度を整えるとするか


電話が鳴る


誰だろうか

今回のミッションと関係が?


「あなた!あなたですよねえ?消えたレコーダー、それ燃えてCO2ですよね?何考えてるんですか?」


瞬時の判断力には自信のある俺も

この電話の内容を理解するには

少しの時間を要した


「だから、二酸化炭素をむやみに排出しないで頂戴!」


きけば某国の環境団体からの

抗議の電話のようで



こええよ



なんでこいつら

この極秘のミッションを

リアルタイムで把握して

しかも俺のこと知ってんだよ


ある意味で別の敵だろ

そう思ったから


俺はこのことを上司に報告した


最初はまともに

取り合ってもらえなかったが


各所で同じようなことが起きたらしく

上層部も本格的に対策に乗り出した


時が流れて


いまこのご時世

あらゆる物理的な記憶媒体が

クラウドに置き換わっているのは

実はこのことがきっかけだというのを

知っているものは少ないようだな













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