『呼ぶ』

「…そうそう高校の同級生。西澤。２年３年とクラス一緒でずっとつるんでた。もうだから１５年くらいの付き合いってことになるかな。俺とこれだけ仲良いんだからおまえともぜったい気が合うって…うん…いや大丈夫だって言っておくから…いや絶対楽しいと思うけどなぁー…まぁそこは相場通りでいいと思うけど…うん…なんとかなるんじゃない？…とりあえず予定空けといて…来週土曜…じゃまぁまた連絡するわ…うんまた」

「あもしもし？西澤？忙しいとこ申し訳ない。いま話せる？…あのさ来週の結婚式。あれひとり追加できる？…うん…ひとり…え？いや俺の会社の同期。北野。そう…あれ？会ったことなかったっけ？めっちゃおもしろいやつだけど…だめ？ちゃんと祝儀は払わせるし…いやそう堅いこと言うなって。せっかくのめでたい式なんだから…いちおう考えるだけ…え？なんで無理なんだよめっちゃいいやつだぞ？…え？…そんな確認とかいらなくない？俺のとこ詰めて座ればいいし…料理とか無しでいいから…は？なんでよ…いやマジかよ…まぁ俺は行くから最悪当日呼ばせてもらうわ…またな」

「あ北野？…ごめんさっき言ってた来週の結婚式。無理とか言われたわ…うん…いきなり席増やせないとか言ってる…ありえなくない？…うん…おまえのことそんなに知らないとか言っててちょっと西澤にむかついてるんだが…え？そうなの？…おまえもそう？…そうなの？…うん…最悪おまえには当日飛び込みで来てもらうつもりだったけど…ないのか…ふつうそうなのか…そうか…うーん…そんならやめとくわ…マジかーなんかごめん」

「あ西澤？ごめんやっぱあれ無しで。北野行けないって。もしもう手配してくれてたら申し訳ない…あ…うん…そっか手配してないか良かった…うん…なんかごめんな…あそうだそれと俺当日ちょっと遅れるかも…うん…ちょっとサプライズの準…あっ！ごめんなんでもないじゃあまたな！」

（あとがき）

どこにでもこういう奴はひとりはいますね。いねぇよ。

ところで今年最後の投稿でございます。みなさんお世話になりました。
来年もよろしくお願いします。