『ホンジツノエイギョウハシュウリョ…」』

「…ですからお客様…何度も申し上げておりますように、そのような質問にはお答えしかねます…」

「もういいわ」

ピッ

--

ピッピッ　ピッピッピッピッ　ピッピッピッピッ

トゥルルル

「コチラハセイキュウヒャッカテンオキャクサマセンターデス、ホンジツノエイギョウハシュウリョ…」

ピッ

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ピッピッ　ピッピッピッピッ　ピッピッピッピッ

トゥルルル

「パティスリーウメダでございます」

「あ、もしもしちょっと問い合わせいいですか？」

「はいどのようなご用件でしょうか？」

「荷物が届いてるかを調べてもらいたいんですよ」

「当店からお客様へお送りしている商品でしょうか？」

「そうです」

「それではお客様のお名前をお伺いできますか？」

「ヤマダです、ヤマダイチロウ」

「ヤマダイチロウさまですね少々お待ちください」

♪保留音（←各自お好きな曲で再生どうぞ）

「お待たせいたしましたヤマダ様」

「ありましたか？」

「恐れ入りますがお買い求めの商品と、お送り先はどちらでしょうか？」

「え？」

「お買い求めの商品と、ご指定の宛先をお教えくださいますか？」

「いや商品は知らないよチョコかなんかじゃない？宛先は俺」

「はい…？」

「だぁかーらー！わかんないの？」

「どういった…ことでしょう？」

「俺にチョコが届かないっつってんの！」

「さ、さようですか…申し訳ございません」

「ちゃんとしろよな！」

「大変恐縮ですが、ご依頼主様のお名前はどちら様でしょうか？」

「あ？」

「ご依頼…つまりヤマダ様へ商品を送るよう依頼なさった…」

「なもん知らないって」

「それでは…」

「そこまで言わせる？」

「申し訳ございません…理解が乏しく…」

「ったく…のさぁ…俺んとこに誰からも届かないわけ」

「はぁ…」

「今年も誰からもチョコ貰えなかったんだよ！」

「…」

「それってアンタたち業者のミスか何かじゃないの！？」

「そんな…」

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ヤマダイチロウの

夜はまだまだ長くて