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『イタ子はなんにも覚えていない』


恐ろしい新人が来た


実家がイタコをやっていて

自身もその修行を積んできたという


試しにいろいろ

あんなひとやら

こんなひとやらを

降ろしてもらった


笑っちゃいけないけど

なんだか少し…



そんなイタ子ちゃん(←そりゃそういうあだ名になります)も

だんだん仕事がイタについてきて

なかなかやるなと思ってイタら


なんと最近では

役員(存命)やら

直属の上司(目の前にいる)まで降臨させて

勝手に決裁を始めた


こりゃいかん


教育係を任された俺も

イタ子のところに降りたことがある


俺そんなに汚い言葉遣いしないよってくらい

乱暴な感じで降臨して

イタ子自身をいじめるような言動

殴るような動作までしている


いったん我に返ると

イタ子はなんにも覚えていない

役員(存命)やら

直属の上司(目の前にいる)やら

俺を憑依させたことを


見かねた俺は人事部に

抗議とも相談ともつかないメールを打った

返事はなんだか的を射ていなかった


それから数日


イタ子は

やっぱりわたしはお芝居やりたいですって言いながら

辞表の書き方を

俺に聞いてきた


あぁやっぱり

天才だったんだな


俺も脱サラして

この子のマネージャーにでもなろうか


いや

やめとこう


























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