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東京恋愛戦国日記~第1章 ナカタ編その③~

プラネタリウムデートの前日、よりによって熱を出してしまった。
当時新卒一年目で、アシスタント業務や自分の案件もあったりして、なかなか激忙だった私だが、ナカタとのデートのためだ、、会社に迷惑は承知だが致し方がない。

「(上司)さん、今日熱っぽくて、、しかも明日デートなんで早退していいですか、、」

「そうなの!早く言ってよ!帰んな!!!」

上司の言葉に甘え、早退をきめこんだ。忙しい時期だったけどね。ごめんね。

ユンケルと葛根湯飲みまくって、早く寝たら翌朝ちょっとフラフラするものの回復。

そして私には重大なミッションがあった、、
プラネタリウムのチケットを事前に買いに行くのだ!!!!
調べたところ土曜だし、割と人気だし、東京だし、絶対一緒に見たいから、集合時間3時間前に一度渋谷へ行き当日のチケットをゲット。

そしてさらにユンケルと葛根湯を体に注ぎ込み、いざデートへ!!

プラネタリウムのチケットをしれっとナカタに差し出す私。

「なんでチケット持ってるの?」

「いや、、、、、」

3時間前に買いに来たとか絶対キモがられる。言えない、、、

結局その会話はそのままスルーされ、プラネタリウムを鑑賞し、宇田川町付近の居酒屋へ入る。そして私は出会うのである。

ホッピーに、、


とんでもなく飲みやすいのに、中身が焼酎であるため、一瞬でベロベロになった。ナカタといる効果もあって、気分は絶好調。。

楽しそうに話を聞いてくれるナカタ。ここでもまた大学時代の話や、友達の話をして盛り上がる。

「代々木公園で飲み直そっか」

とさらに肝臓に追い打ちをかけてくるナカタ。
あんたも酔ってるやろ。

ナカタといると、夜のお散歩が本当に楽しくて、全部が新鮮でキラキラしてた。いろんな所に連れてってくれるし、こういう楽しみ方、いいでしょ?と行動で示してくれてるのが素敵だった。

代々木公園のベンチで缶チューハイを飲む私たち。

「膝枕してもらっていい?」

「いいよ♡!」

なんやこのいい雰囲気、、まじ動画誰か撮っといてや、、こんなん映画のワンシーンやろうが、、、

しばらくその状態で、私の携帯で流した音楽を聴く。

すると、ナカタがカラオケで歌っていた曲が流れて、ずっとカラオケデートの後、ナカタ選曲を聞いていたことがバレる。

ひぃいっ、は、、恥ずかしっ!、

そしてそこからなんか流れでチューをした。

正直酔ってて肝心のここらへんの流れは覚えてない。悔しい、、


「いこっか」

と手を繋いで歩き出した。「いこっか」がこの瞬間の為にある言葉のように思えた。なんてナチュラルな「いこっか」なんだ。。乙女全開だった私は正直どこに行くのか全くわかってなかったが笑

今までのデートも全部ナカタに任せていたし、また私が知らないどこか楽しい所に連れてってくれるのだと思っていた。


私は、手を繋げたことが何よりとても嬉しくて、

「(あ〜幸せだな、、♡)」と思っていた矢先、

「うわっ」公園の溝に足をはめ込んでしまい、


「っっううおお、、!」

バーーーーん!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


・・・・
思いっきり転けた。

それはもうド派手に。ナカタに転けた姿見られた、、恥ずかしい、、!


酔ってるし、乙女モードできゃぴきゃぴ手を繋いでたもんだから

手で体を支えることができず、全体重を左半身で受け止めたようだ。

「だ、、大丈夫、、?」

「うーん。。」

ホッピーのせいで感覚は麻痺しているため痛みはない。

あれ、、、、、、、、、、、、、、

、、、、、、、、、前歯、、、、、欠けてる、、、。

wwwwwwwwwwwwwwwww

舌で、前歯をなぞるといつもあるはずの前歯がない。

「(あー、折ったわ)」
とホッピーのせいでまともな精神状態ではないため、状況がうまく理解できておらず、めっちゃ薄い反応をする私。

前歯なんていい!!そんなことより、私はナカタと一緒にいたいんだ!!!!!

そのままナカタとタクシーにイン!どこか知らない素敵な場所は、そう。

新宿のラブホ!!!!!爆

それはそうと、実に初ラブホである。

初ラブホはよりによってすごい内観で、全面 鏡の壁のピンク照明の部屋だった。いや、これは素敵じゃないぞ、ナカタ。笑

そして、室内に入って気づいたけど、

私の左肩、めっちゃ血でてるwwwwwwwwwwwww

少し酔いが冷めてきた私、

「(絶対前歯と左肩の出血、気づかれたくない、、、、!!!!!)」

私は、ナカタと一緒に過ごせる幸せと、ホッピー麻酔により、脳が超ハイで、なんとしても、異様な見た目になってる私をキモがられずにその場を過ごしたかったのだ。

とりあえず、その日は二人とも何もせずに熟睡。

ナカタもナカタで、隣におる女、前歯ないし、めっちゃ血出てるぞ。気づけ。

翌朝。

ナカタはもちろん、私に迫ってくるが、私はまじで前歯ないし、なんか痛いし、肩から血出てるし、体毛処理もできていなかったので全力で拒否。

結果ナカタは一人でなさる形でフィニッシュ。(おいおい)

乙女全開もあんまりよろしくないなと薄々気づいた瞬間でもあった。

ホテルを後にした私たち。正直脳内はナカタと一緒にいる喜びと、前歯どうしよう、、の焦燥でいっぱいいっぱいだったが、ナカタから、、

「蕎麦でも食べる??」


「、、、、、、、、、うん♡!!!!!!!!」

一瞬悩んだものの快諾。

蕎麦を食べに行った。なんせナカタはまだ私の前歯がないことに気づいていない。蕎麦屋はきっちり向かい合う席だったが、私は上唇を上手に使って、前歯を隠す笑い方でその場を乗り越えた。

それにしても、歯痛い、絶対神経出てる。

あんなに集中できない蕎麦は初めてだったが、無事ナカタに何も気づかれることなく解散。

そこからは、必死で三軒茶屋中の歯医者に電話をかけまくった。

「前歯が欠けました。今日急ぎで治療して欲しいです!」と半泣きで電話をするものの、その日は日曜日で、そもそも空いている歯医者が少ないし、予約でいっぱい。

1件飛び込みで通してくれた歯医者は

「予約でいっぱいなので時間がなくて、、麻酔なしで、簡易的なものなら、、できますが。。」とのことで、なんでもいいからなんとかしてくれ!!!!!と頼みこみ、麻酔なしで施術。

「いったぁぁーーーーーーーーいっ!」

いたい。しかも施術後の歯をみたら、前歯の長さ全然違うやないかい。これはいかん。

再び必死になってまた三軒茶屋を駆け巡る。やっとこさ探し出した歯医者で無事綺麗な前歯をゲット。。なんとかなった。。。


そしてひと段落した私は気づく。

「ナカタと私の関係って、、どうなっているんだっけな?」




その④へ続く

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