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「青年海外協力隊のいま」 #3 パプアニューギニアで理学療法士!高岡正宗

青年海外協力隊の任地での活動といまを紹介するコーナー
「青年海外協力隊のいま」

第3回はパプアニューギニア派遣・理学療法士の高岡正宗(たかおか まさむね)さん!

高岡さんはパプアニューギニアの中でもブーゲンビル自治州という特に日本人には馴染みがない場所に配属されていました。そんな高岡さんの「いま」をご紹介します!

自己紹介

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名前:高岡正宗(たかおか まさむね)
隊次:2019年度2次隊
職種:理学療法士
派遣国:パプアニューギニア
派遣時期:2020年1月~3月
出身:福岡県

2019年度第2次隊としてパプアニューギニアのブーゲンビル自治州(ブカ島)に理学療法士隊員として派遣されていた高岡です。

福岡県北九州市出身です。
国際医療福祉大学保健医療学部理学療法学科卒業(2018年、同大学院修士課程修了)。医療法人大那だいなリハビリクリニック(栃木県)で勤務後、青年海外協力隊に参加、2020年1月~3月中旬まで任地で活動しました。

趣味:旅行、晩酌、甥の世話(?)
好きな曲:「青空(THE BLUE HEARTS)」「もしも僕に(関取花)」

青年海外協力隊に応募した理由

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大学時代に、「NPO法人JHP-学校をつくる会」のボランティアでカンボジアの学校でのブランコ建設や文化交流会等に参加したことがきっかけで、発展途上国の生活や仕事に興味を持ちました。

青年海外協力隊を選択した理由は
「比較的有名な国家事業であったこと(両親の説得に有効)」、
「理学療法士の募集があったこと」、
「CBR(地域に根差したリハビリテーション)の普及活動を行えること」
などです。

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派遣国にパプアニューギニアを選んだ理由は、
「戦時中の日本と所縁があること」、
「アジアとオセアニアの境目の国であること」、
「多部族が共存する国であること」です。

派遣国について

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パプアニューギニアは、北オセアニアに属しており、インドネシアの東、ソロモン諸島の西、ミクロネシア連邦の南に位置しています。小国にみえますが、約600島で構成されており、国面積では日本を上回っています!

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この国の一番の特色は、「部族の数」です。現在でも800以上の部族が共存しています。同部族のみで使用している言語(853語)とも言われており、言語数では世界全体に存在する言語の約12%を占めています(多用言語:英語、ピジン語)。

任地について

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ブーゲンビル自治州(ブカ島)は、パプアニューギニアの東端に位置しており、首都ポートモレスビーから飛行機で1時間30分程度です。

他の州に比べ肌の黒い人が多く、美人が多い地域だといわれています。北部にあるブカ島は、観光地として知られており、週末になると多くの国内観光客が訪れます。

編集メモ 「ブーゲンビル自治州とは?」

ブーゲンビル自治州とはブーゲンビル島、ブカ島と周辺の小さい島で構成されています。旧称は北ソロモン諸島。

ブーゲンビル島のパングナ鉱山が実質的にオーストラリアの支配下にあることに住民が抗議運動を起こし、分離独立運動の引き金になりました。ブーゲンビル自治州では反政府勢力やパプアニューギニアの治安部隊などによって内戦が10年以上に続き,約10%の人口にあたる最大2万人が死亡しました。2000年に和平協定を締結し、自治州も設置されています。

2019年12月、ブーゲンビル自治州の独立を問う住民投票が実施されました。結果は独立支持が投票の98%。パプアニューギニア議会での承認が必要になりますが、新国家設立へ大きな一歩にあたります。高岡さんによると治安は年々よくなっているそうです。

紛争中に破壊されたインフラを復旧するために、日本はODAでブーゲンビル海岸幹線道路橋梁の整備を支援しました。

配属先について

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私が配属されていたブカ総合病院は、ブーゲンビル自治州最大の病院(84床)で、4つの病棟(内科、外科、小児科、産婦人科)とその他の専門科(救急救命科、歯科)を有しています。基本的に医療費は無料であるため、毎日多くの方々が受診や治療を受けに来院しています。

日本の病院との違いは以下のような点があります。
「理学療法士数が少ないこと(配属先には1名のみ)」
「病院周囲の警備が厳重であること」
「糖尿病性切断(外科)と結核性疾患(小児科、内科)が多いこと」

任地での活動について(嬉しかった・苦労したこと)


パプアニューギニアには理学療法士の養成学校があるものの、臨床現場上では理学療法の必要性がいまだに浸透していない状況でした。そこで私は理学療法士の啓発活動も踏まえ、「障害啓発活動(糖尿病、腰痛等)」と「多職種連携」の2点に着目して活動をしました。具体的には、隣島の学校を拠点にした疾患に関する講義や健康診断、病院スタッフと協力した掲示用ポスターの作成等を行いました。

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親日家の現地人が多く、初対面だった私にも優しく接してくれたことが嬉しかったです。気軽に相談に乗ってくれ、休日には隣島の案内等をしてくれました。しかし、任地では日本人が私だけで、常に孤独を感じながら生活しなければならなかったのはつらかったです。つらい時期は日本人の友人やJICA同期隊員とのつながりを本当にありがたく感じていました。

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帰国から現在まで
 

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4月から5月は近所に住む甥の世話をしつつ、障害啓発ポスター(産婦人科用)の作成を継続していました。

6月からは「近隣在住の同期隊員との再会」や「ビデオ通話による遠方在住のJICA関係者や前職場の職員と交流を行っていました。

7月は長崎県西海市雪浦で九州北部在住の帰国隊員を対象とする地域復興研修に参加しました。元青年海外協力隊ソロモン隊員が代表を務める「NPO法人雪浦あんばんね」の協力のもと、任国での活動経験を活かした国内での地域活性化への取り組み方や助成金の活用方法について学びました。 

今後について

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医療福祉関係の施設及び企業での勤務を目指して就職活動をしながら、地元NPO法人(ほうぼく)が開催しているボランティア(ホームレスへの炊き出し、学童支援等)への参加、母校での講演会の開催を予定しています。

次世代を担う人材を支援していけるよう、自分ができるより良い社会貢献活動に取り組んでいければと思っています。

まとめ

パプアニューギニアで理学療法士として働いた高岡さんの「いま」、いかがでしたか?

最後まで読んでいただいてありがとうございました!

次回はバヌアツの環境教育隊員です。お楽しみに!

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参考資料


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