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華やぐ金魚たち

真夏の金魚に目が眩んだ な話。

先日出かけ先で20歳くらいの女性たちと、ささやかなご縁の元、束の間お喋りをした。

彼女らは全身で感情を表し、友人同士笑いあい次の瞬間には頬を膨らませるなど1秒間たりとも同じ表情をしない。

艶やかに施されたメイク、はち切れんばかりの瑞々しい肌と声音、エネルギーに満ちた一挙一動。

きっと悩みも沢山あるだろうけど、その悩みすら水面に映る光のようにキラキラしている様が浮かんだ。

まるで、各々に夢や華やかさを全身に纏わせ体躯を膨らませた美しい金魚みたいだった。

お盆が近いせいか、あの世へ旅立つ方を続けて見送った為、通りすがりに出会った真夏の金魚たちの華やぐ姿に心をずいぶん洗われた気がする。

送り火も、華やかな金魚も、セミの大合唱も同じ世界の延長線上にある。

夏の始まりと、ほんの少し先の終わりをジワリと掻いた汗とともに確かに感じた瞬間だった。

#日記 #エッセイ #お盆 #夏 #金魚 #人生 #送り火 #夏休み #死 #生 #エネルギー


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