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小声コラム#33 菓子パンがやめられない

歳を重ねると、控えた方が良いことが増えてくるらしい。お金の無駄遣い、脂っこい食事、糖質など、数えるとキリがない。
年齢的に大人として見られるボクには、控えられないモノがある。菓子パンである。エネルギー効率の悪い炭水化物質と爆発的な脂質と糖質のマリアージュ。菓子パンである。

菓子パン依存症とも言える現状に陥ったのは、学生でお金がない頃に遡る。
高校生の少ない小遣い、大学生の僅かなバイト収入を以って、出費を抑え如何に満足感高められるかを考えていた頃だ。
1日のお供となる飲み物は必須。食事として機能を果たすしょっぱいモノも捨てらない。価格対満足度の高いモノ、おにぎりだろう。
いつもここで、ウェルテルが顔を出す。おにぎりをもうひとつ取るか、はたまた別の甘いモノを取るか、苦渋の決断を強いられる。
おにぎりひとつでは食事としての満足感は得られない。しかも、ひとつしか選べないと、シーチキンマヨネーズの呪縛からまた逃げられない。どうする?あぁ、悩むことが面倒だ。いっそ絶食してしまうか。といつもこんな具合だった。しょっぱいパンと甘いパンにすればいいと思うかもしれない。しかし、パン+パン=パン祭り だ。一方、おにぎり+パン=♾ なのだ。この公式をお分かりいただけるだろうか。ボクは、パンブッフェではなく、ブッフェが欲しいのだ。なお、おにぎり2+パン1=後悔 なので、量を食べられないボクに、この公式は当てはまらない。

話を戻すと、あと1つの選択で、どれだけ幸福になれるかというのがポイントだ。
いつも甘ったるい囁きが聞こえる。食べた感があって、デザートにもなるモノってなーんだ?

菓子パンである。

このように、ボクの脳内では、菓子パンはただのお菓子でも、食事でもない。つらい現実と幸福度を繋ぐための媒介なのだ。

仕事をするようになってからも変わらない。むしろ費用のタガが外れたので、より幸福度の高そうな菓子パンを選んでしまう。とくにコンビニには注意したい。現代を象徴とするように、移り変わりが激しく、毎週のように新発売の文字が棚に並ぶ。たまに新商品でもないのに新商品ヅラしているヤツもいるので、注意してほしい。そんなこんなで、控えた方がいいとわかっていても、やめられない状態が続いている。

しかし、在宅ワークになり、少し傾向が変化してきたように思う。自宅でごはんを作るようになって、菓子パンに惹かれることが少なくなった。その代わりに新しく控えられないものが増えた。

チョコパイである。

#33  菓子パンがやめられない

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