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B6サイズ100Pハードカバー混植スケジュール帳を作ってみた

 以前の失敗:初めてノートにハードカバーをこさえてみた

 完成品は若干失敗気味ですが、過程はそれ以上に失敗ざんまいなのでそれも込みで書きます。それでも、自作スケジュール帳は素晴らしい。

完成品

月毎に違うフォントを使いたくて!ピッタリ100ページ

 サイズはB6、ぱっと見が綺麗で満足です。以前のハードカバー本で失敗した「自然状態で閉じない」は改善しています。これは制作やプライベートの予定を書き込む自宅用手帳なので、細かい失敗は問題ありません。紙の手触りを毎日楽しめます。

ざっくり工程

注意・「初めての製本」です。基本はYoutube見様見真似です。

  1. Indesignでレイアウト

  2. 小さな紙でミニ手帳を作り、ページ面付けシミュレーション

  3. 面付け、ミスチェック後B5コピー用紙に両面印刷

  4. 折って全体をイメージ、糸で縫う箇所にビスで下穴開ける

  5. ひたすら糸でページを編む

  6. ボンドが乾くのを待つ間、サイズを測ったり計算する

  7. 紙を切り貼りして表紙を作り、貼り合わせて完成

 本当にYoutube見まくりました。それっぽい道具類は(捨てられない性格のおかげで)代用できるものを元々持っていたり、ミスプリを活用して治具を作ったりと後半はテンポ良く作れました。

ざっくりね。

 年間カレンダー、[月間、週間、フリーページ]×12、混植見本4ページ分、で構成された計100ページです。この構成が自分にとって機能性と薄さを両立するもので、そこへ紙色やフォント、表紙の要望を重ねると市販ではなかなか見つけられず毎年スケジュール帳を(妥協して)買うまでにとても時間がかかっていたなぁ。

色々計算したつもりでしたが、前回同様右下4(8)枚目の隙間で失敗しました。

失敗点

・試し刷りで気づく、データ入力ミス多発
・A5からB6へレイアウト変更(縦横比の異なる縮小地獄)
・切れ味が普通の刃物でページの面を揃える裁断をやると汚い
・背表紙と表紙の間の隙間の計算は難しい→サイトありました
・一度貼り合わせると取れないボンド
・糸が被さることを予測できなかった火曜日の日付
・ページを縫うときに普通の直線の針はやりづらい
・曲がった針がほしいと初めて思った →カーペット用など

 前回の混植カレンダー作りや、途中で投げ出した昔のスケジュール帳のデータがあったのである程度ショートカットしてレイアウトできていたのですが、何度確認しても100ページレベルだとやはり見つかってしまう入力ミス。ちゃんと寝て日を改めることの重要性を再確認。
 数字のミスは何度も直して無くしましたが、完成品には線や余白のミスが結局見つかってしまう…。(A4からB5へレイアウト調整したのが原因でしょう)

材料の話

 最初はコスパの良さを狙ってA4用紙1枚で8ページ分 = A5サイズで作るつもりでしたが、全ページの試し刷りをして初めて、小さすぎて利便性に欠けることに気づきました。

 ただし、B5ページの利点はそこではないことに後から気づきます。昔買って保管していた竹尾の美しい紙がA4サイズなので、それを表紙にするとちょうどいいのです。逆に中身の100均コピー用紙の安っぽさが目立ちますが。

 紙は色々持っているので事前に計画はせず、大半がその場の成り行きで用意されています。なので作り方はあまり参考になりません。最近、自分の中のテーマの一つが「新しいものを買わず、持っている材料を使い切る」なので、「何で代用するか」を考える作業自体を楽しんでいます。環境にも優しい!はず。

 分かりづらいものだと、花布(本を立てて上から見たときのページと背表紙の間にある細い紐の部分)は普通のリボンに凧糸の芯を入れて折ってボンドで留めたものです。(構造上の意味を成しているかは不明)

↑花布 下に敷いてある紙はミスプリ 和紙みたいなやつは多分和紙(あまりもの)

混植の部分

 前回のカレンダーでの反省同様、日本語が入る余地はほぼないです。カレンダーなので。でもやりたかった。なので、巻末付録のノリで見本表を作りました。例文はChatGPT(3.5)さんに作っていただきました。というのは半分違って、指示の出し方が下手なのか「文字数○○字程度で」や「平仮名、カタカナ、数字、アルファベットを織り交ぜてほしい」などの要望が伝わらず、生成された四季折々の詩と作っていただいた文章とを私がマンパワーで単語の置き換えをした結果の文章です。

指示の改善しようはあったと思うのですが、あまりやり込みませんでした…。
うーん、最高

 最初はこの混植の組み合わせ自体もAIに提案してもらいましたが全然ダメでした。自分の指示出しが下手な可能性はありますが、そもそも紙媒体で行われる混植とデジタル端末のそれは色々だいぶ違う気がするので、この辺はあまり期待できないような気もします。AIが線の太さが何pxなので…という日が来るのかな。

ChatGPT一発出しではありませんが、ものすごい時短でめちゃくちゃ助かりました。

 フォントは前回のカレンダー制作で決めた組み合わせのままで(多分)、そこから合成フォントとして少し調整を施しました。これをまたじっくり観察してここがどうとかああだとか振り返りたい。

1月 - Garamond Premier Pro × ZEN オールド明朝 Black
2月 - CINZEL DECORATIVE × 源明朝 Regular
3月 - LTC Caslon × 遊明朝 Demibold
4月 - Cormorant Garamond × A-OTF リュウミン Pr6N L-KL
5月 - Baskerville × 源明朝 Medium
6月 - TRAJAN PRO 3 × ヒラギノ明朝 Pro
7月 - Orpheus Pro × 貂明朝 Regular
8月 - Optima × FOT-キアロ Std B
9月 - Didot × 凸版文久見出し明朝 Extrabold
10月 - Times × URW 平成明朝 Medium
11月 - Cochin × DNP 秀英初号明朝 Std Hv
12月 - Bodoni 72 Oldstyle × VDL V 7 明朝 B

 最初はゴシック体も入れる予定だったのにセリフ体が好きすぎて全部セリフ体に。これでもなんとか選抜した結果だったので自分は思ったよりセリフ体が好きらしいと気づく。Garamond系はお気に入りなので二月分も使っている。自分仕様は素晴らしい。

 完成品は思いの外可愛い。もっと本を作りたくなった!し、紙を買う理由ができてしまいました。アイデアはもうある!けど道のりはちょっと長そうだ…。

写真だと写りませんが、ちょっとパールめの紙なんですよ。かわいい。

 
 「自作手帳はいいぞ」ってやつですね。


制作したいものが山ほどあるので、その材料費とさせていただきます。直近だと木材、ビーズ、塗料、紙、工具類になる可能性が高いです。