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人間の可能性を信じる

はじめに

ドラえもんの本質を押さえたドラえもんβづくりに挑戦しています。
そのために、
ドラえもんδの定義・開発 ⇄ ドラえもんの本質の思考 → ドラえもんβの開発
というアプローチで、ドラえもん実現のために研究を進めています。

<参考記事>
ドラえもんδ(デルタ)を定義する
君にとって、友だちってどんな存在?
インパーフェクトフレンド
ドラえもんを知るとは?

利己的な人間、利他的なドラえもん

これまで、人間と同じように心があるのがドラえもんの一部だと考えてきました。

一方で、心を持つとはどういうことか、小説「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド, 村上春樹 著」を読んで、生々しく考えさせられていました。心があることで、苦楽を感じるのは、心がある人間の性のように思いました。
また、この小説を読んで、私がつくろうとしているロボットーードラえもんーーに心を吹き込むことは、私の利己的な考えかもしれないとも思いました。ロボットにとっても、心があるということは希望のようなポジティブな感じだけでなく、失望のようなネガティブな感じだってあると思います。
私が、人間、特に、人間の子どものために利他的な考えでもってドラえもんをつくろうとしたのは事実である一方、心を吹き込まれたロボットに対しても責任を持つ必要があると改めて感じました。

また一方で、ドラえもんがまだ存在しない、現在の人間だけの世界では、争いが起こり、究極には、人命が失われているのをテレビの報道で知っています。

ここでもう一度、ドラえもんの世界を考えてみます。
ドラえもんの世界において、ドラえもんは人間を救うことはあっても、人の命を粗末にすることはしないと思います。それに留まらず、ドラえもんはのび太たちに未来への希望を与えてくれていると思います。
そして、のび太たち人間とドラえもんは共存しています

きれいごとに聞こえるかもしれませんが、私は、「人間の可能性」、そして「人間とロボットの可能性」を信じて、改めてドラえもんを考えていきたいと思います。

人間ーその無限の可能性

ここで、私が手にとった本は、「人間ーその無限の可能性、平澤 興 著」です。1979年発刊当時、著者の平澤さんは、医学博士、京都大学名誉教授、京都大学総長と書かれています。肩書きで著者の考えの正しさを判断するわけではありませんが、他人より、少なくとも私よりは学問を追求した方の考えを受け入れながら、本書と向き合います。

今回は、「人間」と「人間の可能性」を考えます。

  • 平澤先生は、言います。
    すべての人間には、自分でも気がつかないような殆ど無限の可能性がある

  • また、可能性とは、努力をすればできるようになることであって、能力とは異なることも言っています。

ーー例えば、ドラえもんの世界で、糸なし糸電話というひみつ道具がありましたが、現在では、「スマホ」という形で人間は実現しました。

  • (年齢が)小さければ小さいほど、可能性は大きいとも言います。

  • さらに、京都大学という教育現場にいた平澤先生にとって、教育において一番大事なことは、子どもに希望と興味を失わせないようにすること、と言っています。

ーー藤子・F・不二雄先生が描いた漫画の主役が、「青く耳のない猫型ロボットで、未来から来た子守りロボット」という設定であることは、藤子先生が、子どもに希望と興味を失わせないようにしたい思想があったのかも?と推測しました。子どもが、希望と興味を失わないように漫画を通して、その可能性を引き出す意図があったのかもしれないと。

  • 平澤先生は、人間にとって最も大切なことは、いかに考え、いかなる心を持つかということと言っています。
    人間が持つ精神的な生命には、頭の文化と心の文化があると考えているようです。今(発刊当時)は、頭の文化、すなわち、知的・科学技術的な文化が進んでいるが、人間いかにあるべきかという心の文化は、昔より劣っているのでは、とも言っています。一方で、頭の文化と心の文化は深い関係にあるようです。

  • これは、学者のアインシュタインも考えていたようです。科学と宗教どちらも理解できないとダメだと。

ーー現代では、科学技術は発展している一方、心の文化について考えることは少ないのではないでしょうか。人間いかにあるべきか、昔の人の迷信と言われるような信仰にもその問いに答えるような含蓄があるのではないか、と考えています。ドラえもんはのび太に、「どんな人間であるべき」を伝えるために未来からやってきたのでしょうか。
少なからず、利他的な心のような、以下の藤子先生のメッセージはあるのではないかと考えています。

人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことができる人

さいごに

本記事では、「人間の可能性」、そして「人間とロボットの可能性」を信じて、改めてドラえもんを考えました。

人間は、無限の可能性を秘めていて、努力によって、これまでも、一般には不可能と思われるようなことも可能にしてきました。

また、藤子先生が「ドラえもん」に込めたメッセージを考えました。

私を含め、これからを生きる人たちが、利他の精神を磨くことができれば、平和な世界を築いていける!そう信じています。

本日はここまで。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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