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他人と縁を結ぶということ―特別養子縁組:今の社会傾向と子どもの育ち

2024/1/17(水):特別養子縁組㊱
 


はじめに


 今日も見に来て下さってありがとうございます。
 水曜日は、日本の特別養子縁組について考えていく日。今日は養子縁組をすることになる現在の日本の社会的背景と最近の傾向について考えていきたいと思います。
 養子縁組、特別養子縁組、児童養護…そんな社会で子どもを守ろう…という考え方や法律、社会システムは変わらずあるものの、子ども達を取り囲む家庭の背景や社会の価値観は時代と共に刻々と変化しているもの。
 今日はその子ども達を取り巻く背景について考えます。
 読みながら、一緒に考えて下さったら嬉しいです。



時代の移ろいと子ども達


 児童養護施設が日本に増えたのが戦後。戦災孤児を保護するために児童養護施設が各地に増えたといいます。
 そして、昭和から平成、令和へと時代は変わり、この施設で受け入れる子どもの事情は大きく変化しました。
 親の他界・生き別れ…という、大多数が「親がいない」と思える事情から、望まない妊娠・金銭的なもの・虐待…という「親が育てられない」という事情へと変わっていったことが特徴的であるように思います。
 (もちろん戦後の混沌とした時代背景のなかで、「育てられない」と手放された子どもがいたことも事実ではありますが、割合として「いない」から「育てられない」が増えたということは事実ではないでしょうか。)
 この預けられた背景の変化は、子どもの実親への気持ちの変化ももたらすことが考えられます。
 
 「いないから仕方ない」と受け入れられるのか、「親は外で生活しているのに、自分は別に生きることを選ばれてしまった」という思いを抱くのか…そんな子どもにとって不条理なことを受け止めさせ、消化させるのは子どもたちの周りで支える大人の努めであり、課題であるのではないでしょうか。


現在の社会の課題

 前回の「特別養子縁組」の投稿でも少し書きましたが、今の社会はコロナ禍もあり、コロナ禍前に比べてより若い実親が施設に子どもを預けるケースが増えてきていると言います。
 コロナ禍、学校に行くことが減り、自宅学習が強いられた子ども達。
 親との関係がうまく築けていない子どもたちは学校に行かずに自宅で過ごすことが苦痛になり、異性の家などで過ごした結果望まない妊娠につながってしまう…という現状があり、親が気付いた時には堕胎できるタイミングを逸してしまっており、現状として全国的に若い実親の施設委託が増えたそうです。

 また、近年「援交」「パパ活」「神待ち」「トーヨコキッズ」…まるで一部の子ども達の流行りごとのように自身の身体を商品にすることで、孤独や持て余した時間を埋めて金銭を受け取る…という行為は、もう数十年、名前と形を変えて思春期の子ども達にまとわりついています。
 それら社会問題の結果、正しい知識や感覚を持たずに性的関係を持ってしまった結果、父親の分からない子どもを身ごもってしまう、その後の適切な対応をできず手遅れになってしまう…という現状が続いているのではないかと思います。


問題の根源

 これらの根源は、私は家庭の親子関係にあるのだと考えています。
 「望まない妊娠の全てが実親に責任がある」とは決して言えません。特に女性側の問題としては「妊娠=母親になる女性の責任」と言えないこともあるでしょう。
 しかし、上述したような、いわゆる「女性が身体を使って金銭を得る」という形のものにおいては、教育や親子関係で結果が変わりうることなのではないでしょうか?
「私は愛されている」という安心感や
「私という存在は大切に扱うべきものだ」という使命感、
「心配してくれる人がいる」という自信の育ちへの信頼感があれば、上記のような選択肢を選ぶ可能性は減るのではないでしょうか? 

 恋愛に関してもそうだと考えます。
 自分のことを大切にしてくれない異性に固執してしまう女性の心理は
「自分のことを理解し、求めてくれる人はこの人しかいない」
という枯渇した気持ちからくるものであり、それはきっと一番欲しているであろう親からの愛情を実感して「自分は愛される存在だ」という基本的な安心感と自身を育てていれば、固執しなくても済むことなのではないかと思います。
 テストの点数などの子どもの数値に目を向けるのではなく、ただただ愛情を示すことの大切さを、物や金銭に不自由させない子育てよりも十分な愛情をかけることの大切さを今一度日本の社会に気付いて欲しいと偉そうにも思うのです。


さいごに:子どもをまもるということ

 長くなってしまいましたが、今の日本社会の課題は、実親との生活が困難な子ども達の保護と教育はもちろんのことだが、実親への適切な教育こそが求められているのではないかと思います。
 また、教育現場では今までの性教育に加えて、子どもができるということの親の喜びや、子どもができてからの生活の実際…それらリアルな「子どもができること」をイメージできる教育が必要なのではないでしょうか。
 そして親にはただただ「あなたがいてくれるだけで幸せ」という愛情を…
 日本の児童養護施設が「子育ては無理」という理由で利用されるケースが一件でも減ることを願って、勉強と考えることを続けていきたいと思います。
 
 …今回は熱くなっていっぱい書きすぎました。
 最後までお付き合い頂いた方!ありがとうございました!

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