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あの話題は今?【IT二百物語達成記念】

いつもお読み頂きましてありがとうございます。前回コンテンツをもってIT百物語が200話を達成しました。決して「この職業が儲かる」などと言わない景気の悪いコンテンツにも関わらず、多くの方にお読み頂いている形となりました。

noteについても3100名以上のフォローを頂いており、恐縮です。今回は最近フォロー頂いた方も多いので、200話の中から何話かピックアップして振り返りをしつつ、現在のトレンドと合わせて見ていきます。


エンジニア界隈の潮目

不景気に突入し、エンジニア界隈の動向にも変化が起きています。

未経験、微経験のフリーランスの受け入れ先がなくまとめてSIerに入れるフリーランスエージェントの動きがあったり、決まりやすい企業開拓に余念がない人材紹介会社もあります。思ったより儲からなかった高還元SESについても解散する動きが見られ始めました。

即戦力に近いミドル層については引き続き有効求人倍率を牽引しています。しかしシニア層についてはやや優先順位が下がっています。こうした動きは現在の状況を点で捉えるだけでなく、自身のキャリア戦略(キャリアアップ、キャリアチェンジ、スキルチェンジ)の観点からも勘案しておく必要があります。

ITエンジニア採用の難しさを要素分解・図示してみた

採用に関わる方や、HR系企業の皆様に広くお読み頂いた記事です。この記事がきっかけで書籍執筆のお話を頂いた思い出深い一本です。

2020年の記事ではありますが、その後新しい採用手法やメソッドは登場しては居ません。当初の予定では毎年更新を目論んで居たのですが、そのようなこともなく。採用周りのビジネスモデルとしては全くの新規のものは出尽くしたのではないかとも捉えています。

情シスの業務範囲が広すぎてキャリアパス迷子になるので整理してみた話

情シスの方々に多く読まれた記事です。採用時の人物像、スキルセット整理や、目標設定・評価・給与交渉などに使われるケースもご報告頂いています。こちらの記事がきっかけでキーマンズネットさんでの連載に至りました。合わせてご覧ください。

テックブログは続かない - 何サイトか潰した後にブログが有名な企業に転職しての気づきと反省

「この記事のおかげでテックブログを継続することができました」というお声をよく頂きます。ありがたい限りです。

ただし景気が後退し、事業に余裕があったからこそ成立していたテックブログの場合、更新頻度に陰りも見られます。今一度、テックブログに関する目的の整理をする必要があるのではないでしょうか。ブランディングという将来投資の位置付けになりやすい施策だからこそ、今こそ位置付けの再合意が必要なものと考えます。

情報商材の鴨が入れ替わる未経験界隈

未経験界隈を解説した二部作です。かなり読まれた記事ではあるものの、「もっと早く読みたかった」という感想も複数頂いており、苦々しく感じています。

こうした人たちのビジネスモデルは全く進化が無いのですが、それ以上に未経験界隈をマネタイズしたい層が厚いために対象者の世代交代が頻繁に起きるなど無力感は感じています。

この層を緩くプログラマとして大量採用している企業はほぼ居なくなりました。傾向は変わらず、就業先が無い分、路頭に迷う人達が増加している印象です。

インフラエンジニアになる:未経験プログラマの受け口となるのか?

 

プログラマを諦めた層が次に志すのがインフラエンジニアです。この図式もこの記事当時と変わりがありません。

ある派遣会社のデータを見たことがありますが、IT革命が直撃した40代、50代はインフラエンジニアのボリュームゾーンとなっています。その後、プログラマがブームとなったり、クラウドのブームで人気が陰ったため、30代が少ない状態でした。

次にデータセンターの建設ラッシュです。オペレーターの職に近いですが、新規建設に当たっての求人拡大があります。

こうしたことから若手未経験を歓迎している風潮があります。

ポジティブな側面としては、資格を持っていると優遇されやすいことが挙げられます。未経験の受け入れ先としてはOJTが強い自社サービスや、経歴を盛るタイプのSESと比べると確からしさがあります。

ただ候補者がインフラエンジニアの業務内容をどの程度把握しているかは怪しいと考えています。「プログラマになれなかったので同じエンジニアと名のつくインフラエンジニアを目指した」「入ってみたら思ったものと違った」「クラウドエンジニアに転向したい」という方も少なくなく、どうしたものかと思います。

HR界隈に関わるものとして、とにかく人を動かして決定課金でマネタイズする心ない人材紹介やSES、フリーランスエージェントも多数あり、こうしたところに積極的に誘導していますが本人との期待値調整が軽視される傾向にあり、由々しき問題だと捉えています。

エンジニアと年齢

このnoteでも度々話題にしているのが年齢に関するものです。いずれもよく読んでいただいています。

2022年までのエンジニアバブル下ではエンジニアの人手不足もあり、年齢上限をかける企業が減っていた傾向にありました。

7月に実施したOffersデジタル人材総研調べでは、20代や30代に比べると40代以上を採用しているという回答は減っていたものの、年齢不問という回答も半数近くあるという明るい傾向も見られました。

しかし年齢以外の要件はより厳しくなっています。年齢が高いとスキル的な期待も高いのですが、それだけでなくカルチャーマッチやリーダー経験、マネジメント経験、顧客折衝経験なども軒並み高い状態です。スキルだけでなく、物腰の柔らかさや思考の柔軟性も求められます。いずれも一朝一夕には身につかないものです。将来のキャリアのために常日頃から意識しなければ詰まるリスクがあります。

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