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IT百物語の達成/株式会社LIGを退職します

ありがたいことに本noteも次の3月下旬に3年目に突入します。我ながらよくもまぁこんなに発信することがあるものだと驚いています。おかげさまで「IT業界の百物語」マガジン内のコンテンツが100に到達しました。怪談の方の百物語は百話を語り終えると怪異が起きると言われています。当IT百物語もちょうど節目が重なりまして色々とご報告させて頂ければと思います。

百物語を達成の御礼

2020年3月から開始した当note。始めたきっかけはいくつかあります。

人材紹介会社在籍時にキャリアアドバイザや営業職向けに研修を実施していたこともあり、IT業界の歴史や流れを連続性を持って解説するということについての需要を発見したというのが一つ。

自分が思考していたことについて類似の意見が発信されると悔しいのでタイムスタンプ付きで「自分もこう思ってたんです」とリンクを送りたいと思ったのが一つ。

当時からウェビナーなどは開催していましたが、スライド公開などを含めても一過性のフロー型のような伝搬のためストア型の情報発信をしたいと思ったのが一つです。

IT業界という流れが早く、プレイヤーの移り変わりも多く、まやかしも多い中で人の流れを基調に解説や見解を示すというスタイルでやってきました。特殊な話題ばかり扱っているにも関わらず多くの方に読んでいただき、皆さんのアクセスと、ウィッシュリスト、サポートを励みにここまでやって来れました。また、プラットフォーマーであるnote株式会社の皆様にも感謝申し上げます。公式Twitterで取り上げて頂いた際はとても嬉しかったです。

本人が一番驚いているのですが、まだまだ書きたいネタはたくさんあります。今後ともよろしくお願いいたします。

株式会社LIGを退職しました

期せずして百物語の達成と被ったのですが、2/22に株式会社LIGを退職しました。お世話になった皆様、驚かせて申し訳ございません。

LIGではアルバイトJavaプログラマ以来のクライアントワークに取り組みました。フィリピン・ベトナム・日本のEMだけでなく、PjM、アカウントプランニング、アカウントマネージメント、T&Oコンサルタントなど様々な経験をさせて頂きました。クライアントワークの面白みについてはまた別の機会にまとめたいと思います。

例によって退職理由はレピュテーションリスクの観点から伏せておきますが、「バイブスの違い」としておきます。

ベンチャーの意思決定がガラリと変わるというのは珍しくありませんが、変わるときはTHE MAD CAPSULE MARKET'SとTHE MAD CAPSULE MARKETSくらい変わるものだなと感慨深く思います。方針転換については企業の生存戦略を踏まえてのものなので致したかないでしょう。1作業者として在籍しているのであれば方針転換についてはさして痛痒ないでしょうが、ミッションへの共感などを源泉として参画した場合はしょうがないですね。

次に何をする?

途中までEMとしての正社員転職を模索していたのですが、いくつか面白い選択肢が出てきたのでトライ中です。その中でも公開できそうなお話をご紹介します。

流しのEM

EMというのは清々しいほどに中間管理職ではあるのですが、実に費用対効果の説明がやりにくいものです。

人事と呼ぶにはスキルセットが異なるというポジションです。「優秀な人を採用してほしい」「組織をいい感じにして欲しい」といったオーダーはそれ以上解像度を上げることが難しく、それ故にゴール達成も分かりにくければ追加オーダーもしにくいという曖昧な存在です。
(略)
現場としてのエンジニアリングマネージャーの必要性に対し、売上貢献への説明が元々難しいポジションというだけでなく、採用人数の達成も離職率の低減も外部要因・環境要因共に困難な状況であることを踏まえるとかなりやりにくい業種です。実態の把握が適切でないと待遇がエンジニアの人事部門に見え、コストに対する納得感が得られにくくなります。

そこで実際に「流しのEM」をやってみる方向で動いてみたところ、一定のリード獲得ができたため複数社に跨って組織改善業務に取り組むことにしました。技術顧問としてのスポットのVPoEなどは増えてきていますが、業務委託EMというのはまだ世間的にも少ない取り組みかと思います。SIのように設計開発から入り、ある程度の自走も含めてリリースした後は保守フェーズに入りつつ、状況によってテコ入れするというようなものを想定しています。

一つの現実解として業務委託として週2-3日でコストを下げながら入り、組織を整えた後には定期コンタクトを取りつつ保守作業をしていくという「流しのEM」という働き方を思いついたのですが、意外と企業・従事者共に悪くないんじゃないかなと考えています。

エンジニアリングマネージメントフレームワークの確立

私自身のエンジニア組織運営方針としては、各個人の得意・不得意を加味し、育成と成長を視野に入れたボトムアップ型のものになります。

大手SIerに代表される新卒一括採用の企業の場合、0スタートを前提とした長期研修を経て1人月として現場にアサインされます。しかしOJTを前提としたその他企業としては良くも悪くも得意不得意に個人差が出てきます。そのため、個に寄り添った組織づくりというのは現在の日本のIT環境を踏まえると不可避だと考えています。

EMの業務にはサイクルがあると考えており、それを形にしたものが次の図になります。どれか一つだけに注力すると良いものではありません。採用についても専任の方が増えつつありますが、市場を鑑みると費用対効果が低いため一点注力はリスクが高いです。入社後の配属、オンボーディング、活躍、定着、評価、フィードバックという一連のサイクルに対し、1on1などによる観察と伴奏を中心に回していくのが必要です。

  • 得意分野へのアプローチ

    • 得意を生かした配属

    • 得意を伸ばすスキル教育

    • 素養を生かしたリーダーシップ・マネージメント教育

    • 評価制度による成長の階段の明示化、意味づけ

  • 不得意分野へのアプローチ

    • 不得意を埋める教育、または相互補填する配属

エンジニアリングマネージメントループ

このサイクルをアジャイルのスプリントのようなイメージでリレーしていくことで組織拡大をしていこうというものです。中長期的には組織フレームワークの提案まで行きたいと考えています。

エンジニアリングマネージメントサイクルと組織の成長

オンラインサロンをやろうと思います

この度、yoorさんからお声掛け頂きまして新しいトライアルとして、オンラインサロンに進出してみようかなと思っています。

実はオンラインサロンそのものには興味があったものの、どうも情弱ビジネス感が拭えず懸念を感じ、進出できずに行きました。

しかしnoteやTwitterで発信するうちにエンジニアさんからは転職相談や職務経歴書レビュー、企業さんからは採用に関する勉強会についてご相談頂くようになりました。「無料では悪い」とアマゾンウィッシュリストからお礼を送って頂くケースも少なくありません。

今回yoorさんにお声がけ頂いてお話をするうちに、スポットでお受けする相談事をオンラインサロンという形でシステム上に載せることによって、より多くの方にご利用頂けるのではないかと思うようになりました。

現在、下記のようなご相談を想定しております。

  • 定例コンテンツ

    • noteのコンテンツをベースにしたエンジニア市場・キャリアセミナ

    • 公開相談

  • 個別コンテンツ

    • (主にITエンジニア向け)個別キャリア相談、職務経歴書レビュー、1on1

    • (企業さん向け)ITエンジニア採用・定着・活躍に関する個別相談会

    • (人事・HR界隈様向け)ITエンジニア出張勉強会

  • その他

実際のところ、オンラインサロンで生きていくつもりはなく、将来的なリード獲得の一環と位置づけています。それ故に(いたずらに否認はしないですが)オンラインサロンにありがちな「承認を連発して気持ちよくなってもらう」ようなことは想定しておりません。

起業します

個人事業主という選択肢もありましたが、大企業さんからの発注も頂けることとなりまして、今後の選択肢を増やしていくためにも合同会社を設立する方向で動いています。

こちらもそのうち話題にしたいと思いますが、不可抗力的に引き受けてきたアカウントプランニングの経験から「こうやって営業するのね」という後押しができたのは大きかったです。

実際の業務バリエーションとしては下記のようなご依頼についてご契約を進めさせていただいております。明らかにできそうな段階でまたお知らせします。

  • 「流しのEM」業務

    • 採用

    • 定着施策

    • 評価制度づくり

    • 製造業のデジタル人材組織づくり

  • 研修

    • 意向上げも含めた面接官研修

    • ITエンジニア向けリーダーシップ研修

    • ITエンジニア向けマネージメント研修

    • BizDev相互理解研修

    • 高度人材向け強み発見研修、研究テーマサマライズ研修

    • 人材紹介会社キャリアアドバイザー向け専門性向上

    • 大学・大学院生・高度人材向け就職・転職支援

  • 情報発信

    • HR事業における情報発信

    • テックブログ支援・管理

    • セミナー

    • 執筆

  • 技術支援

    • スタートアップ事業のシステム立て直し

    • SRE

    • DX支援

特にこれまでの中でやり残したこととして、大学への働きかけがあります。何度かスポットで情報系に就職したい学生さんに対して講演などを行ってきましたが、中でもある文系単科大学の就職課様より頂いた「学生がIT業界を志望するが、よく分からないのでサポートがしにくい。それでいて学生の就職先を聞いて検索するとブラック企業と出てくるので居た堪れない」というものがありました。就活生各人の業界研究のきっかけづくりが肝になるかと思います。

これまで以上にフットワーク軽く手を出していければと思います。お気軽にお声がけ下さい。最後に退職・起業エントリでおなじみのほしいものリストも貼っておきます。引き続きよろしくお願いいたします。


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