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創作大賞2024応募作品

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静森あこが創作大賞2024に応募した創作
運営しているクリエイター

#短編小説

愛玩の君 ─1─

   どうでもいい男が私の上で「気持ちいい」と息を荒げながら腰を振る。ああ、こんなはずじ…

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愛玩の君 ─2─

   同窓会から1週間が過ぎた頃だった。仲の良いクラスメイトだった望美からLINEが送られて…

34

愛玩の君 ─3─

   気分が悪くて気も沈んでいたが、仕事を休むわけにもいかず、寝不足で重い身体を引きずる…

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愛玩の君 ─4─

   その日も教室でいつものように全員に無視されていた倉田は、最後の授業のチャイムが鳴る…

30

愛玩の君 ─5─

   闇の中を抜けると、前に夢で見た大きな屋敷の前にいた。庭の萎びた薔薇から芳醇な香りが…

28

愛玩の君 ─6─

   マントの男は椅子の上の骨を執事に退かせると、どろどろの肉塊の中に手を入れ、探った。…

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愛玩の君 ─最終話─

マントの男は古びたノートを開いた。 ○月‪✕‬日 親の転勤で転校したけれど、僕は学校にほとんど通わなくなった。僕にはそんな暇ないんだ。僕は僕なりの復讐を考えなくてはならないから。いや、復讐なんて容易いものじゃなく、アイツらを破滅させる方法を考えなくちゃならないんだ。 【コバヤシ ヨウスケ】 この名前をテレビで見たり聞いたりする度に、狂いそうになるほどの怒りが込み上げてくる。コイツを死ぬまで、死んでからも、苦しめ続けられるなら、そうしてやりたいと思った。でもなんだかおかしかっ

太陽は嗤う

  夏の眼球を舐めたくなって生唾を飲んだ。黒水晶のように煌めく瞳、白磁のような白目。そこ…

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名前を呼ばれた気がして

  自分の名前を呼ばれた気がして顔を上げたのは、今夜知り合ったばかりの名前も知らない男に…

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呼びたい名前

横断歩道の信号の「止まれ」の人形の光が雨で滲み出し、暗がりを赤く染める真夜中。その赤色は…

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