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沖縄にあり、琉球にあらざる島のお祭り ー辺境離島探訪 北大東島②

沖縄に暮らしている当時、僕が考えたのは「どうせなら、住んでいる今だからこそ行く気になるが、県外からは観光でわざわざ行かないような島々を巡ってみよう」ということ。離島旅行の記憶をたどります。


前回の記事はこちら。

沖縄の東の果て、北大東島に上陸し、西の港で太平洋の雄大さを噛み締めた後は、集落方面に向かいました。

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海岸沿い、延々こんな感じ。最果て感と爽快感が頭の中でミックスされて、自転車で走りながら笑い出したくなります。

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島内唯一の学校である、北大東島小中学校。この学校の前には、島内で唯一の信号機と横断歩道があります。交通量だけ鑑みれば必要ないけれど、これは子どもたちへの交通安全教育のためにあえて設置しているのだ、という話を聞きました。微笑ましい。

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空港から宿まで車で連れてきてもらったのに、空港まで時間をかけて自転車でたどり着きました。空港周辺は集落も少ない。

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沖縄最東端の碑。沖縄は最西端の都道府県なので……ニ、ニッチー。ちなみに当時流行っていた「ポケモンGO」を起動すると、空港に1つ、この最東端の碑に1つ、ポケストップを発見しました。島内にはこの2箇所だけだったようです。

ここで捕まえたピカチュウに「うふあがり」と名前をつけました。(アンマー風に)

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意欲的な店名の居酒屋を発見。島内には居酒屋、カラオケスナック、バーが1、2軒あったはずです。あとで覗いてみようかな、などとその時は思ってました。

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おっ。集落を神輿が運ばれてきます。沖縄通の方は、神輿?と思われるかもしれません。そうなんです。北大東島で年に一度、9月に行われる祭り「大東宮祭」は、八丈島の文化と琉球文化が混じり合ったお祭りで、神社が祭りの場となり、神輿も担がれます。

っと、ここで、横で神輿を見ていた兄さんに話しかけられました。公共工事(公共施設の下水道工事だったかな?)で沖縄本島から働きに来ていて半年ちょっと、そろそろ本島に戻るところとのことでした。「あんたも本島から来てたのか〜。奇遇ね。本島戻ったら飲みに行くね?」 いやいや僕をナンパしてどうするのよ。旅情に欠けるのでのらりくらりとかわし、辞去します。

夜は役場の前で恒例らしき花火やレーザーショーが派手に飛び交う一夜だったのですが、写真がありません笑

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観光客でも缶ビールをもらえたので、ありがたく飲んでいるとここでも地元のおじさんらに話しかけられました。人懐っこいのが僕がぼーっしているのか。細かい話は忘れましたが、

「俺たちがここに住んでいるから、政府は広大な領海、漁業区域が手に入るんだ。だから国がこの島に補助金をじゃぶじゃぶ注ぎ込むのは当然なんだ

「与那国村は自衛隊を受け入れて、人口が急増したから市議会の議席が増えたんだと。羨ましい。うちも参考にできないか」

という二つの話がインパクトあって覚えています。党派性! 本島とはまた少し風土が違うのかねぇなどと思いました。

翌朝2日目は、大東宮(大東島の神社)で、奉納相撲が行われます。内地の相撲と、沖縄の相撲がミックスされたようなこれも不思議な祭りで、見入っていましたが、これも写真を紛失してしまいました。以下に住民の方のブログを貼っておきますので興味がある方はぜひ。幼稚園児の相撲がとびきり可愛かったのは覚えています。

あとハッピを着た地元の皆さんの中に、大柄で若い女性の白人が混ざっていて、訝しんでいたのですが、どうやら中学校のALTの教員のようで、ここでの教員生活はさぞ貴重な経験だろうなどと感銘を受けたり。

さて、本来ならこの日は相撲を見て、そのまま北大東島空港から南大東島空港へ移動するはずでした。ところが宿のおじさんから連絡があり、まさかの天候不順により、フライトが1日遅れることに……。

その日は祭りのフィナーレ。地元住民は集会場で奉納演芸を楽しむようでしたが、そこまで踏み込む元気もなく、売店で適当に弁当と、地元で売り出そうとしている「ジャガイモ焼酎」ぽてちゅうを買い込み、宿の部屋で一人晩酌をしながら寝ました。ちなみに割る氷すらなかったのですが、ぽてちゅうは意外に飲みやすかったです。

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北大東島3日目の朝。フライトの時間まで自転車で島をぐるぐる回り、神社や売店を訪問しましたが正直「2連泊するほどの大きさの島じゃないよな」と内心ちょっと思っちゃってました。ともあれ、今度は定刻にフライトが飛び立ち、南大東島空港へ向かいます。……と感傷に浸る暇もなく南大東島に到着。

そうなんです、北大東島ーー南大東島のフライトは、飛行時間わずか6〜7分。日本一短い定期便と言われているのでした。

北大東島に缶詰にされた2泊目の夜は正直「人生で一回くらいは行ってみてもいいかもと思って出かけたけど、マジで一回でいいな」と思っていました。しかし今こうやって振り返ってみると不思議なもので、断崖絶壁と太平洋に囲われ、開拓者の精神が息づくあの島を、もう一回訪問してみたいかもなと思ったりするのです。

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さて、南大東島編に続きます。





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