なたでここち

九州出身、東京在住の30代事務屋系サラリーマンです。沖縄にも住んでいました。ものを書く…

なたでここち

九州出身、東京在住の30代事務屋系サラリーマンです。沖縄にも住んでいました。ものを書くのが好きです。

マガジン

  • 辺境離島探訪

    県外の人にとって、沖縄といえば大人気なのが離島の島々です。宮古島、石垣島、久米島、慶良間諸島……など、輝く海の美しさや自然の豊かさでいえば沖縄本島より評判が良かったりして、それぞれに根強いファンがいます。 しかし沖縄に暮らしている当時、僕が考えたのは「どうせなら、住んでいる今だからこそ行く気になるが、県外からは観光でなかなか行かないような島々を巡ってみよう」ということ。そんな離島旅行の記憶をたどります。

  • 沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活

    沖縄本島中部にあるうるま市石川エリアで暮らした日々の思い出を記録しています。

最近の記事

  • 固定された記事

自己紹介代わりの「はじめに」 ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(1)

沖縄県のうるま市石川をご存知でしょうか。沖縄本島を俯瞰すると真ん中あたり、ほっそりしてぽっきり折れそうな「くびれ」に位置しており、沖縄の「へそ」と呼ばれています。 2005年の市町村合併で具志川市・石川市・勝連町・与那城町の4市町が合併して誕生した「うるま市」の旧石川市を指します。うるま市の人口約125,000人のうち旧石川市には約24,000人が暮らしています(うるま市のサイトより)。 「くびれ」の西側は、海に沈む夕日が絶景で、リゾートホテルが立ち並ぶ恩納村・読谷村。一

    • 星降る島をそぞろ歩き ー辺境離島探訪 波照間島

      沖縄に暮らしている当時、僕が考えたのは「どうせなら、住んでいる今だからこそ行く気になるが、県外からは観光でわざわざ行かないような島々を巡ってみよう」ということ。離島旅行の記憶をたどります。 波照間島のことは、有人島最南端の島で、季節によっては南十字星が見える、ということだけ知っていました。ある夏、職場の同僚の女性から「波照間島は、船便がしょっちゅう⽋航するから勤め⼈が⾏くのは向かないよ。私はニートのうちに⾏ったよ。」と挑発を受け、癪なので(?)⽬指してみることにしました。

      • 沖縄の、政治の季節は終わらない ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(40)

        本日は、プロ野球・宗教と並んで飲み屋の話題3大NGネタの一つ、政治を取り扱います。特定の政党を応援する内容ではなく、あくまで住んでいた人間から見た雑感ですが、苦手な方はご注意ください。 さて政治ネタウォッチャーであれば、沖縄県における選挙の特殊性は、よくご存知かと思います。いわゆる「革新系(左派系)」野党勢力が非常に強いのです。 ヘッダー画像は2017年の衆議院議員総選挙の翌日の、全国紙(朝日、日経)と、地元紙(沖縄タイムス)の一面です。見出しを取り上げると、 日本経済

        • 沖縄の、西の果てに行ってみた ー辺境離島探訪 与那国島

          沖縄に暮らしている当時、僕が考えたのは「どうせなら、住んでいる今だからこそ行く気になるが、県外からは観光でわざわざ行かないような島々を巡ってみよう」ということ。離島旅行の記憶をたどります。 平成が終わり、令和を迎えようとしていた年。沖縄最西端、すなわち日本最西端の地、与那国島に降り立ちました。 離島共通の、こじんまりした空港。特に凝った作りの様子はなし。今回も空港そばでレンタカーを借りての回遊に出発します。 与那国島は横にした米粒のような形の島で、祖納(そない)、久部

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        自己紹介代わりの「はじめに」 ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(1)

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        • 辺境離島探訪
          5本
        • 沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活
          40本

        記事

          沖縄県民 水の呼吸 ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(39)

          沖縄県民と「水」には、独特の感覚と風習があります。今回は鬼滅の刃の再放送を観ていたことによるこじつけで、水に関するウンチクエトセトラをお届けします。 ◆壱ノ型 硬水慣れ これは沖縄に転勤になる際に、前任の先輩に言われました。「水道の水質が違うから、髪質が変わるぞ」と。沖縄の水道水は硬水なんですよね。ぱさつくと言われますが、個人的には短髪だからかガサツだからか、そこまで気になりませんでした。飲料水は水道水を飲まず、買ってましたが……。 あ、そうそう、飲料水といえば、硬水対

          沖縄県民 水の呼吸 ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(39)

          サトウキビと生きる島 ー辺境離島探訪 南大東島

          沖縄に暮らしている当時、僕が考えたのは「どうせなら、住んでいる今だからこそ行く気になるが、県外からは観光でわざわざ行かないような島々を巡ってみよう」ということ。離島旅行の記憶をたどります。 北大東島編から続きます。 北大東島から飛行機で到着したのは、南大東空港。こちらも可愛らしい空港ですが、北大東空港よりちょっと大きいか。 そもそも北大東島(北大東村)と南大東島(南大東村)が、どれほど違うのか、簡単に比較してみましょう。 【北大東村】  ①面積  11.94㎢  (上

          サトウキビと生きる島 ー辺境離島探訪 南大東島

          ど田舎キャバクラで爆笑したこと、胸を痛めたこと ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(38)

          うるま市石川からはるばる遠征するようになった僕ですが、石川で同い年の友人ができました。名をカツヤ(仮名)といい、石川出身で保育系の仕事をしていました。それぞれカウンターでひとりで飲んでいた時に、その居酒屋の店主が「あー、そういや、こいつ同級生のはずよ」と紹介してくれたのがきっかけです。 釣りと酒を飲むのが趣味で、おしゃべり好き。朴訥とした雰囲気で、ヤンキー的なヤンチャ感は皆無。その雰囲気にウマが合い、約束するわけではないけれど、いつもの居酒屋で鉢合わせるときは大概、隣に座っ

          ど田舎キャバクラで爆笑したこと、胸を痛めたこと ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(38)

          沖縄にあり、琉球にあらざる島のお祭り ー辺境離島探訪 北大東島②

          沖縄に暮らしている当時、僕が考えたのは「どうせなら、住んでいる今だからこそ行く気になるが、県外からは観光でわざわざ行かないような島々を巡ってみよう」ということ。離島旅行の記憶をたどります。 前回の記事はこちら。 沖縄の東の果て、北大東島に上陸し、西の港で太平洋の雄大さを噛み締めた後は、集落方面に向かいました。 海岸沿い、延々こんな感じ。最果て感と爽快感が頭の中でミックスされて、自転車で走りながら笑い出したくなります。 島内唯一の学校である、北大東島小中学校。この学校の

          沖縄にあり、琉球にあらざる島のお祭り ー辺境離島探訪 北大東島②

          石川焼肉三銃士を連れてきたよ ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(37)

          うるま市石川にはなぜか焼肉店が多く、牛角や牛繁といったチェーン店以外にも、地元に根付く焼肉店は日々賑わいを見せていました。本日もニッチなところですが、焼肉屋のご紹介です。 なお最初にお断りしておきますが、僕の舌がバカ舌なのか、焼肉店の評価が苦手! よっぽどでない限り、だいたい美味しいと思ってしまう! だから以下の店について味の良し悪しは、自分でお試しあれ。 (1)焼肉 純純店長が元柔道部の気のいいおじさんでした。向かいが旧石川庁舎で、駐車場を気にしなくていいのが気楽。

          石川焼肉三銃士を連れてきたよ ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(37)

          沖縄の、東の果てに行ってみた ー辺境離島探訪 北大東島①

          県外の人にとって、沖縄といえば大人気なのが離島の島々です。宮古島、石垣島、久米島、慶良間諸島……など、輝く海の美しさや自然の豊かさでいえば沖縄本島より評判が良かったりして、それぞれに根強いファンがいます。 しかし沖縄に暮らしている当時、僕が考えたのは「どうせなら、住んでいる今だからこそ行く気になるが、県外からは観光でなかなか行かないような島々を巡ってみよう」ということ。そんな離島旅行の記憶をたどります。 北大東島……って、県外の人は聞いたことありますでしょうか? Goog

          沖縄の、東の果てに行ってみた ー辺境離島探訪 北大東島①

          パンはパンでも今も食べられるパンは……  ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(36)

          沖縄とパン屋さんという組み合わせは、あまり、聞きません。いや、オシャレ系沖縄ローカルマガジンを読むと確かに、宜野湾とか那覇のパン屋さんは結構載っているんですよ。移住組も増えているし、色々なパン屋さんができたり消えたりしているのかなと思います。 ただ、僕の職場にいた、内地出身の女性(パン大好き)は「水が違うからかなぁ、美味しいパン屋さんになかなか巡り合わない」と手厳しかったです。あと笑ってしまったのが「パン屋さんなのに開店時間10時以降がデフォってどゆこと?」というツッコミ。

          パンはパンでも今も食べられるパンは……  ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(36)

          異文化理解のお手本のような優しい眼差し ー沖縄本紹介(1)『内地の歩き方』

          沖縄は地方出版社王国。在住中に書店で面白そうな書籍を見つけては購入し、読み耽っていたこともあり、僕の自宅の書棚には沖縄本がコーナーとして一角を占めています。今日はその中からおすすめをご紹介。 書 名:内地の歩き方 沖縄から県外に行くあなたが知っておきたい23のオキテ 著 者:吉戸 三貴 出版社:ボーダーインク 進学や就職で沖縄県を離れる若者向けに、内地(沖縄以外の都道府県)で暮らす際の注意点をまとめた、いわば内地生活ガイドブック。この企画の着眼点がまず面白い。沖縄の出版社

          異文化理解のお手本のような優しい眼差し ー沖縄本紹介(1)『内地の歩き方』

          春は阪神、ようよう混み合う宜野座 ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(35)

          亜熱帯で冬でも温暖な沖縄は、プロ野球の各球団がシーズン開始前に行う「春季キャンプ」の拠点として多くの市町村が選ばれています。2021年の時点では12球団中9球団(ソフトバンク、西武、オリックスが宮崎のみ)が沖縄県内でシーズン開始に向けて練習に励んだようです。 沖縄観光業にとってプロ野球球団のキャンプは、本来オフシーズンの2月に観光客を呼び込める起爆剤の一つです。僕は元々阪神タイガース贔屓で、2016年から監督に就任した金本知憲監督が好きだったこともあって、2

          春は阪神、ようよう混み合う宜野座 ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(35)

          泡盛復権なんて肩肘張らずにサ ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(34)

          沖縄が誇る県産のお酒といえば、泡盛です。蒸留酒の一種で、原料にタイ米を使用するところ、黒麹菌を用いるところに特徴があり、焼酎とは違った独特の風味があります。 居酒屋のカウンターで一人酒を嗜むようなご年配の沖縄紳士の多くは、お店に泡盛をボトルキープしています。「ボトル」と頼むと、店の人は何も言わなくてもボトルとセットで、グラスと山盛りの氷、割る用の水を運んできます。グラスに氷を満たし、泡盛をちびちびっと注ぎ、好みの濃さにして、楽しむのです。 泡盛の飲み方あれこれ泡盛の水割り

          泡盛復権なんて肩肘張らずにサ ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(34)

          「模合」の精神は今に生きるか ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(33)

          県外の人間が沖縄県民と日常会話していて、割と「?」となるのが「模合(もあい)」という言葉です。本日は模合について。 単なる飲み会にあらず以下、例文から見てみましょう。  例①「先週、高校の同級生たちと模合だったんだけどさ」  例②「模合で貯まったお金で内地に旅行行ってきたんだよね〜」 現代の文脈で解釈するときは「メンバーが固定された月一程度の定期的な飲み会」でだいたい合っています。例①はそれで意味が通じますよね。ただ例②はこれだけだと意味が分からない。模合の本来の意味

          「模合」の精神は今に生きるか ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(33)

          とあるバルとの出会いと別れ ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(32)

          うるま市石川で飲み歩いて半年ちょっと。行きつけは二、三軒あるものの、ご年配の知り合いが圧倒的に多い。これはこれで楽しいけれど、頻繁に出くわす大城さんは飲みすぎて最後だいたい何言ってるかわからなくなるし、ビンゴおじさんはしつこいし。(常連さん図鑑はこの記事参照) あと、ヤンチャ系のお兄さんがたむろっているアングラっぽいバーなんかは「父さん、強い妖気を感じます(©︎鬼太郎)」と、深入りしない方がいいと判断し、敬して遠ざけていた面もあります。これもサラリーマンの浮世の処世術。

          とあるバルとの出会いと別れ ー沖縄の「へそ」うるま市石川のローカル生活(32)