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お酒とキュンキュンと若かった私。

あれは20代の若い頃。
春。
学生時代の友達大人数での飲み会だった。

3時間若者の飲み会は
そりゃいい感じに、程よく
みんな出来上がっていた。

メンバーは男女比3:7くらいだったかな。

その中に私は好きな人がいて。
でも好きな人には好きな人がいて。
片思いしてました。

飲み会が終わるころは終電近い時間だったので
みんなでダッシュ。
好きな彼と私はたまたま2人きり同じ方向。

終電。
めちゃ混み。
意識してなくても混雑で自然と身体が近くなる。
優しい彼は私を囲ってポジションを作ってくれる。

優しくされることに慣れていない私。
ドキドキが止まらない。

私の最寄り駅で彼も降りてくれると。
「送ってくよ。
さすがにこの時間1人で返せない。
それとも二次会行っちゃう??」

無邪気な笑顔で彼は言った。
酔っぱらってたし、冗談だったのかもしれない。

彼が好きだった私は即答で
「行く行く!!二次会!!」
ぐいぐいだった(笑)

深夜0時を回っていた土曜日だったけど、
すんなり二次会のお店に入れた。
2人きり。

学生に戻ったかのようにベラベラしゃべった。
彼の好きな子の話も聞いたし、
私は目の前にいる好きな人の話もした。
もちろん本人に分からないように。

彼と何が何でも付き合いたい!
とは考えていなかった。
好きな人いるの知ってたし、
幸せになってほしいなと思った。
その笑顔が少しだけ近くで見れれば
今は私も幸せだと思った。

あっという間に2時間が経ってた。
「眠くなってきたし、そろそろ帰ろうか」

お店を出てタクシー乗り場前で
「じゃあね」と言ったら
「家まで送るし!!」と怒られた(笑)

「もう少し話したいから歩いて帰らない?」
と言われた。断る理由なんてない。

4月になったばかりで昼間は暖かいけど
深夜は肌寒い。
「ひゃー昼間の服装だから寒いねー」
私が手をすりすりしていると

「手貸して」

手を繋がれた。

「だ、だ、大丈夫だよ!!」

動揺する私。

「風邪ひいたら俺のせいになるでしょ?笑」
また無邪気な顔で言った。

「酔っぱらってる?」

私が聞くと

「そうだね」

と照れていた。

片思いしてる彼と手を繋ぎながら
私の家に向かって歩く。20分くらい。
家の近くになると
「まだ話したりないね」と笑って
近所をぐるぐる何週もした。

とうとう家の前について
「ありがとうね、送ってくれて。帰り大丈夫?」
と私が言うと
「じゃあ、
送ったご褒美ってことで抱きしめてもいい?」
私が答える前に抱きしめられた。

抱きしめられてる最中、
私の頭の中は色んな考えでぐーるぐる。

「これは私のことが好きってこと?」
「酔って好きな人を思い浮かべ中の儀式?」
「家の中で後続をお望み?」
「酔って寂しくなった?」

ぐーるぐる。

でも私は彼が好きだから嬉しかった。

ぎゅーしたあと
「今日は二次会まで楽しかった!
ありがとうね!」
そう言って彼は帰っていった。

その後も何度か2人で飲んだり、
誕生日を祝いっこしたり、買い物したり。
友達以上恋人未満のまま。
もちろん身体の関係もなく、時は経ち半年程。

彼は好きな人と結ばれていました。

私も転職して忙しくなったり、
今の旦那と出会ったりで
彼への特別な感情はなくなっていました。

その彼とは今もたまに連絡取ることがあるのだけど、当時好きだった彼女とあのあと結婚して今は幸せそうです。

いつかあの日のことを聞いてみたいな…。
なんで手つないでくれたの?
なんで抱きしめてくれたの?
って。

もう二度とこない
青春のお酒とキュンキュンでした。

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