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執筆過去記事。新たな発想が必要な士業サービス。顧客満足の視点【法律新聞】

■そのまま転載。

〇いかなる声をも押しつぶして現実は進行し続けるーー弁護士三千人計画

裁判といえば「高い」「長引く」。「弁護士を増やしてくれ」「裁判の簡素化スピード化を」。そういう声は多く、また大きい。

そして司法サービスへの需要は多いのに、その供給が少なく、それが不都合の原因となっているという声は高い。

政府の規制改革会議はこれらの声をそのまま受ける形で、法曹関係者の増大を答申で決定した。

法曹人の大量増員は財界の意向が強く働いているといわれているがこの流れを見る限り、法曹界の現在の秩序は完全に崩れ去る。規制緩和が激震として襲った航空業界やタクシー業界。その前例に思いを致すべきであろう。

〇60期の弁護士の就職難をどうとらえるか?

一方でこの規制緩和が誤りだったのでは?という声も十分な背景をもった説得として、頷かざるをえない。司法修習修了者うち、五月段階で三百五十人以上の人数が就職できなかったという事実は厳然としてある。

もし需要が多いなら、就職できない司法修習終了者いるはずがないという。加えて弁護士事務所の県連単位でアンケートをとってもすべて規模を拡大するほどの需要はないとしている。

なのになぜ年間三千人なのか? これかぜおおくの弁護士の意見である。

〇マーケティング視点を持たねばならぬ時代に!

ところで「需要が多くない」とは、どういう現象を指して言っているのであろうか? もしかしたら甘いのかもしれない。

想像だが「事務所の電話はそれほど多くは鳴らない」という意味ではないだろうか?

そういうことであるなら弁護士は他の業界を見習わなくてはならない。

世間一般の職業を考えてみたい。

「注文電話が鳴らない、需要がない」とは言わない。どこもみな潜在需要を探り、それを消費者が欲しいと思うものにかえて……と、需要がない所から需要を作り出しているのである。車も家電製品もそうである。

「知らなければ欲しいと思わなかったもの」をお知らせ(宣伝PR、マーケティング)することで、需要を作り買わせる。つまり需要は作るは作るものでありそのようにどの業界もやっている(「アメリカの弁護士は事件を作っている」といわれていることを想起)。

まず一歩。同じ資格商売である病院に見習ってみると、病気に関していえば、人々はどこまで健康が悪化すれば医師にかかるべきかの基準を持っている。

そして症状に応じて、どこにいけばいいかも分かっている(病院の経営戦略もまだできてないし、本腰を入れてやっているところはないが、
近くにあることを知ってもらえばなんとかなるところが、まだ幸運である)。

○弁護士の集客の難しさと生き残り戦略

対して弁護士はクライアントにとって、この自覚症状の目盛りによる基準はなく、まただれに頼めばいいのかも明確ではない。

手遅れになってから弁護士事務所に来るケースも多い。立場の悪化は体調の悪化とは違い、法を知らないものにとっては切迫したものと思われない場合が多い。つまり知らせること伝えることが大事となる。たぶん今後はマーケティング力の強弱によって明暗を分ける場面も出てくる。と思われる。今までとは違うと考えてはいかがか?

ならば、要はすべての発想を切り替えることである。

「環境の変化にいち早く対応したもののみが生存を許される…」。ダーウィンの進化論を思い出してほしい。

もしかしたら年間三千人の法曹大増員による激変は「天の声」である。

クライアントが安心し、なおかつ喜ばれるサービスを心がけなればいけないしそういう事務所でないと生き残れない可能性がある。

就職できなかった弁護士でも開き直って事務所を開業したとして、うまくマーケティングをやれば実は多くの集客を見込める。


もはや腹をくくり、一段のサービスの向上と丁寧な接客に踏み切ってはいかがであろうか?

デパートみたいな話だが、この事態は「そう変化しろ」という「天の声」と捉えてサービス改善、経営改革に進むしかないと考えてはいかがか?


〇改善競争の勝者が、新時代の勝者である。



何かの形で社会に還元します。あるいは次回の無料記事に。でも水準保証の返金付きですから安心して、胸躍らせてどうぞ。