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好きと辛いのアベレージ、濃淡の境

『絵を描く』というただそれだけのことに、いつからこんなハードルを課してしまったんだろうか。

仕事で挿絵を描くようになって、前よりクオリティを気にするようになったから?
絵が上手な人が溢れかえっているSNSの世界に身を置いたから?
学生の頃は友達と絵を見せ合うだけで楽しかったのに、いつの間にかその感覚を失ってしまったから?

正直、どこがポイントだったかなんてもう分からない。
授業中、ノートの隅の傑作を仕上げるのに夢中になってたあの頃の気持ちには、もう戻れないのかもしれない。

色塗ってないから手抜きに見えるかな、あの人のらくがきはあんなにかっこよく見えるのに、こんなに時間かけたのにこの程度しか描けない、どうせアップしてもほとんど見てもらえない、

呪いだ。

もっと上手だったら、こんな思いはしないのに。
それもこれも自分の努力が足りないせいなのに。
うまくなりたい、遠い、
苦しい、でも嫌いになれない。嫌いになれないから苦しい。

ペンを持つたび「大丈夫、まだ楽しいって思えてる、まだ絵を描くことが好きだ」って確認しているかのような、そんな気持ちになる。

ねぇ、クリスマスプレゼントに24色のクレヨンをもらって、毎日分厚い画用紙にしがみついて、たくさんのチューリップを描いて母に自慢していたあの頃のわたし、今のわたしが描いた絵はどう見える?

あーあ。好きでいる限り、ずっと苦しいんだろうね。

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