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先制愚形リーチのみは許されるか?

研究代表者 nisi
研究協力者 とつげき東北、みーにん

1.はじめに

先制愚形リーチのみについては、以前にも何回か取り上げました。(例えば、手替わり価値の大小比較(愚形リーチのみ編)点棒状況別、愚形リーチのみシミュレーションなどの記事。)その中で、シミュレーションなどの数値上は攻撃面でダマにするケースはあっても、守備面を重視してダマにするケースはそんなにない、みたいな結論でした。しかし、世間一般的には、愚形リーチのみを打つなんてもってのほか、というご意見が多数あることは承知しております。

今回、先制愚形リーチのみをダマにする理由を考察した結果、ダマにする理由としてありうるかつ、私(nisi)作成のシミュレータでは今日現在実装できてない要素が次の3点ありました。

(1)先制リーチと比べて、追いかけリーチのほうが形がいい(1巡あたりランダム牌ツモアガリ率や、特定牌の放銃率が高い)のではないか?
→現状のシミュレータ設定だと、先制追いかけ両方含めた平均値を用いている。

(2)先制リーチと比べて、追いかけリーチのほうが高打点のことが多いのではないか?
→現状のシミュレータ設定だと、ハン数符数分布は先制追いかけ両方含めた平均値を用いている。

(3)先制リーチにドラがなければ、他家が押し返してきやすく、追いかけリーチ発生率が高いのではないか?
→現状のシミュレータ設定だと、先制リーチのドラ枚数では追いかけリーチ発生率は分けてない。

以上、いずれ3点についても、先制愚形リーチのみ者からすれば、他家の攻撃が脅威となるので、リーチ側に不利になると考えられます。そこで、今回は、この3点について、基礎データとして、牌譜解析でデータを取って、どの要素は無視できないくらいヤバいか、もしくはそこまで気にしなくてもよさそうかを調べてみます。そのあとで、無視しがたい要素についてシミュレータに仮定を加えて、実際に愚形リーチのみのリーチ判断がひっくり返るかのシミュレーションをやってみます。

2.先制or追いかけリーチの牌の危険度とか(牌譜解析結果)

まずは、牌の危険度や1巡あたりツモアガリ率(≒自分ツモ切り時の放銃率)や他家ノーテン者からの1巡あたり放銃率先制・追いかけ別牌譜解析でデータ取りします。

牌譜解析条件(牌の危険度
・あるプレイヤー(自分)の切り順を調査対象とする。
自分以外にリーチ者がいる。(他家リーチ者複数のときはそれぞれのリーチ者に対して、カウントする。)
37種の牌のうち、自分の手牌にある牌についてそれぞれ総回数相手リーチ者のアタリ牌である回数を調べる。(アタリ牌回数÷総回数を牌の危険度とする。)
巡目別、相手リーチが何人目(1人目~3人目)か別、牌の種類別に分類する。

牌譜解析条件(1巡あたりツモ率
リーチ者のツモ番を調査対象とする。
・総回数と、ツモ牌が自分リーチのアタリ牌である回数を調べる。(アタリ牌回数÷総回数を1巡あたりツモ率とする。)
巡目別、自分リーチが何人目(1人目~3人目)か別に分類する。

牌譜解析条件(他家ノーテン者からの放銃率
・あるプレイヤー(自分)の切り順を調査対象とする。
自分以外にリーチ者がいる。(他家リーチ者複数のときはそれぞれのリーチ者に対して、カウントする。)
自分はリーチでなく、聴牌もしてない
・総回数と、切った牌が相手リーチのアタリ牌である回数を調べる。(アタリ牌回数÷総回数を1巡あたりノーテン者からの放銃率とする。)
巡目別、相手リーチが何人目(1人目~3人目)か別に分類する。

これらの牌譜解析結果をまとめたものが下表になります。

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