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私の出会った先達の人生訓

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新聞社で定年を迎えたこともあって、夢を追い、共に生きる社会を願い、先達との邂逅に恵まれた。人生をより豊かにしてくれた先達との出会いを伝えよう。
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#中央アジア

私の出会った先達の人生訓 はじめます

私の出会った先達の人生訓 はじめます

 新型コロナ禍による世界の死者は、2021年6月現在380万人を超え、なお増え続けている。終戦の前の年に生まれた筆者は「戦争」を知らないが、まるで目に見えない敵との「戦争」のように思う。「人生80年」、それ以上の超高齢化社会の日本ゆえ、重症化や死亡率が高く予期せぬ難事となっている。昭和、平成、令和と生きてきたが、これほど命の儚さと、日常の大切さを思い知ったことはない。これまでの生とこれからの生を思

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考古学者で文化人類学者の加藤九祚さん  シベリア抑留を体験、老いて遺跡発掘の生涯

考古学者で文化人類学者の加藤九祚さん シベリア抑留を体験、老いて遺跡発掘の生涯



2002年に受章した「ドストリク」(友好)勲章を胸に正装の加藤九祚さん
(2008年、奥野浩司さん撮影)

■シルクロードの名著、90歳過ぎても現場へ
 90歳を過ぎても、シルクロードの要衝の地、ウズベキスタンで遺跡の発掘調査を続けていた考古学者で文化人類学者の加藤九祚(きゅうぞう)さんが、発掘のため訪れていた南部・テルメズの病院で2016年9月12日に亡くなって5年になる。94歳だった。大半

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白鳳伽藍再興に尽力、薬師寺長老の安田暎胤さん 玄奘三蔵を顕彰、「心の復興」を唱える宗教者

白鳳伽藍再興に尽力、薬師寺長老の安田暎胤さん 玄奘三蔵を顕彰、「心の復興」を唱える宗教者

■写経で白鳳の七堂伽藍再興に尽力 法相宗大本山薬師寺で唯一、創建当時から1300年を超す時を経て現存している国宝の東塔は昨春、全面的な解体大修理事業を終えた。平成21年7月に着手し、令和2年4月に落慶法要を予定していたが、新型コロナウイルス感染拡大により延期されたまま、今年3月から一般公開されている。これより先に、薬師寺は金堂に続き、西塔、講堂、食堂(じきどう)など次々と再興し、創建時の白鳳伽藍が

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