ラマダン中に頂いたアラブのご馳走の数々 2022
5月になり、1ヶ月間続いていたラマダンが終わった。
この間、何度も記事にしてきたラマダン。
ラマダン中、イスラム教徒は、日の出のアザーンから日没のアザーンまで断食を行っていた。
断食が明け、日没後に食べる夜の食事を、アラビア語で「イフタール」という。
これは、アラビア語で「朝食（breakfast）」を意味しているが、ラマダン中の断食（fast）を破る（break）ための食事、というように、英語でその意味を考えると、この夜の食事が「イフタール」と呼ぶのも納得できる。
この時に食べるイフタール料理というものは、断食明けに家族みんなで集まって食べることから、普段より豪華な食事であることが多い。
断食すると痩せそうなイメージがあるが、このイフタールの時にたくさん食べる人が多いので、ラマダン中の食事量は、他の月よりも寧ろ多いとも聞く。
ラマダン中の1ヶ月間、たくさんのヨルダン人、パレスチナ人に、イフタールに招待してもらった。
回数を数えてみると、なんと8回。
およそ3〜4日に一度は、イフタールをご馳走になった。
さらにラマダン最終週にはいろんな人から連絡をもらい、「いつうちのイフタールに来るん？ラマダン終わっちゃうで！」なんて言われたりして、ほぼ毎日いろんな家庭のイフタールに呼んでもらっていた。
本当に有難い。
断食するのはなかなか難しかったけど、ラマダン中、たくさんのイフタール料理をご馳走になったので、今回はそんな豪華で美味し〜いアラブ料理を紹介していく。
① マンサフ
ヨルダンの（唯一の？！）伝統料理であるマンサフ。
お米と羊肉にヨーグルトソースをかけた料理。これがめっちゃ美味しい。
お米とヨーグルトの相性が良いっていうのは、ヨルダンに来て初めて知ったこと。
普段は羊肉を使うのが一般的だけど、断食明けの胃に羊は重たすぎるということで、ラマダン中に作るマンサフは、羊の代わりに鶏肉を使う家庭が多かった。
アラブの男性は伝統的な方法で、スプーンではなく、右手を使って上手に食べている人が多い。
ヨーグルトソースがかかったお米とお肉を掴み、手の平で軽く握ったあと、一口でパクッと食べている様子を見ると、なんか野生的で良いなぁなんて思ったりする。
② マクルーバ（マクルーべ）
マクルーバは、ヨルダンで一般的な家庭料理。
アラビア語で「ひっくり返す」という意味がある。
大きな鍋で完成した後は、名前の通り、ひっくり返してお皿に盛り付けるところから、この名で呼ばれている。
お米、鶏肉、ジャガイモ、ナスの他に、家庭によってはカリフラワー、ニンジン、玉ねぎが入っていたりして少しずつ材料が違っている。
が、どの家庭でいただいてもと〜っても美味しい！
マクルーバは私も数回作ったことがあるが、アラブのお母さんたちが作るマクルーバには敵わない。どうやったらこんなに美味しく作れるんだろう。
私の大好きなアラブ料理の一つ。
③ ケプサ（カプサ）
ネットで調べると「サウジアラビア料理」と出てくるけど、ケプサはヨルダンでも一般的に食べられているアラブ料理の一つ。
こちらも、鶏肉や野菜が入った炊き込みご飯であるが、全体にトマト味がついているところが、マクルーバとの違い。
レーズンとアーモンドの食感も合わさって、すごく美味しかった。
マクルーバも良いけど、ケプサもお気に入りの料理の一つになった。
④ その他のさまざまな料理
その他にも様々な美味しい料理をいただいたので、ここで紹介していく。
最後の写真のマンディーは、イフタールイベントに参加した時にいただいたもの。
レストランで注文したもので、会場にはこのような大皿が何皿も運ばれてきていた。
もちろん美味しかったけど、レストランのアラブ料理は、家庭で作られたアラブのお母さんの味には絶対に敵わない。
家庭料理が一番美味しいっていうのも、密かなアラブの魅力だと思う。
そして、ヨルダン在住で、ヨルダン人の旦那さんがいらっしゃる日本人の方からもイフタールに呼んでいただき、なんと！！日本食を作ってくださった！！
もう嬉しすぎて美味しすぎて、一口ずつ味を噛み締めながらいただいた。
アラブ料理ももちろん美味しいけど、やっぱり母国の味が一番落ち着くな〜
たくさんのご馳走をいただいたラマダンが終わった。
もう日中でも人前で堂々と飲食できることが、この上なく嬉しい。
けど、家族、親戚みんなが集まって、豪華な食卓を囲むというラマダン中のイフタールは、やっぱり特別な時間だったなぁと思う。
そんな大切な時間に私を快く迎え入れてくれ、私を家族の一員のように扱ってくれるアラブ人は、本当に寛大だと思った。
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