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熟成を科学する

今回は熟成についてです。

そうです、厳選した原材料をさらに美味しくする工夫、です。

そもそも、熟成って何?

学術的には、「酵素の作用により分解され、うまみが出ること」

のようですがもう少し説明を加えると、

自己崩壊酵素によってタンパク質がアミノ酸に分解され、このアミノ酸により旨みをが感じることができる、ことです。

所謂、アポトーシスですね。


昔から釣ったばかりの魚はうまくないってよく言いますが、マグロもこの代表格です。
新鮮すぎるとスジがゴリゴリしてて全く味がしません。。

かといって長く置きすぎると酸化がすすんで色が黒ずみ、見た目が悪い。

まぐろは鉄分が多く含まれるお魚なので、鉄のサビ方をイメージするとより分かりやすいと思います。
赤ちゃけて、黒くなるって感じでしょうか。

こんな感じ。

変色


「見た目も美味しく味もおいしく」をつくるためには、酸化をおさえながら熟成させる、という調整が必要です。

というスーパー難題をクリアするために開発したのがこの特殊フィルム。

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一見普通のプラスティック袋に見えますが、高機能素材をいくつか組み合わせて開発しており、酸素による酸化劣化を防ぎながら、マグロ自身のうまみ成分アミノ酸を引き出していくことができます。

この袋を使って包装することで、退色を抑えながら熟成が進み

自主検査の結果では、だいたい製造から5日でアミノ酸が2倍のデータでした。
みなさんのお手元に届くころに食べ頃って感じでしょうか。


社内研修資料ですが発色と熟成過程については、こちらをご覧ください。


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もちろん時間を置けばおいしくなりますが、
無包装状態だともちろん酸素に触れて赤くなり、そして数日後には退色していきます。

さらに言えばスーパーで売っているような裸の柵の状態では色調劣化と並行して腐敗も進みますので、自宅ではなかなか熟成はできません。

うまく熟成できるとまたスジの部分(コラーゲン)の食感がやわらかくなり、あまり気にせずおいしくいただけます。


大手回転すしでもチラホラ出始めた熟成。会社によって熟成指標も時間もまちまちですが、こちらの会社は48時間が目安のようですね。


論ゴリゴリ食感が好きな人には鮮度命ですが、個人的にはどうせ食べるなら美味しい方がいいです。

皆さんも美味しい食べ頃を探してみては?
 ※熟成については十分な衛生管理と注意の下、実施してください。

それでは今回はここら辺で、
食いしん坊バンザイ。

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