03.12
昨日までの旅の疲れがどっとやってきたのか、帰ってきてお風呂に入り、歯磨きをしたら布団へと倒れ込む。目を瞑るとそのままじぶんの意識がどこかへ落ちていく落下感を感じながら、眠りに落ちた。そのまま目が覚めると、朝の5時だった。スマートフォンとBluetoothのイヤホンの充電を忘れていたことに気づき、重たいからだをよっこいしょとベッドから持ち上げる。筋肉痛はきていない。これからやってくるのかも。そんなことを思いながら、暗闇の中を手探りで充電ケーブルへとそれらを接続する。その後はひたすら太陽が昇るまでぼーっと座椅子に腰掛けていた。昨日までのことがあたまのなかで残っている。今がまだ昨日の旅の続きだったらなとか旅の終わりに誰もが感じることを少しだけ願ってみた。でも、そんなことはあるはずもなくいつもの朝がいつものようにやってきた。仕事の支度を済ませて家を出る時、改めていつもの日常が帰ってきたことを実感する。いろんな意味で今やっと帰ってきたんだな。じぶんのこころと重いからだでそう思った。
日替わり定食
"日替わり定食で何がきたら嬉しくなりますか?"そんなことをいつものように外回りを同行していた上司に投げかける。すると上司はいつものように「そうだなぁ。好きなものはパッと思いつかないけど、酢豚とチキン南蛮は苦手だなぁ。」と僕の問いに答えてくれる。ぼくの中で"酢豚"と"チキン南蛮"は嫌いな人がいないと自負してしまっていいぐらい王道中の王道を行く食べ物だと思っていた。でも確かに"酢豚"にパイナップルが入っていると嫌かも。じゃあ、チキン南蛮はどうだろう。全く思い当たる節がでてこないな。
だから、まず"酢豚"から聞いてみる。「酢豚のどこが嫌なんでしょうか?パイナップルとかですか?」「酸っぱいのがね、ダメなんだ。」確かに酢豚は名前にある通りたくさん"お酢が使われているから、酸味が強く感じてしまうこともあるかもしれない。また、酢豚の持ち味である酸味も強いところもあればちょうどいい塩梅のところもあって、まったく味は違って感じられる。だから、ぼくも一概に好きとはいえないかもなと上司の"嫌いな理由"を知って、ひとり考えた。
次は、チキン南蛮だ。これは、正直嫌いになる理由を思いつくのが難しい。とりあえず聞いてみる。「じゃあチキン南蛮は、油でべったりしてるところとかでしょうか?」「一理あるけど、甘いタレがたっぷりかかってるチキン南蛮あるじゃん?タルタルだけならいけるんだけど、あの甘いタレがかかってるとダメなんだよね。」考えもつかなかった。確かに甘いタレがべっとりまとわりついてるチキン南蛮ってある!ぼくの中で思いついたのは、マックスバリュの"チキン南蛮"だった。マックスバリュを例に挙げてみると、そうそれ!との答え。間違いない、スーパーとかで売られているチキン南蛮に対して少しだけ抵抗を感じて食べることはあるかも。いや、あるな。そんなことを考えていたら上司が一言。「九州にいたときに食べた本場のチキン南蛮ってさ、甘いタレとかかかってなくてタルタルだけが乗っててさ。すごい美味しかったんだよね。それ以来、甘いタレがかかってるチキン南蛮がでてきたら食べれなくなっちゃってさ。」そうなんだ。やっぱり本場の味は一味も二味も違うんだ。本場の"チキン南蛮"の味をぼくはまったく知らない。おそらくぼくも本場の味を噛み締めたら、戻れなくなっちゃうんだろうか。でもこれから長い人生知らずに死ぬよりかはせめて知って死にたい。そして人生最後の一言で、「本場の"チキン南蛮"の味を知ってるか?」とかかっこいいことを言って死にたい。
人それぞれ好き嫌いはあることをまじまじと知った。それは、世間一般に通じる嫌いな理由であったりだとか、その人独自の嫌いな理由であったりと色々だ。でもぼくは世間一般の嫌いな理由で固めていくより、じぶんで経験して導き出した"嫌いな理由"を持っている方がとてもかっこよく思える。なにより、それを嫌いになった過程がはっきりしているからとても納得しやすい。だから、ぼくも好きな理由、嫌いな理由をしっかり持っていよう。そう思った。
いまパッと出てきた自分が持っている嫌いな理由をコトバにしてみた。そうそう、嫌いになる理由なんて人それぞれだしこんなんでいいんだよ。と一人納得する。
あなたには嫌いなものがありますか??
一泊二日の鎌倉旅行に関しては、ゆっくりゆっくりまとめていっているところです。というのも紀行文を書いてみるのが初めてなので手探り手探りで"コトバ"に起こしてみようと思います。
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