03.10
旅の朝。今日からは"楽しむこと"以外の感情は家に置いて、小さな旅に出かける。
旅のはじまりに思うこと
朝5時。最寄り駅に向かう道中で、行き交う車、回送中のバス、人をみてこんな時間からもうすでに一日がはじまっている人がいることに改めて驚く。いつもとちがう非日常をまじまじと見つめ、まるで異世界に迷い込んだみたいだな。そんなことをぼーっと起きたてのあたまで考える。
最寄り駅に到着。新幹線の乗車券をはじめてICカード経由で購入したから、無事改札を抜けることができるか心配だったけれど、そんな心配は無用というようになんなく改札を抜け、新幹線に乗り込む。席につき、昨日充電を忘れてしまっていたスマートフォンをいそいそと充電しはじめる。そしてひと段落がついたら、眠りにつこうと試みる。けれど、まったく眠りにつくことができない。というのも、ワクワクが止まらないからだ。これからはじまる一泊二日でじふんがどんな景色を見て、どんなことを思うのか。一緒に行く友人と旅先で交わす何気ない会話は一体どんなことなんだろうか?何を話そう?そういったこれからの"旅のはじまり"の楽しみについて思うのと同時に、"旅のおわり"に感じるさみしさについても思いめぐらせていた。きっと楽しい時間っていうのはすぐに終わってしまうだろうから、この一泊二日という時間は一瞬なんだろうな。この"旅のおわり"にぼくはどんなことを考えているんだろう。
そんなことを考えていた。
こればっかりはだれにもわからない。もちろん友人に聞いてもわからない。自分が見たこと、感じたことを丁寧に拾いあげるような一泊二日にしたい。そうすれば、小さなことでも何気ないこれからの毎日に活かしていくことができるんじゃないか?そう思った。
"旅のはじまり"に"旅のおわり"について考える。旅のおわりにいるぼくはいまよりも全然違ってみえるんだろうか。どうなんだろうな。それも、この旅を終えてみないとわからない。
考えることにだって限界がある。
目的地に着いたら考えることをやめて、目の前の景色をみて思ったことを書き留めよう。一旦ぼくの"ちっぽけな"あたまで考えるのは置いといて、"大きな"この世界を楽しんでみよう。
そんなことをひとり思っていたら、京都に着いたみたいだ。次の名古屋で友人が乗り合わせてくるまでまだ時間はある。スマホを置き、読書のために開きかけた本をそっと閉じて新幹線の窓から流れる外の景色をせっかくなので眺めてみることにした。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?