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ビギナーズラックの必然性

伸びる人の本質ってなんだろう?

私は小学校から国立の進学校であり、新卒ではじげんというベンチャー入り、その後会社を2回起業していることになるので、それこそ幼少期のころから常に「成長している人」や、「成長意欲の高い人」を見てきていることになるわけだが、そういった人たちの共通項の言語化ができずにモヤモヤしていた。

もちろん「すべからく努力している」とか「言われたことを素直にやることができる」とかそれなりの答えはあるけれども、「努力している」や「言われたことを素直にやる」は行動なのでその行動原理(=本質)が知りたい。

伸び悩んだ小中学校期

先にも書いた通り、私の小学校は学芸大付属世田谷小学校という国立の小学校で世間的どころか全国的にも頭の良い子達が通う学校であり、当然ながら、周りからもそういった目で見られるため、「賢いね」と「優秀だね」の2点は幼少期から数え切れないほど言われてきた。そうなると小学生の単純な私はすぐに「自分は優秀な人間でトップ層」だと思い込むようになった。

事実、小学校低学年時点ではそうだったのかもしれないが、この思い込みは長く続くことになる。

ほころびが出始めたのは中学校に入ってからくらいだった。

一貫校のため、中学でも「自分は優秀な人間でトップ層」だと私は思い込んでいるわけだが、この頃になると高校入試を意識して皆塾に通うにようなる。塾でのクラス分けも中学校が国立だと入塾テストをパスして上位クラスに入れたりしたので、この思い込み消えることがなかった。塾では当然公立の子たちとも一緒の教室になるわけだが、彼ら彼女らは自分たちが何者でも無いことを心から認識しており、日々の小テストや宿題を真面目にこなしていた。わからない問題は休み時間に先生に質問していた。
一方、自分は関係のない高校の教科書を読んだりしていて次第に抜かれていくことになり最終的にはクラスを落とされてしまった。最後の最後まで目の前の結果を積み上げるというシンプルなことができなかった。おそらくやればできたはずであることをやらなかったので自滅とも言えるだろう。

それなりに伸びた社会人時代

私は運良く株式会社じげんという会社に選んでいただき、新卒で入社することができた。当時倍率はうん百倍で、東大生などが何十人と落とされていたとても入るのが難しい難関企業であった。同期入社も9人だったが皆優秀で学歴も高く難関企業にいくつも内定をもっているような雑にいうと「優秀」なメンバーばかりであった。

内定者時点で、直感的に自分が特別な存在ではないし、できる側の人間でないことを実感した。なんとか負けないようについていこうという意識が芽生えこれが負けない努力に繋がった。目の前の仕事を早く多くを終わらせるということに集中し、シンプルに目の前の仕事で結果を出す努力した。というかそれ以外にできることもなく、自分ができることを精一杯頑張った。

結果として2年目あたりでは表彰などもされ高い評価を得ることができるようになっていたが、評価というのは相対的なものである。

私が追いつき追い越していった人たちを見ると、資格の勉強をしたり、副業をしたり、コーチングを受けたりと自滅の道を歩んでいたように思える。目の前の仕事に全力を出すというシンプルなことができなかったのだ。負けの99%は自滅である。

見る側になって感じたこと

現在私は、採用〜育成〜マネージメントといった観点で10人以上のエンジニア組織を日々見ていおり、弊社には「実務経験の無いエンジニア(未経験)」と「実務経験の有るエンジニア(経験者)」が在籍している。そこでは未経験者が経験者を数年で追い抜いていくという事例を数多く見ている。

未経験者は目の前の仕事を早く多くを終わらせるということに集中し、シンプルに目の前の仕事で結果を出す努力しているのだ。

できる側の人間でないことを認識し、目の前の仕事を早く多くを終わらせるということに集中し、ブレないことが勝ちに繋がってくのである。

ビギナーズラックの必然性

勝負や賭け事の世界では、初心者が強敵に勝ってしまったり、大金を稼いでしまったりすることがある。いわゆる「ビギナーズラック」や「番狂わせ」である。

「ビギナーズラック」や「番狂わせ」決して偶然ではない。起こるべくして起こっているのである。

"難しく考えない"ことに「ビギナーズラック」や「番狂わせ」の必然性がある。ここまで「シンプル」という単語を意図的に多用してきたが、人は、ものごとがわかってくるとだんだんと難しく考えるようになる。シンプルなことが結果的に「勝ち」につながっていくと思っている。勝負や仕事の世界でもシンプルイズベストということが言えるのだ。

難しいことや複雑なことに取り組んでいると自分が賢いことや価値の高いことをやっているかのような錯覚に陥ってしまう。だが、その道のプロは皆、傍から見ると実にシンプルな処置で物事を解決していく。


「シンプルであるか?」が、伸びる人の本質だと言える。





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