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映画・ドラマ感想

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感情が大きく動いた作品しか感想書いていないので、そのときの心情が強く出てる気がする
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#映画

愛おしい日常と愛おしい人間〜映画「窓辺にて」感想〜

愛おしい日常と愛おしい人間〜映画「窓辺にて」感想〜

映画好きを名乗るには、答えられなきゃいけない気がする質問、「好きな映画監督は?」今ならパッと、今泉力哉と答えられることが嬉しい。

今泉力哉作品の中では、大それた出来事は起こらない。むしろ、その何気なさやなんてことのない会話や実人生の日常の延長線のよう。だからこそ、映画と現実との境目が曖昧になるくらい、映画の中の出来事が自分の人生の経験として数えたくなるほど、愛おしく、大切に思える。

今回の「窓

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この欲は異常ですか?〜「正欲」感想〜

この欲は異常ですか?〜「正欲」感想〜

観てから1週間以上経つのに、うまく感想を言語化できなくて、一度書いた記事を全部白紙して書き直した。それくらい、他人事とは思えない内容で、色々感情が派生して、とっ散らかりそうなので、出来るだけ作品の内容から離れないように努めようと思う。

結論から映画の評価を言うと、生涯ベスト級に入るくらい、自分にとっては特別な作品となったんだけど、原作を読んでない人からすれば分かりづらい部分もあるかもと思ったので

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最近観た映画〜「バービー」「ほつれる」「逆転のトライアングル」

最近、予定のない休日は自堕落に過ごしてしまって自己嫌悪に陥るというパターンが多く、むしろ仕事をしている日の方がちゃんと人間らしい営みをしていて自己肯定感が上がるという、そんな日々を過ごしている。

ちなみに今日唯一有意義に使えたと思える時間はコメダで2時間読書をしたことであり、何も買わずにイオンモールをぶらぶらした1時間、マッチングアプリを眺め続けた2時間、YouTubeをダラダラ観した4時間は何

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すり傷作ってこそ人生〜「哀れなるものたち」感想〜

すり傷作ってこそ人生〜「哀れなるものたち」感想〜

エマ・ストーンが結構好き。
「ラ・ラ・ランド」とか「アメイジング・スパイダーマン」とかでわりと日本人にも名の知られたスターになったイメージだけど、僕は「ヘルプ〜心がつなぐストーリー〜」で初めて観た時からいい女優だなーと思っていた(と古参アピールをしてみる)。

「女王陛下のお気に入り」では、さっぱりと明るい快活なイメージを覆すような、したたかで腹黒い役を演じていて、すごく印象的だった。今回の「哀れ

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平和な日常への絶望と甘え〜「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章」感想〜

平和な日常への絶望と甘え〜「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章」感想〜

些細な日常の出来事を面白おかしく描いた作品が好き。自分事として共感しやすいし、日常での密かなイライラや絶望も、こうすれば一種のエンタメかも、という視点をくれる作品たちは、生きる糧となる。

一方で、そういった「日常系」と呼ばれる作品たちに宿る欺瞞もあるなあと思っている。多くの作品では、彼らの日常を揺るがす事件は起きない。変わらない日常を、同じ面子で永遠と繰り返していて、これは実はとんでもなくフィク

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