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介護人材の離職超過がひとまず解消。ただ、介護人材は本当に増えた方が良いの?

今回はこの記事を見ていきます。

【記事の概要】

・厚生労働省が2023年の「雇用動向調査」の結果を発表。

・調査によると、昨年の介護・福祉分野の入職超過率は2.4%となり、前年の-1.6%から改善し、2年ぶりにプラスへ戻ったことがわかった。

・介護・福祉分野をめぐっては、昨年に公表された2022年の「雇用動向調査」の結果により、事業所・施設からの人材流出が進んでいる実態が浮き彫りになった。


・今回の最新の調査結果は、さしあたり昨年に限っては「離職超過」の状況が解消されたことを意味する。


・医療分野も含めた「医療・福祉」の入職超過率は1.4%。

他産業で賃上げが進むなか、個々の分野の枠を超えた人材確保の競争が一段と激しくなっている。

介護人材の離職超過、ひとまず解消 昨年は2.4%の入職超過=厚労省最新調査

【人は増えたが、居着くのか?】



この「雇用動向調査」をもう少し細かく見ていくと、


・入職者数(1,266,500人)が離職者数(1,157,100人)を上回る

・差数(109,400人)が「介護人材不足分」を補うと見た場合、2025年に約31万人の人材不足が予想される状況にも、わずかに光明が見える結果。

・ただし男女とも「一般」よりも「パート」が多い。

・「転職入職者が前職を辞めた理由」を見ていくと男女とも「その他の個人的な理由」が最も多く、「職場の人間関係が好ましくなかった」や「労働時間、休日等の労働条件が悪かった」といった具体的な理由が挙げられている。


といった状況から、「人は増えたが定着するかは未知数」と予想できます。


これは「その他の個人的な理由」をどのように読み解くかによりますが、


若い世代で介護士を志す人材は減少している

介護事業者の約4分の1に中核人材がいない


ことから、「介護をしたくて仕事を選んだ」とは言い難い状況の中で、個々の理由に合う『条件』によって選ばれたと見るのが妥当です👨🏻‍🏫



また「一般」よりも「パート」での入職が多いことからも、ここから中核人材が増えることは望みにくく、


「今は介護の仕事をするが、良い条件の仕事があればそちらを選ぶ🧑🏻👩🏻」


といった労働者の本音も垣間見れます。


「介護の仕事をしたい」と思わせる『動機』によって選ばれたのではないのなら、『条件』が変われば再び人材は流出する、という話です😓


そして賃金を含む介護の労働環境を改善しようとするほど、その原資となる『税金』が掛かり、利用者負担や介護職自身の納税額も増えることから


介護職の賃上げは貧しさを生む


と、何度もお話ししているのです😔



『条件』によって介護の仕事が選ばれるうちは「国民全員を貧しくする方向」へ進むこととなり、貧しいからまた賃上げを望む、という『貧しさループ』に嵌ることになります😰

そして貧しさを実感するようになれば介護人材は再び良い『条件』を求めて他産業へ流出し、社会保障が十分機能しなくなり


「老老介護」
「介護離職(≒ビジネスケアラー)」
「ヤングケアラー」


などの問題を深刻化させていきます。


介護が税金を原資とする「制度ビジネス」である以上この流れには逆らえず、


労働者に『条件』で選ばれているうちは介護は機能しない


と言えます。

【介護人材はむしろ減らした方が良い。ただし…】



こうした背景から、極端な話

介護人材はむしろ減らした方が良い

とも言えますが、もちろん現状いきなり介護人材を減らせば死活問題となります😱


少なくとも介護ロボット等テクノロジーが『介助』の一部を確実に担える環境が整ってからの話であり、2024年現在はその過渡期にあるため、今は応急処置的に介護人材を増やす必要があります。

その点で「パート」介護職が増えているのは、短期的に見れば良い傾向とも言えます。



と言うのも、日本の人口動態を見れば、これから日本人は減り続けることとなり、「『介助』を人に任せる」余裕は年々なくなっていくことが予想されます。



これからの介護においてヒトは『介護』に専念しなくてはならず、いつまでも『介助』を人頼りにしていては利用者に必要な介護サービスを提供できなくなってしまいます🥲


このことは「介護と介助の違い」を言葉の定義から見直すことで見えてきます🔍

[人口層から見る、若い世代の介護士への配慮]



加えて、現在介護人材を必要とするのは、人口層の厚い『団塊の世代』が2025年に75歳以上の後期高齢者となり、介護ニーズが顕著に高まることが予想されているからです。

しかしその層と『団塊ジュニア世代』が要介護状態から天寿を全うされるまでの期間を25〜30年と想定した場合、現在20代で介護職として働く若者が中年層になったタイミングで「社会全体で介護人材が不要」になる可能性が高くなります😨


働き盛りで収入を多く必要とする40代半ばに職を失ってしまった場合、そこから新たに手に職をつけて十分な収入を得られる人は稀でしょうから、多くの若い介護人材が行き場を失い、路頭に迷う未来が懸念されるのです😭


そうした懸念点を改善しないまま、介護人材を無遠慮・無差別に増やし続けることは「人のしあわせ、ゆたかさ」に連なるのでしょうか?

若い世代が「介護の仕事」を選びたいと思うのでしょうか?



将来的に職を失っても、それまでに副業等で「働く力」を養えていればまだ良いのですが、帰属意識低下からの離職、夜間帯の副業による介護事故などを恐れ、頑として「副業禁止」を打ち出す施設もあります。


しかし、この問題の本質は


「職員に『ここで働きたい』と思わせていない施設の課題」

「職員の倫理観」


が合わさって生まれるところにあり、「ヒトの精神性」の問題です。


仕事や職場に『愛着』を持てなければ人の心は離れていきますし、そもそも『条件』から入職した人にはそうした愛着や精神性がかえって「働きづらさ」にもなるでしょう。


だからこそ


人がどれだけ人を愛せるか


という「ヒトの精神性」が介護のあらゆる問題の『根源』であり、ここを疎かにしてどれだけ『表面・建前・偽物』を取り繕おうとしてもボロが出て立ち行かなくなってしまうのです。


そして介護とは「介け護る(たすけまもる)」=『権利擁護』のことですから、


人を愛せていない人が利用者の人権を守るためにどれだけ頑張れるのか


を考えれば、『条件』を理由に介護人材を増やすことが長期的に見て成立しないことが見えてくるでしょう。


それだけに「人を愛せる人」が介護職になり、そうでもない人はより良い『条件』を求めて他産業に移り、しっかり稼いで税金を納めて『介護の原資』を厚くしてもらう方が個人・社会の双方が「しあわせ、ゆたか」になるでしょう☺️

【まとめ】愛情がヒトを救う



今回は「介護人材、離職超過のひとまずの解消」について見ていきました。


ここまで、

「2024年現在では介護人材を潤わせた方が良いが、今後の日本の流れを見た場合、介護人材はより『本質・本音・本物』に沿って「人を愛せる人」が担う方が良い」

と言う話をしてきました😊


人口が減り続ける日本の国力を維持するためには「国民一人ひとりのパフォーマンスを最適化する」必要性が出てきて


「やりたくないけど、他に働ける場所もないから居着く🙁」

「介護業界なら仕事はあるし、少なくても給料も安定しているからオイシイ🥴」


という『表面・建前・偽物』では、より最適化された介護ロボット等テクノロジーに太刀打ちできなくなり、淘汰されます。


もはや『本質・本音・本物』しか生き残れない時代に移り変わっているのです。

[職場の『派閥』は『推し』が救う]



例えば転職入職者の転職理由に「職場の人間関係が好ましくなかった」がありますが、職場の人間関係を作っているのは上に挙げたような居残り組が作り出す『派閥』であり、その派閥は生き残りを掛けて排他的にならざるを得ないところが大きいと考えられます。

しかし、あまりにも排他的に偏ると一人、また一人と人がいなくなり、自分たちの仕事が苦しくなって『居着く理由』を失い、居残り組すら淘汰されていくことになります🫥


これを避けるためには『派閥』であっても異端を受け入れる必要があり、多くの介護現場においてその「異端」とは『推し』の役目を負う人となります😶

[副業・パラレルキャリアが介護職を救う]



2019年5月にトヨタ社長が「終身雇用守るの難しい」という旨の発信をしてから早5年が過ぎました。

この時点で「終身雇用を元に人生設計する」ことが現実的に難しくなっていることが明らかであり、介護職もまた「同じ職場で退職まで働き続けられる」と考えるのは楽観的と言えます😓



であれば、介護職もまた「自分で稼ぐ力」を身につける必要がありますが、先にお話ししたように


・副業禁止の施設が未だにある
・通常業務の時点で体力・気力を使い果たし、副業までエネルギーを割けない
・副業に使える能力が介護業務では伸ばしにくい


といった問題から、微々たる効果しか望めない『給料改善』よりも働きやすさを生む『処遇改善』に費用を注ぐ方が長期的に見て費用対効果が高い、と言えます👨🏻‍🏫



もし副業が禁止されている場合でも、「職場以外のコミュニティ」に参加して自分の居場所、役割を増やす『パラレルキャリア』が有効です😊


そのコミュニティで「自分のやりたいこと」で周りを助けるように動き、お互いがお互いを必要とする仲になることで


「自分にはこんな力があったのか😮」


と感じられるようになり、自己肯定感が高まることで本業への意識やこれまで諦めてきたことへの意欲も湧いてきます✨

[愛情がヒトを救う]



このように「人が人と真摯に向き合う」ことで『感情』の交流が起こり、お互いの精神を育んでいきます😊


その交流が上手くいかないうちは、まだ自分の『常識(観念)』を見て「相手を見ていない状態」ですから、まずは


分析→検証→実践


を通して自分と向き合うところから始めましょう。



『感情』の交流が盛んになると、自然に『愛情』が芽生えるようになります🥰

そしてその愛情が「この人を守りたい」という動機を生み出し、その動機が人を『介護』へ駆り立てるのです。


やがてその『愛情』に転機が訪れるのだとしても。



「分析→検証→実践」を通じて『抽象』(目に見えない領域)に意識が向くようになった介護職は、肉体的な死と精神的な死の違いが理解できるようになります。


愛情を育んだ者同士にはそれまでの日々で培ってきた『想い』があり、肉体的な死をもってその想いは『思い出』へと変わります。

その思い出は、自分がそうと意識しなくとも、自分の一挙手一投足に『愛情』としてあふれ出て、自分の姿を見た人の心を震わせるようになります。


自分の姿を見るその中から


「私もあなたのようになりたい」


という人が後輩となって、あなたの『想い』を紡ぐよう介護に勤しむようになるのです。

[いつまで日本の介護はヒトを見ず、コトばかりを見るつもりか]



ですから、「人がどれだけ人を愛せるか」が介護の根本問題であり。


ヒトと向き合わずに、必要とされる介護サービス(コト)ばかり議論する今の介護ではいつまで経っても介護の問題は解決しないばかりか、介護に携わる人々が利己的になる一方で、事件・事故を生み続けるのです😭



2024年の今はもう、『本質・本音・本物』の時代です。


介護業界・介護施設・介護職員が利用者を愛せているかどうかは昨今の『感染症対策』の一点をとっても一目瞭然です😢



これだけのことが現実に起きていて尚、これまで通りの感染症対策を続けるのであれば、それは『表面・建前・偽物』の中で介護を考えているのと同じであって。

その発想が介護問題を何ら解決していないことは、現実を見れば明らかです。


だのになぜ、いまだに『正しさ』ばかりを追い求めて守るべき人を傷つけるのか。

いつまで日本の介護はヒトを見ずに、コトばかりを追うつもりなのか。


そうして『本質・本音・本物』から目を逸らしているうちに「介護をしたい若者」が減り、「介護が人の生命を守れていない現実」が広く知れ渡るようになれば、いよいよ担い手はいなくなり、日本の介護は崩壊するでしょう😱



先日「一般社団法人 日本看護倫理学会」から、今秋の定期接種から導入されると言われているレプリコンワクチンについての『緊急声明が発表されました。


本気で利用者の生命を「介け護る」意思のある方は、一読することを強くお勧めします。


この他にも介護ブログや読書ブログを運営しています。

今回の記事に共感してもらえたり、興味を持ってもらえたなら、ぜひご覧ください☺️


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