台湾料理を習いに行っただけのはずが
台湾には日本人の口に合う食べ物が沢山あり、円安ではあるものの、その多くがお財布にやさしい価格で楽しむことができる。
気軽に楽しめる台湾グルメだが、実際作るとなるとどんな食材や調味料が必要で、どのくらい時間がかかるものなのだろう…。
そんな単純な好奇心から、インスタで見つけた台湾家庭料理体験のできる教室へ行ってみる事にした。
台北のおしゃれなスタジオで、日本に長く住まわれた経験のある台湾人の先生が流暢な日本語で台湾の食文化を教えてくれた。
グループレッスンが基本なのだが、台湾に日本人の友人がおらず一人で申し込んだことと、同じ日に他の参加者がいなかったためプライベートレッスンになった。
初対面の人とうまく会話できるだろうか、疲れてしまわないだろうかなど、当日までとても不安だったし(プライベートレッスンだと割高だし笑)、キャンセルしようか迷っていたのだけれど、1対1だったことで先生ご自身のお話を色々と窺うことができた。
ご家族や日本とのご縁やこれまでどんなお仕事をご経験をされてきたのか、また台北で旅行客、特に日本人をターゲットに教室を開くことになった経緯などとても興味深いお話ばかり―――
これまでやりたいと思ったことはすぐに行動に移してきたそうで、現在も新しいPJの準備をしているとのこと。
台湾でも日本でも、まだまだやりたいことが沢山あるのだと教えてくださっった。
それらの全てが不思議に繋がっていて、これまでもこの先も螺旋階段のように少しずつ上へ上へと昇って行く印象を受けた。
「やりたいと思ったことは思った時にやった方がいいよ。
後でようやくやろうと思った時には環境や家族の状況が変わっていてやりたくてもできなくなっているものだから。」
絶えず次の足を前へ前へと進めている人を目の前にすると、その発光に目がくらんで動けなくなる。
こうありたいと羨望する姿と現実の自分とのギャップを思い知るからだ。
私にもやってみたいこと、経験してみたいことは沢山あるのだけれど、ここへ来てその火がだんだんと「とろ火」になってきているような感覚がある。
台湾での生活が「日常」になってきたからなのか、
海外生活という一つのやりたい事をクリアしたからなのか、
それとも精神の老いなのか…いやいや、それだけは認めるわけにはいかない。
台湾へ来て、一年弱。
赴任期間は有限だ。
アイドリング期間はとっくに終わってるはずで、これからは帰任するまでのこと、その先のこと、もっと言うとこの先の人生の向かうべき方向を考えながら日々を過ごしたい。
なんならそのために、何か行動に移したい。
さて、次の一手をどうしたものか…。
” Connecting the dots ”は、スティーブ・ジョブズの伝説のスピーチであまりにも有名な言葉だ。
若い頃は、このくらいの年齢になれば、これまでの点が繋がって人生の道筋見えているはずだと思っていた。
選択範囲が良い意味で絞られて迷うことも少なく、ライフワークも明確になっているだろうと思っていた。
もちろん、振り返ればこれまでの軌跡に因果関係はちゃんとあって、線にはなってはいる。
でもあの頃想像したものとはかけ離れているのだ。
やり直しが難しい年齢になってきたからか、点を打つときの潔さが徐々に失われているような気がして、もうそんなところまで来てしまったのかと怖くなってしまう。
でも、初対面の先生の話を聞いて、私よりさらに年齢を重ねた方が、まだまだ思い切って点を打ち続けているのを見て、
「私よ、とろ火になるには早すぎやしないかい?」
と、ここらで褌を締め直さねばと思った。
恐らく、もう二度と交わらないだろう出会いだと思う。
だって、その場限りの体験レッスンに参加しただけだから(笑)。
けれど食文化と同時に、(またしても)普段では交わらない人の人生に触れることができてハッとさせられた。
色々な人に会って、交流して、心が動かされると、違う視点や気付きを得られ、それが学びとなる。
内向的な自分に多少鞭を打って、人との交流を持つように努めていることの効果が少し出て来たのかな。
これからのどの点が、過去のどの点を繋がるか分からない。
怖いけど、不安だけど、まだまだ前方に点を打って行かなければ!
1年目が終わる頃には次の行動(点)が打てるように日々考えて過ごしたいと思う。
最後までお読みいただきありがとうございます。 また是非遊びにいらしてくださいね! 素敵な一日を・・・