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UI/UXデザインブームは終わりに近づいている【海外記事メモ】

本日はこの記事を取り上げたいと思います。

先日も似た内容の記事を取り上げたのですが、今回は別の筆者の主張を見てみたいと思います。今回はちょっと筆者のエッセイ的な内容になっています。
こういった記事が同時期に投稿されているのを見ると、どうも従来のUI/UXデザイナーという仕事も過渡期に来ているのかもしれません。

本日もよろしくお願いいたします。


UI/UXデザイナーが人気の時代は終わりに近づいている?

私がグラフィックデザイナーとして働いていた2年前、あるUI/UXデザイナーが私に「もっと稼ぎたいならUI/UXデザイナーになりなよ」と教えてくれました。

私は断りました。私は単にお金が目的で働いているわけではなかったからです。
4年間の経験豊富な経営幹部/マネージャー補佐からグラフィックデザイナーへのキャリアチェンジという大きな決断が、私にそう言い聞かせてきました。

その時、私はUI/UXデザインというものが流行のキャリアであるということを知りませんでした。
私はベトナムでは高給なアシスタントの仕事に満足できず、別のキャリアを歩んでみたいと数年考えた末に現在の職にたどり着いたため、大した考えもなく流行の仕事に飛びつくような人のことを理解できずにいました。

しかし私は自分自身のブログを作るときや、フリーランスの仕事でのクライアントからランディングページのデザインを依頼された際や、Webやモバイルのグラフィックデザインと一緒にUXテストやそこからのフィードバック、解決策の提案などをUNIQLOのクライアントへを行わせてもらえるチャンスを得たとき、そして繰り返し彼らのアプリのリリースに携わらせてもらった経験などからUXデザイナーとしてのキャリアも考えるようになりました。
これらの仕事は私にUXの領域の気付きを得るきっかけとなりました。

UXキャリアのブームは低レベルな無資格者によって終わらされた

私はWesley HongというUXデザインの終わりを吹聴するYoutuberのビデオを見ていました。彼はアメリカのベテランのUXデザイナーでしたが、特にUXの領域においては非常に現実主義的な視点を持ち合わせていました。
彼は「100%仕事がもらえる!」と謳い、短期間でUXデザイナーになれるという低品質なワークショップに人々が多くのお金を費やしている現状へ苦言を呈してしており、概ね私もその主張には同意しています。

UXの流行は、多くの人が仕事を奪われた上に収入もなく家に隔離され、将来やキャリアについて明るい未来を描けなくなっていたコロナ禍において爆発的に広がりました。
そのとき、デザイナーや技術者のような人々が自宅から大量の魅惑的な動画をYouTubeやTiktok、Instagramへ投稿していました。
正直に言えば、私もそれらを見て憧れを抱きました。

そのころから、多くのオンラインワークショップが次々に現れ、世間を魅了するような素晴らしい宣伝をもとに持ち上げられ始めました。
もちろん、中にはハイクオリティなプログラムもあったのですが、早くお金を稼ぐために、どんどん簡易的で低クオリティなコースも増えていきました。
結果、数カ月後に何百何千という生徒が卒業し、初級レベルのUXの転職先を探し始めました。あの時代においてはスムーズに理想とする転職先を見つけることができました。
しかし、現在の状況を考えてみてください。何千ものワークショップ受講者がテック企業のレイオフにあい、多くの人がかつてのようにこのキャリアに入り込むことが簡単ではないということに気づきました。

私は多くのUI/UXのFacebookコミュニティーに入り、毎日初心者デザイナーのメンバーらが未経験歓迎の働き口を探すことが絶望的であることを表明しているのを見てきました。
そして中級レベルの人々ですら、テック企業におけるレイオフが行われている状況においてはそういった職探しに苦戦していることを知りました。

さらに私はUI/UXデザイナーと呼ばれる多くの人々が、営業活動においてUXの基本も抑えていないような低品質な作品やオンライン上の作品のコピーを掲載しているようなポートフォリオを片手に、非常に安い賃金のフリーランスの報酬を求めている状況を知り、さらに惨めな気持ちになりました。


UXに真に情熱を持っている人には希望もある

UX領域における初心者レベルの人々は路頭に迷っています。私もまた同様の状況です。
しかし、UXデザインへの悪評は、強い意思を持ちながら厳しい就職環境においても自分を高めているようなデザイナーによって打ち砕かれるだろう、というWesley Hongの主張に強く勇気づけられました。そういったデザイナーは間違いなく力をつけて、さらに成長してくことでしょう。

UXの領域は非常に広い。真剣にこのことを学んだ人であるなら理解されていると思います。私の場合、毎日知識を深めるための学習を欠かしませんが、いつまで経っても決して終わることがありません。
初心者のUXデザイナーは困難な道に直面していることを自覚し、数ヶ月のうちにUXキャリアへ転換することは困難であるという現実を受け入れましょう。
しかし、これは今一度立ち止まり、自分自身がただトレンドに流されているわけではなく本当にこの領域に対して情熱を持っているのかどうかを考える良い機会です。関係者から毎日自分のデザインに対して批判を受けたとしても、自分自身で大丈夫かどうかを判断してください。

現実のデザイン現場では、個人のプロジェクトやあなた自身の趣味活動などと同じような働き方はできません。多くのレビューを受け、多くの人から指摘を受け、しばしば説得もできずに本意ではない変更を強いられます。
また、誰もが適切な配慮のもとに批評ができるわけではなく、直接的な言葉であなたのデザインを批判してくることもあるかもしれません。私がそうでした。
実際、私が仕事終わりに意見交換をしていたデザイナーの何人かから、現状に不満を抱えて別のキャリアへ移動することを相談されたりもしました。


まずはあなた自身を理解し、クリアになりましょう

キャリアを選択する際、まずは自分自身を理解し、どの領域へ行くのかを考えなければなりません。これにはいくつか方法がありますが、私の場合はパーソナリティテストを行ったり、自分自身がどんなものに心動かされるのか、子供の時に何が好きだったのかについて、時間をかけて分析しました。
私はまた、UXデザイナーが経験を積むためにどのような仕事の進め方を行っているのかを調べたり、ただYouTubeやInstagramなどのようなメディアを見るだけでなく実際に人の話を聞きに行ったりしました。御存知の通り、SNS上で彼らが自身の生活について話す場合は良い面しか語られなく、見ず知らずの他人へ暗い側面を見せるほどの勇気を持っている人は多くありません。

私たち自身を理解する方法はまた、人生における重要なミッションだと私は信じています。
熱意を持った新しいUI/UXデザイナーが厳しい経済環境の中でも粘り強くこの領域に留まってくれることを願っています。さあ一緒に学び、一生懸命働きながら自分自身を磨いていきましょう!


感想:"自称UI/UXデザイナー"が多くなることは悪いことか

この記事ではキラキラなUI/UXデザイナーというキャリアへの憧れから、低品質な教材が世の中に蔓延し、それによって低レベルなデザイナーが大量に生まれてしまったことがコロナで疲弊していた世界経済と重なり業界全体の失速につながっている、という話をしていました。自分はそこまでマクロな視点を持っていなかったため、こういった事実を知らずにいました。

自分が偉そうなこと言える立場ではないことを前置きしつつ、そういった低レベルな人材が世の中に溢れることは悪い側面ばかりでもないような気がします。

UI/UXの考え方を、たとえ浅い知識であったとしても身につけ、そういった素養がある人が世の中に増えていくことはもっと引いた視点で見れば、労働者全体におけるデザインリテラシーが向上している、という捉え方もできるような気がしています。

これまでよく分からない領域だったUXデザインもかなり体系化されて学習できるようになってきました。※以前私もGoogleのカリキュラムを受講していました

様々なかたちでUXデザインというものが学習できる環境が整えられ、そういった領域にチャレンジする人が増えること自体は、(本当にデザイナーになれるのかどうかという個人レベルの問題はおいておいて)ビジネス環境においては大きな前進のように感じます。

特に私のように古い体制の日本企業にいると、そういったデザインの素養を持った方は貴重で、たとえデザイナーという仕事を行っていなかったとしても会社の中では重宝される人材となっているのを目にしています。

そういった人たちに負けないように、私も日々学習を続けていけたらと思いました。


個人的に気になった海外記事を週数本メモしていますので、よければフォローおねがいします

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