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俺は自分のセルフイメージと、世界の俺に対しての評価を一致させたいんだよ!

タイ旅!
#10, 日本②

【前回までのあらすじ】まえだゆうきは海外に絵本を売りに行くと決めたのじゃ。

海外に絵本を売りに行くと決めてからまず最初に考えた事は、「実際問題どこの国に行くのがいいのか」という事。


世界には100以上の国があるけれど、既に絵本が行き渡っている国に行っても仕方がないし、物価が高い国に行く金はそもそも無い。

ケニアか、パプアニューギニアか、ペルーか…。


そんな事を考えながら世界地図とにらめっこをしていたある日、親友のナベちゃんがタイへ旅立ったという知らせを聞いた。


前にも書いたかもしれないけれども、ナベちゃんは旅をしながらフリーで英語の翻訳業をやっている、中学時代からの親友で。

旅先で知り合ったフィリピン人の彼女と結婚をするタイミングを見計らって、ビザを取得して念願のタイ移住を決めたのだそうだ。

 
同い年の親友が目標を達成する事はもちろん喜ばしい事だが、同時に悔しさもつのる。


うおぉぉ!俺が必死こいて毎日家具の組み立てやっている時に、ナベちゃんは常夏の国タイへ移住だと!?
くそ!負けてたまるか!いつか絶対に俺もタイで暮らしてやるぜ!

(この時点で、既に当初の目的からはかけ離れている)


タイ。

そう、頭の中にタイ行きの文字がはっきりと浮かび上がってきたのはまさにこの瞬間である。


そしてもう一つ、次に私がした事は、自分のSNSのフォロワーを片っ端から調べて、タイに関わりがありそうな人をリストアップした事。
(やればちゃんとリストアップ出来るようです私)


プロフィールにタイにまつわるコメントが無いか。
投稿でタイに関する事をつぶやいてないか。

タイムラインをせっせとスクロールする事しばらく。
いましたいました、見つけました!


フェイスブックでなぜか繋がっていた高校時代の4つ下の女の子(ほぼ面識無し)が、タイ文字の練習画像をダイアリーにアップしているではないか!

私はすぐさまその子にメッセージを送り、会う約束を取り付けた。



後日、都営新宿線、西大島駅。
午後16時の混雑したミスタードーナッツの一角で、私はほとんど会ったことすらない高校時代の後輩相手に、あらん限りの魂を込めて旅への想いを語った。


「さゆりちゃん!(その子の名前はさゆりちゃん)
 世界だよ!
 俺は世界で闘いたいんだよ!

 皆、誰しもが自分の事を、心のどこかですごい奴だと思って生きている。
 でも、何の根拠もなく、自分ってすごいよね!って言ってみたところで、
 世の中からは相手にされない。

 だから皆、何も言えなくなって、
 黙って自分の手の届く範囲で毎日を生きている。

 俺はね、自分が本当にすごい奴だって事を証明したいんだよ! 



 俺は自分のセルフイメージと、世界の俺に対しての評価を一致させたいんだよ!


 そして、ちゃんとすごい奴として、生きていきたいんだよ!

 その為には、世界でナンバーワンの絵本作家にならないといけないんだよ!(もう言っている事がめちゃくちゃ)」
 



さゆりちゃんは、ミスドのポンデリングをむしゃむしゃとかじりながら、(内心、来なければ良かったと思っていたかもしれないが)黙って私の想いを聞いてくれた。


そしてタイ人の彼氏のポン君を紹介してくれた。
更に更に、ポン君の友達のタイ人も紹介してくれた。


そして最後に、一緒に錦糸町駅まで歩いて行って、タイ料理屋さんでガパオライスを注文した。


ガパオ、ガパオ…。
おぉ!ガパオってタイ料理だったんだ!
へ~。


タイに絵本を売りに行くと決意してから数日。
その時点での、嘘偽りない正直な感想である。



金も無い、コネも無い。
結局のところ持っているのは、夢ともホラともつかないような、心の中のドキドキだけ。


だから私は人に会う。


このドキドキが夢なのか、ホラなのか。
それを確かめる為にも人に会うんだ。

→日本編③に続く

【タイ旅!】#9,日本①はこちら!

【タイ旅!】#10,日本②はこちら!



絵本作家まえだゆうきがタイで絵本を出版するまでの、100%リアルなドキュメンタリー紀行文。

タイ旅!
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チベット・インド旅行記
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