わらしべM&Aノート

元新聞記者、元IT企業経営者、現M&Aアドバイザー/経営支援。これまで、国内外で3社… もっとみる

わらしべM&Aノート

元新聞記者、元IT企業経営者、現M&Aアドバイザー/経営支援。これまで、国内外で3社創業、1社継承。数々の失敗から学んだ実践的経営論をもとに「理想の起業と幸せな出口」を追求しています。著書 https://amzn.to/3Lf6CWJ

最近の記事

業種は絞るべきか?

これまで、Web制作、EC/BtoBマーケティング支援、そしてM&Aと、多業種に対する業種を経営してきて、常に頭から離れなかったことがあります。それは、 対象業種は絞るべきか? ということ。弁護士や病院、不動産などを専門とするWeb制作会社とか、マーケティング支援会社とか結構ありますよね。M&Aでは、業種を絞った会社やサービスは「Web特化」くらいしか私は知りませんが、まだ絞れるくらいまで市場が大きくなっていないということでしょうか。あるいは、M&Aの専門性は共通していて

    • 中小企業DXの最適解

      今、中小零細企業におけるDXの必要性が叫ばれています。ただこれは別に新しいことではなく、まだDXなんていうワードが存在しなかった2000年のITバブル当時から、頻繁に叫ばれていたことです。日本が30年も停滞している間に、諸外国が一気にIT化で成長し、「もう後がない」という局面でDXという新語が登場し、また脚光を浴びているという感じですね。 しかし、これまで同様、特に地方の中小零細企業にとっては、単なるお題目になってしまっています。ざっと理由を上げるとこんな感じでしょうか。

      • 土俵の真ん中で勝負する

        会社をつくって20年以上、個人事業時代から入れると25年ほど経営してきて、いろんな方向転換をしてきました。 当初は、会社をどこまで大きくできるかしか考えてなくて、利益はほとんど次への投資に充てるスタイルでした。時流に乗っているときはそれでもいいのですが、その時流を読み違えると、内部留保が薄いだけにとても辛いことになります。 経営の一般論で言えば、それは少々無謀な姿勢です。しかし、致命傷を負わない範囲でそれを繰り返すことは、成長を目指すためには必要な姿勢です。 成功も失敗

        • [AI執筆] M&A活用法:起業と事業拡大の新たな戦略

          最近、少し時間があればジムで筋トレするか、ChatGPTで遊ぶオヤジになっています。ふと思い立って、GPT4でブログを書いてみました。タイトルも本文もGPT4が書いたもので、何の修正もしていません。(小見出しと本文の間の改行だけ入れました) ところどころ、違和感のある表現はありますが、言いたいことは大体合っています。プロンプトは という感じです。 ---以下、AI執筆--- 私はこれまで数々の会社を起業してきましたが、今回はゼロから起業するよりもM&A(Mergers

        業種は絞るべきか?

          経営者保証の解除が、社長の大切な仕事である理由

          私はM&Aアドバイザーの会社を経営しながら、他社の経営にも参画しています。また、これまで3社創業、1社継承し、事業によっては数十人の社員を雇用してきました。業種は様々ですが、それぞれ少しの成功と多くの失敗を重ねながら、その度にたくさんのことを学んできました。 その学びのひとつが、「現場仕事は社長のサボり」と言うことです。 まさに、かつての私がそうでした。少なくとも「現場仕事をやっていてはダメだ」との感覚はあったものの、その体制をつくることに失敗したのです。そして、他の中小

          経営者保証の解除が、社長の大切な仕事である理由

          企業のバリューアップ考①バリューアップは「サボりの知恵」から生まれる

          これまでも書いていますが、M&Aは成約がゴールではありません。まさにスタートです。私はM&Aアドバイザーである前に事業家ですので、特にその思考が強いのですが、成約後を見据えて動かないと、特にM&A経験の少ない中小企業では、結果的にうまく行かないことになりがちです。 M&A後はどのフェースになるかと言うと、バリューアップ(PMI)です。事業承継や資金的に苦しい会社に手を差し伸べる救済型など、M&Aの目的は様々ありますが、買い手にとっては、その後より成長していける、あるいはマイ

          企業のバリューアップ考①バリューアップは「サボりの知恵」から生まれる

          顧客と「ゴール」を近づける

          元旦に、このような記事を書きました。M&Aの8割は、俗にPMIと呼ばれる「買収後の経営統合=バリューアップ」であり、成約時点ではまだ2割です。 M&Aアドバイザーからすると、ゴールは成約です。しかし、M&Aの当事者からすれば、そこはスタートです。売り手のオーナーは、成約がゴールの場合も多々あるでしょうけれど、残る社員はそこから新体制がスタートするわけです。また、買い手からすると、まさにそこはスタートですよね。M&Aが成功するも失敗するも、すべてはそこ(成約時点)からスタート

          顧客と「ゴール」を近づける

          M&Aの8割はPMIだ

          以前、日本電産の永守会長は「M&Aを登山に例えると、成約時点ではまだ二合目。その後はPMIという難しい作業が待っている」と言っていました。 永守氏と言えば、私も尊敬する名経営者ですが、同時に日本一のM&A巧者とも言われます。同社を世界一の小型モーターメーカーに押し上げたのは、卓越したM&A戦略によるものであることは疑いようがありません。 その永守氏が、M&Aの8割がPMIで、それが最も難しいと言います。 PMIとは、Post Merger Integrationの略で、

          紹介記事からちょっとだけ考える、「ライティング」の将来について

          オンラインM&Aプラットフォーム「M&Aナビ」様に、中小企業向け | 大阪府のM&A・事業承継支援専門家10選!として、当社マエトク・フォーベルツ株式会社を紹介していただきました。 これについては、事前に聞いていたわけではなく、この紹介文も先方が当社のことを調べて書いていただいているんですね。そこにとても好感を持てます。 昨今、広告と広報の境目が曖昧になってきて、普通の記事かと思ったらペイドパブリシティだったりすることが頻繁にありますが、それはそれで、正確に情報を伝えてい

          紹介記事からちょっとだけ考える、「ライティング」の将来について

          中小企業にふさわしい、企業価値算出方法とは?

          先日上梓した私の書籍「日本一わかりやすいM&A起業の教科書」の中でも書きましたが、これまで出会った数多くの優秀な経営者は、もれなく自社の現時点(少なくとも前期決算終了時点)での価値を数字で把握しています。本書では、シリコンバレーで出会って、その後Appleに売却した起業家のエピソードを交えて、その重要性を強調しました。 起業したての頃だったので、余計に印象に残ったのですが、私が売り上げを聞いたつもりの質問をすると「今は〇ミリオンだね。来年は〇〇ミリオンになるけど。最終的に〇

          中小企業にふさわしい、企業価値算出方法とは?

          日本一わかりやすいM&A起業の教科書

          という名前の書籍を出版することになりました。まずは電子書籍版を11月30日に、その後、紙版をリリースいたします。 M&A関連書籍はたくさんありますが、公認会計士やコンサルタントしての視点ではなく、実際にいくつかの事業を立ち上げた起業家としての視点で、M&Aの活用方法を書きました。 M&Aは、経営者の「理想の入口」と「幸せな出口」をつくるための手段です。また、効率的な「成長戦略」を描くために欠かすことのできない手法でもあります。 私自身が最も得意とする分野は、Web(特に

          日本一わかりやすいM&A起業の教科書

          数字だけでは判断できない、ECサイトM&Aに必要な視点

          スモールサイズのM&Aが活発になるにつれ、Webサイトを売買する、いわゆる「サイトM&A」も盛んになってきました。多くはキュレーションなどでアフィリエイト収入を得ているサイトですが、ここにきてECサイトの売買も増えています。 以前は、楽天市場のアカウントは、特別な場合を除いて売買はできませんでしたが、今は譲渡しやすい規定に変わっています。それだけECサイトの譲渡ニーズが増えてきているということです。 ECサイトと言えど、立派な事業譲渡です。その価値を計る基本は、どれだけ利

          数字だけでは判断できない、ECサイトM&Aに必要な視点

          ゼロイチ起業しますか?M&A起業しますか?

          Twitterで「100話で心が折れるスタートアップ」という4コマ漫画が話題です。一日一話ずつ更新で、つい先日完結したばかりですが、私も全作一気読みしました。主に読んでいる人は起業経験者が多いと思いますが、多くが共感しているようです。 100話で心が折れるスタートアップ 具体的な内容はリンク先を読んでいただければと思いますが、タイトル通り、大きな目標を掲げて起業したスタートアップが、刀折れ矢尽きるまでの数年間を漫画にしているものです。 4コマ漫画だけに、全体をサラッと書

          ゼロイチ起業しますか?M&A起業しますか?

          自社のバリューを言えますか?

          経営者の皆さんは、自社を売却するとすればいくらになるか、その「価値」を把握しているでしょうか?もちろん、実際の売買は、買う人がいて初めて成り立つので、買い手のニーズによって価格は変わりますが、ここで言いたいのは自社のバリューを常に把握している人と、そうでない人は、経営者として天と地の差があるという話です。 私がこれまで会ってきた経営者の中で、「今のバリューはこれくらい」と即答できる人はわずかで、その人たちはいずれもIPOしたり大手に売却したりしました。一人例を挙げます。

          自社のバリューを言えますか?

          資本と経営を分けないデメリット

          日本においては、中小零細企業のほとんどはオーナー社長です。つまり、自社の株式の過半数を社長が所有している状態ですね。 会社、特に株式会社というのは、オーナーである株主が、社長はじめ役員に経営を委託する形式です。そのため、役員は毎年の決算で株主に業績を評価され、来期の継続の可否、役員報酬額を決定されます。業績が悪ければ減俸も退任もあり得るのが、役員の立場です。それを決めるのは株主総会です。 そう考えると、社長というのは立場的に漏れなく「雇われ」なのです。 ただし、株の過半

          資本と経営を分けないデメリット

          経営者が「M&A実務」を学ぶべき理由

          どんな会社にも寿命があります。そして、どんな経営者にも寿命があります。 経営者は、それを見込んで会社もしくは自分の「終わり」をいつ、どのようにするのか、想定しておくべきです。その責任があると思います。 「死ぬまで仕事する」なんて言ってる経営者も多いですが、そんな気合に満ちている社長がいる会社ほど、後継者選びに苦労するものです。死ぬまで頑張る気概はいいことですが、死んだ後のことは準備しておかないと、社員が困ってしまいます。 そこで、経営者に強くお勧めするのが、M&Aの実務

          経営者が「M&A実務」を学ぶべき理由