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和歌を読み、和歌を詠む

古今和歌集から始めた「和歌を読む」ことは、新古今和歌集、万葉集、山家集、金槐和歌集を経て、再び古今和歌集に戻り、1首1首、じっくり読んでいます。何度も読んでいると気に入ったフレーズが自然と口から出るようになります。
和歌を読んでいると自分でも詠みたくなることは以前に書きましたが、「吟行」をかねてGW前半に白川・金沢・戸隠を旅行しました。2年ぶりの旅行になります。

私は高校の時から伊勢物語が好きで、これまで何度も読み返していますが、伊勢物語には旅行記のような段の記述の合間に和歌が書かれています。特に好きなのは9段の「東下り」。
「名にし負はば いざ言問はむ 都鳥 わが思ふ人は ありやなしやと」
文章を書いてから和歌を詠んだのか、和歌を詠んでからそれに合う文章を書いたのか気になりますが、「吟行」のようなことをしてみると、先ずは和歌を詠んだのではないかと思いました。

閑話休題
先ずは岐阜県の白川郷。合掌つくりで知られた土地です。写真などでは見知っていましたが、これまで訪れる機会がなくずっと行きたかった場所です。当日は、春にも関わらず強い雨が降り冬のような寒さで、観光客はまばらでした。先ずは展望台から風景。いろいろなところで紹介されている風景です。展望台から下って村の駐車場に車を停め、橋を渡り集落に行きますが、強雨のためにひとびとは観光もそこそこにして車に戻るようでした。おそらく普段は観光客で道が溢れているでしょうが、当日は人が少なく、雨音しか聞こえない静かな白川の村でした。

憧れの 白川郷の 実風景 既視感溢れ 感慨薄し

寒き雨 観光客を 遠ざける 静かな春の 白川の郷

翌日は打って変わっての晴天。金沢市内を観光しました。兼六園は7時から開門していましたので、朝の散歩をかねて行ってみました。台地に作られた庭園に池がある地形に興味をそそられましたが、早朝のために人が少なく、人声はなく小鳥のさえずりや池から流れ落ちる水の音だけが聞こえてきます。

早朝の 兼六園にて 聞こゆるは 春の小鳥と 池の水の音

早朝の 人のすくない 兼六園 思索散策 藩主の気分 

金沢からの帰京の途中で長野の戸隠神社に立ち寄りました。パワースポットで知られた神社です。冷たい雨の中の参拝でしたが神々しさに心が洗われるようでした。寒さと時間の都合で中社しか行きませんでしたが、ぜひ時間をかけてじっくり参拝したいものです。

戸隠しの 社殿の前で 立ちすくみ 寒雨を忘れ パワーを感じる

私の詠むスタイルは1首を詠んでからその一部を修正していきますので、似たような和歌がいくつも出来上がってしまいます。古今和歌集などで読み覚えたフレーズを使ってみたりします。

次の吟行をどこにしようか。これも和歌を詠む楽しみの1つです。

和歌を詠み始めた 新たな趣味|森村一樹|note




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