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古文を楽しむ

古文・漢文の授業は役に立つのか、ということを書き記しましたが、今回は古文について。

私が古文に触れたのは中学時代が最初です。テストのために単語を覚え、大学受験のために、いくつもの過去問に向かいました。「春はあけぼの」など覚えたフレーズもいくつかあります。

その中でも、「更級日記」の冒頭「あづまぢの道のはてよりも、なほ奥つ方に生ひ出でたる人、いかばかりかはあやしかりけむを、いかに思ひ始めける事にか、世の中に物語といふ物のあんなるを、いかで見ばやと思ひつつ、つれづれなる昼間、宵居などに、姉、継母などやうの人々の、その物語、かの物語、光源氏のあるやうなど、所々語るを聞くに、いとどゆかしさまされど、わが思ふままに、そらにいかでか覚え語らむ」を、何故かよく覚えていませんが、何度も音読しました。

大学に入ったとたん、古文からすっかり離れてしまいましたが、社会人になり、新しく採用された女性の派遣社員さんと面談することがありました。
「大学時代は何を専攻されていたんですか?」
「国文学です」
「そうですか。どのような領域ですか」
「はい、更級日記を研究していました」

更級日記。何度も音読した更級日記。思わず、「あづまぢの道のはてよりも、なほ奥つ方に生ひ出でたる人、いかばかりかはあやしかりけむを・・・」と口から出てしまいました。
「更級日記をご存じなんですか?」と驚いた様子です。
私の方こそ、自分の口から自然と出てくることに驚いていました。
「ええ、昔好きでしてね」

それからです。今昔物語、伊勢物語、などなど、中学・高校時代の教科書に載っていた古文の本を買い、読み始めました。
単語は忘れていますが、音読はできます。なんとも言えない音感です。

伊勢物語にある、「唐衣着つつなれにしつましあればはるばる来ぬる旅をしぞ思ふ」という和歌も何度も音読していたこともあり、口ずさむことができます。

そうなると、和歌をもっと読みたくなり、万葉集、古今和歌集、新古今和歌集に入っていきます。日本史の授業で習った「万葉集は素朴、その後、次第に技巧に凝っていく」ということは試験対策で丸覚えしていましたが、和歌を読むうちにその意味が分かるようになりました。

今は平家物語です。「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理ことわりをあらはす。おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし」

平家物語はまだ一巻で足踏みしていますが、「更級日記」「伊勢物語」「古今和歌集」はキンドルで購入し、出張の移動時などに気分転換に読んでいます。

中学・高校の授業で古文を習ったおかげで楽しみが増えました。

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