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アフターコロナの飲食ビジネスその3(完結)

アフターコロナ、もといwithコロナにおいて飲食ビジネスはどうやって生き残り、成長していけばいいんだろうか。

その1 https://note.com/madeinhands/n/n985341ec9900
その2 https://note.com/madeinhands/n/n9e730c8ad6c3

できれば前2回の記事もお読みいただきたいですが、あらすじを3行でまとめると、
・もはや『多店舗展開』を前提にした成長戦略はリスク高すぎてやるべきでない
・テイクアウトなどのサイドビジネスにも活路を見出すなら、イートインとの協業をこなせるか、を真面目に考えるべき(僕は無理なのでイートインに集中)
・『密』を避ける意識は当分残る。薄利多売は限界。高単価にシフト。
といったところです。

それじゃあ、どうやって高単価にもっていくのか。今思い浮かんでいるポイントは2つ。
(※僕はコンサルではなく、一介の飲食店主に過ぎません。本記事は100%僕の主観・考えに基づく内容で、何の保証もないことをご了承ください)

1つはもっとエンタメを意識すること。
お客さん視点に立つと、イートインには大きく分けて2つの魅力があると思います。
『自分で調理や洗い物をしなくていい』『普段と違う環境で食事を楽しめる』

前者を自店のウリとしていくのは未来が無さすぎです。
これからテイクアウトやデリバリーもさらに切磋琢磨されて、品質が上がっていくはず。『調理・洗い物をしなくていい』はこのテイクアウトなどのウリとも競合してしまいます。
そしてイートインには感染というリスクが残る。店に行かなくてはならない、という手間もある。数の暴力で押してくる大手チェーンとの戦いも続く。
こりゃあ無謀ですね。

というわけでイートインでいくなら後者一択。
これを伸ばすためには『感染のリスクがあろうが、わざわざ行く手間があろうが、イートインでなければ体験できない魅力』が必要です。
すなわち、食そのものだけでなく、店で食事をすること自体が魅力的でワクワクするものでなくてはならない。
(僕もそんなに行ったことないですが)客単価2,3万の高級レストランの場合、予約して服を選んで・・と、店に行く前から既に楽しみが始まっています。
それを客単価2000円の僕の店にそのまま当てはめるというのは無理だけど、『店に行く』ということにもっとワクワクしてもらう仕掛けを考えなければ。

それなら、どうやってエンタメ化するかというのがとても難しいところで考え中なんですが。ただ、一つ思っているのは、自分の主観だけで「ワクワクする店とは?」を考えていくとどうしても偏ってしまうので、外部が作成した基準をベースにするのがいいのかなとも思っています。
例えば、こんなの。
https://www.service-design.jp/beni/

こういった普遍的な基準を満たした上で『当店ならではの要素』を加えれば、自然とワクワクする店になっていくんじゃないだろうかと。

2つ目は味以外のウリを持つこと。
他とは比較されにくいアピールポイントを持てば、高単価の理由付けになります。差し当たって考えているのは『健康と栄養』。

志村さんにしても岡江さんにしても、喫煙や乳がんによる免疫力が低下していたことがコロナ重症化の原因という報道があります。
今まで以上に、『健康』に対するみんなの意識は上がります。
直接体内に取り入れるモノを作る外食が、健康に寄与できないわけがないですね。

が、とってつけたように「これ食べると免疫力UPに効果あり」とか、どっかでググった程度の知識で補足してもあまり説得力がないと思います。提供者側(=店)にしっかりした裏付けがなくては信頼されません。
というわけで、当店では栄養士にメニューの監修を依頼。加えて、僕含めたスタッフには食と健康に関する資格の取得を強力に奨励。メニューに書いておくだけでなく、スタッフ自身の言葉で『なぜ、これを食べると体に良いのか』を説明できるようにします。

ちょっとした健康カウンセリング(「最近、疲れやすくって」「であれば、これには○○という疲労回復効果のある成分が豊富に含まれているのでオススメですよ」みたいな)ができれば最高ですね。イートイン接客の魅力も向上するし、エンタメ化にも繋がります。これはテイクアウトやデリバリーではできない強み。
もちろん、栄養を前面に出しすぎると『健康食品の店』みたいになって面白くないので、バランス注意ですけどね。

まだまだ各方面から検討する必要はありますが、とりあえず当店はこんな感じでwithコロナに備えようかと思っています。
「ピンチはチャンス」って良く言われてます。安定した職業の方から聞くと「今回のピンチはそんな甘いもんじゃないぞ」という反感も芽生えますが、ピンチが大きいほど社会に変化が生じ、新たな需要が生まれやすくなるのも確か。そこを強かに狙っていきたいものです。


※余談
うちの妻(美容皮膚科で看護師やってます)から聞いた話。
「最近、zoomでビデオチャットする機会が増えたんだけど、あれ、ディスプレイに自分の顔が映るじゃない?それでシワとかたるみが気になって、施術してほしいっていう人多いのよ」
まさに変化が生んだ新しい需要。僕なんかは「外出自粛で人と顔合わせる機会が減ったから、美容への関心は薄れるのかな」と思ってたんですが、そういう方向に行くとは。面白いですよね。

いやー、お金を頂ける文章とは思いませんが、頂けるというのなら受け取らせて頂くこともやぶさかではございません。