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韓国の就職活動って?

こんにちは、たおちゃんです。
韓国での留学が終わり、日本に帰国してようやく1週間が経とうとしています。
実は帰国翌日からオンラインでインターンに参加したりと、韓国留学の思い出に浸るほどゆっくりする時間がありませんでした。
なので、まだ帰国一週間であることに少し驚いています。笑

今回久しぶりにnoteを書こうと思ったきっかけは、韓国と日本の就職活動が違う、ということを知っている人が意外と少なかったからです。
私は日本と韓国両方で就職活動をしようと思っているのですが、私のように韓国でも就職活動をしたいと考えている日本の方たちに有益な情報になればと思います:)

今回は主に、「大学生」を想定して、大学に入学してから就職するまでを段階を追って紹介していきたいと思います!

大学入学後~3年生頃まで

①学外活動

日本の大学生と同じようにサークルや学生団体に所属し、活動を行います。
運動系のサークルもありますが、通訳や討論等のスキルを高めるサークルも多いのが特徴です。また、ダンスやヨガのスクール、ジム等も日本より利用している学生が多い印象です。

②勉強

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韓国では、大学での成績が就職に大きく影響します。そのため、試験期間中には大学の図書館が24時間開放されていて、非常に多くの学生が寝る間も惜しんで学業に取り組みます。日本の大学では絶対評価であることが多いのですが、韓国の大学の多くの授業は相対評価です。ほかの人より優秀であることを求められるため、日本の大学生と勉強量は比べ物になりません。また、長期休みには「季節学期」というものがあります。受講義務はなく、補講のような授業でもないのですが、取得単位数を増やしたり、成績を上げるために、この季節学期にも授業を取る学生が少なくありません。

③サポーターズ

日本にはない大学生の活動として、私が個人的に面白いと思っている取り組みは「サポーターズ」というものです。
政府の機関から一般企業、小さなお菓子屋さんや雑貨屋さんまでもが、この「サポーターズ制度」を利用した広報活動を行っています。
1ヵ月から1年にわたり、期間は様々ですが、採用されたサポーターズは、期間中にSNSでサポーターズとして活動している様子や、関連記事を扱います。場合によっては企画を行ったりもします。

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韓国の新聞社の一つである朝鮮日報もこのサポーターズ制度を活用しているのですが、このサポーターズでは「ニュースサービスとデジタルコンテンツのマーケティング企画とそれの実行」が主な活動内容として紹介されています。

このように、サポーターズとして活動することで、学生は社会経験やスペックを積むことができます。メンターがいる場合も多く、就職活動を有利に進めるための活動として、多くの人がサポーターズ活動を行っています。
企業側としても、広告費用をおさえることができるだけでなく、サポーターズとして活動しようとする、意欲のある優秀な学生たちとのコネクションを作ることが出来るため、積極的に活用しているようです。実際に私の友達は、サポーターズをきっかけにその企業でインターンをしたりと、サポーターズでの活動により、企業と学生のコネクションが形成されているようです。

日本での1デイインターンや短期インターンのようなものを行っているものだと考えるとわかりやすいかもしれません。

➃アルバイト

韓国では、大学生がアルバイトをすること自体が一般的ではありません。大学生まで両親からお小遣いをもらって過ごす人が多い印象です。理由としては、学業の負担が大きいこともあげられますが、日本ほどアルバイトの採用枠がないことも大きな要因だと考えられます。最近最低賃金が引き上げられる等、賃金主導経済成長政策がとられてから、飲食店などではできるだけアルバイトを雇わないようにする人たちが増えました。そのため、大学生たちは上記で説明したようにサポーターズや学外活動に取り組むことが多いようです。

大学4年生と卒業猶予

韓国では、日本と違い、大学に通いながら就職活動をする文化はありません。また、卒業する前に内定がある、というのも一般的ではないようです。
そのため、韓国では「卒業猶予」という制度を活用した就職活動がメジャーです。

「卒業猶予」とは、卒業要件を満たしている4年生が、学籍を残した状態で休学することを指します。韓国では休学に費用はかからないため、学業と並行して何かに取り組むよりかは、学業か、休学して他のものにとりくむか、のどちらかを選択することが多いようです。

 この卒業猶予を活用して行うのが、インターンや、資格の取得です。

①インターン

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日本で言われるインターンとは違い、韓国ではインターンとは、「週5日フル出勤」を意味します。3か月から6か月の契約期間、社員さんと同じように働くことで社会経験を積みます。このインターンは能力が認められれば正社員の提案をもらえることもあるため、就職活動に直結していると言えるでしょう。
しかし実際は、韓国では経済状況がよくないため、正社員を雇おうとする会社は少なく、安い労働力としてインターンを採用している企業も存在する為、「スペック」としてのインターン経験の為に応募する学生が多いようです。

②資格

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資格の取得のためにも長時間勉強する人を多く見かけます。
TOEICは基本的に900点以上をもっていて(900点以下は資格として認められないことが多い)、その他にも韓国史、パソコン検定などを塾に通いながら勉強する人が多いです。
最近ではプログラミング用語はもちろん、動画や画像の編集能力を求められることも多く、パソコンに関連した塾が非常に増えました。

卒業、就職活動

韓国では、卒業した後に就職活動を本格的に行う人たちが少なくありません。卒業後、就職活動だけに集中して、履歴書や面接の準備を行います。
一般的には1年就職活動をして、就職が決まれば早い方だと言われるほど韓国での就職は難しく、長くは1年半から2年、就職の為だけに時間を費やすこともあります。

また、韓国は他の国に比べても自営業の割合が高く、約4人に1人が自営業です。韓国はチキン屋やカフェが多いことで有名ですが、実はそれは自営業の割合が多いことも関係しているのです。

スタートアップ、個人ブランド

先ほど、韓国には自営業の割合が多いと紹介をしました。だからか、最近はインフルエンサー等が出てくるのと同じように、スタートアップや個人ブランドに挑戦する人が増えているように感じます。

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韓国で人気だったドラマ「スタートアップ」が放映されたことからも、スタートアップという言葉自体が若者たちを中心に親しみのある言葉になっていることがわかります。
私の友人も、韓国でスタートアップのコンテストにビジネスプランを出して、実際に後援を頂いて活動している姿を見ていると、決して自分に関係のない話ではないと感じました。
特にソーシャルビジネスには政府や企業側も力を入れていて、ソフトバンクもソーシャルビジネスの起業に多額を投資しているようです。


また、個人ブランド、というのは最近インスタグラムで人気を博している韓国雑貨韓国ファッションから読み取ることが出来ます。
これまで韓国ファッションといわれると東大門市場で購入する、画一的な服装を指していたのですが、最近ではインスタグラムでコアなファン層を獲得し、それぞれの世界観にあった雑貨やファッションを販売する個人が非常に増加しています。
オンラインでの購入が一般化していく中で、店を持つ必要性が薄まり、またSNSをつかって安価にビジネスを始めることが出来るようになったことが大きな要因ではないでしょうか。
インスタグラムではショップ機能が出来てしばらくたちますが、私も韓国で生活をしているときはインスタグラムで見つけた商品をオンラインで買うことが少なくありませんでした。
自分の好きなものをハッシュタグから簡単に探せて、画像から選び、直感的に選べるインスタグラムのショップ機能により、独特な世界観やセンスを持った人たちが自分の世界観をビジネスにできるようになったことによる変化だと考えられます。

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韓国の就職事情を実際に見てみて

以上が、私が留学しながら、また韓国の友人たちと話しながら見てきた韓国の就職事情です。私が見ていて感じたことは、韓国の就職活動は日本よりも形が様々だということです。日本の就職活動は韓国では一種の「文化」としてとらえられています。それほど、個人の多様性というのはまだまだ見えにくい、というのが私の日本の就職活動に対する感想です。
日本はゆとり世代から私たちZ世代まで「同調圧力」を感じていることが一種の特徴として挙げられるのですが、まさにこの同調圧力の強さを就職活動でも見ることが出来ました。


一方で、韓国はアメリカ等にみられる「実力主義」が強く、日本の新卒採用等のような「ポテンシャル採用」という部分はあまり見られなくなってきています。そのため、大学生から就職が決まるまでの空白期間に対して不安感を感じる若者も少なくありません。この点では、卒業前に就職が決まる日本の採用方法は学生に安心感を与えるという利点もあります。

ここ数年で日本でもインターンが当たり前になったり、「黒髪、黒スーツ」を廃止する企業が出てきており、就職活動が変化の過程にあるようです。

これからどう変わっていくかは見守っていくしかないですが、企業にとっても学生にとってもよりよい「就職活動の文化」ができるように願っています。笑(就活0年生より)


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