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「鏡に映る…」

「アッタマ 悪いんだよ!」
怒鳴る男の声が聞こえた

僕のこと?
いや まさか
僕は社食の自販機でコーラを買おうとしてるだけ
そんなワケないよね
声のほうを向くと 厨房で料理人がパートのおばさんと世間話中

そこから飛び出した コトバ
アタマ ワルイ
アタマ ヨイ
ヨイ ヨイ ヨイ ヨイ ヨイ ヨイ

言われて大きくなった――
ああ 本当は
ボクハ アタマ ワルイ ンダ

今は 思わざるを得ない。

アタマのよい奴の立ち居振る舞い
それを
身につけないまま 老境に
アタマのよい人――
との立ち居振る舞い
それをしてたか? 自分
否――――――であ――――――る。

何度も コイツ アタマ ワルっ

思う連中に対峙してきた――
いやいや
それは 鏡に映る自分!
いーーーーーですか
みなさん!
ここに アタマの悪い男がいますよーーーー

指さす先に
自分。

アタマ悪い と言われた
とて
僕は 立派に生きてきたんだゾ
何が悪いっ!!
大学だって 二文でも シャガクでもない
もちろんニッコマでもない
マーカンレベルを
ちゃんと
いや
ぎりぎり4年で卒後してるンだ

どこが一体
アタマ悪い
などと―――――――――――――――――

こう 綴り
公にしている ことこそが
アタマ悪い 証左
だとさ。

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